初めてのお家
気づいたら僕はお風呂に入れられていた
女の人に
キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
何ですか?ショタコンですか?
ちょっと警察に訴えますよ
「あっ、起きたわね。もう少しリアクションしなさいよ。もうすぐ終わるから待っててねぇ〜」
あっ、ちょっそこはっ
キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
「それにしても何も喋らない子ねぇ、表情も無愛想だし」
「確かになぁ、初めて会った時もこんな感じだ。多分、怨霊とか妖怪の類は見えてるみたいだぞ?」
この女の人はうんっと頷き、僕の手を掴む
「この子、私が預かる」
「なにっ?でも、この子に親戚とかいた場合どうするんだ?」
「ホームレスだったのよ?この子?しかもまだこんなに小さいのに。そんな人には預けられない」
「養護施設の方へはどう説明する?」
女の人は悪い笑みをした
「それはこう、権力で」
「うっわぁ、出た。お嬢様」
「ちょうどいいわ、この子を後継者にしましょう。うち男の子いないし」
どんどん話が進む
「お前、こいつと同じくらいの年の妹いなかったか?」
「結婚させるよ?もちろん」
「あっそ、勝手にしたら?」
男はもう諦めた
「はーい。じゃ、行こっか幾兎《いくと》」
「幾兎?」
「この子の名前よ。兎みたいでかわいいから」
幾兎か
「はあ、そうだね。早く帰れ」
「はいはーい」
僕はこの女の人が乗ってきた車に乗り
1時間ほどしたら、着いた
山中にあり、普通にお屋敷だった
鍵を忘れたらしく、インターホンを鳴らしている
「うーん、幾兎。縁側から回って先入ってて。私、歩くの面倒臭いから開けて」
コクリと僕は頷き、縁側に回る
縁側には綺麗な顔をした女の子が座っていて猫を寂しそうに見つめている
僕はその女の子を見つめていたら
気づかれてしまった
「あなたは誰?」
ニコニコしながらこちらを見ている
どこか作ったような笑顔で
今日から居候する幾兎と言います
「何も言わないとわからないよ?」
僕らは何分か見つめ合っていたら
女の人が来た
「あっ姉さん、お帰り。帰ってきてたの?」
あ、この子が妹なのね
「いるなら、開けてよ。」
「猫が可愛かったから、あと武具の整理してた」
「あっそうそう、この子は幾兎。今日から居候で伊織《いお》のお婿さん❤️」
「そうなの?よろしくね」
いい笑顔だな
でも、ツッコミ無しなの?
それともどうでもいいの?
ここら辺に川ある?
「見つめられてもわかんないよ?」
「ァアアウゥ?」
?日本語がうまく話せない
「呪いかな?でも、何にも感じない」
伊織が僕の喉に手を当てて僕の顔をじっと見る
意味もなく、右目の下にある小さいホクロに気づく




