番外編「リルの日記」
リルの日記
久しぶりに文字を書いてみます。門違わないか心配ですわ。
今日は実にすばらしい日です。牢屋から出られましたのよ! さすがに白馬に乗った王子様ではなかったのが残念なところでございますわ。
そういえばあの灰色の人、予想外に人気があるようで驚きましたわ。平々凡々な顔に安心するのかしら。人気といっても戦闘系の方からなのですけれど。
そういえばあの黒い人、予想外に嫌われ者で驚きましたわ。魔術師だからって信じてもらえていないのですって。心の狭いことですわ。でも子供たちには人気ってアリスちゃんが言っておりましたわ。一安心ですわ。子供でも対等に接してくれるのが良いのですって。
アリスちゃんは可愛いですわぁ。髪が波打っているのは私たちも同じですけれど、私たちのは波がこまかいからぼわぼわするのです。それにくらべてアリスちゃんのは流れるような波で、うらやましいですわ。反乱軍内でもみんなに大切にされているようですわ。良いことですわ。
マルはまだアシトの探検をしているようですわ。私たちを見分けられるようになってきた人には私より大人しそうに思われるのですけれど、マルの方が行動派なのですわ。私はどちらかというと、調べるより調べたことを人に聞かせるのが好きなのですわ。聞き集めるのはマルが得意なのですわ。
マルは聞き上手ですのよ。うんうん、と頷いて話を先に進めますの。
あ! だから大人しそうに見られてしまうのですね!
大発見ですわ。




