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番外編2「マリアの日記(邪推)」

マリアの日記


序章―後日談―




皆さんこんにちは。


私はスイラ国に侍女として仕えております、マリアと申す者でございます。


気兼ねなくマリアと呼び捨ててくださいませ。


ここでは私が王城のあれこれを紹介させていただきます。


どうぞ肩の力を抜いてお読み下さいませ。




ではさっそく、最近で一番の出来事から




先日のことですが、我が国に女神様がいらしたのです。




神様ですよ、カ・ミ・サ・マ。非現実的でびっくりですよ。


しかも子連れなんですからさらにびっくり!


でも国境へ視察に行かれてから、帰ってくると気絶されていて、


それもひどい汗をかいているのに、なかなか目を覚まされなくて


せっかくの綺麗なお顔がもったいない有様でした。苦しむ姿も


麗しくてあられたんですけどね!




それでやっと目を覚ましたと思ったら、なんかこわーい顔で


出てけと言われちゃって・・・・マリアはショックでしたわ。


・・・うう。だからダナエのところに行って息子さんのレオン様と


遊んでいたらですねもう、またびっくりですよ!




女神様が血まみれでご登場。するんだもの!




ていうかどこから出てきたのよあの方は!




名に負けることなく、神出鬼没だわ。




「どうしたのですか!?」と、あまりの姿に駆け寄ったら




「んー・・・・賊に寝込みを襲われて、命からがら逃げてきた。って所でしょうか」




女神様は目を上の方に向けて考えていました。そして苦笑しながら。




「それと・・・・・シラに・・・助けてもらった。って感じかな」




ハハ、と笑う姿が痛々しかったの。本当に信じられないわ!


どうしてそんな目にばっかり遭うのよこの人は!




「そんな!どうしてそんな災難にばかりあっているんですか!」




さっき起きたばっかりなのに!!


女神様は不幸の女神ですかぁ!!!?




「い、いや。私に言われても困る」




って言いながらタンスをあさって着替え始めていました。


手際が良いな。ってそうじゃない!




「またお出かけになるのですかっ!!?」




「ああ、そうだった。しばらく居なくなりますってベリアルに伝えていただけますか」




って笑って頭を服の中に突っ込んだけど、これで話は終わらせないわ!




「駄目です!」




「・・・え・・・・・・・・・どうして――」




どうして、ですってぇ?




「女神様!ご自分の姿を良く見てください!血まみれなんですよ!


 気づいていないかもしれませんが、どこか怪我しているかもしれませんよ!」




「いや・・・それは無い。無傷ですよ。心配いりません」




そう言いながら笑った顔が寂しそうでした。


寂しそうで、私が悪いような気がしてきて、高まった熱が一気に冷めちゃった。




「あの・・女神様・・・・・・私」




ん? と小首を傾げてくる顔からはもう、寂しさがなくなっていて


なんだか私が寂しくなったの。それで何か言わないと場が持たない!


と焦ったら。




「私、頑張りますから!!」




女神様はぽかん、と口をあけて固まられました。


それを見たとき、一気に顔が熱くなったわ。




私ってば何してるのよっ。




「あ、あの、その・・・何というかその・・・とにかく頑張りますから!」




そう言って女神様を見ると、その綺麗なお顔で、ふわりと嬉しそうに


笑ったの。余りに綺麗で嬉しそうで、思わずどきってしちゃったわ。




「・・・うん」




気取らない返事が嬉しかった。








それで女神様が居なくなってから、ベリアル様に報告に行くと、


閣下は変わらず無表情でした。でも




「そうか」




と言ったとき、少しだけ怒っている感じがしたのよね。




心配なさっているのかしら。




もしかして閣下は女神様のことが、好き? 手放したくない?






まぁ






まぁ、まぁ!


素敵だわ!!


精一杯応援させていただきます!


まずはこのことを皆に広めて、


女神様が逃げられないようにくちゃ。




うふふふふふふふふ



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