【分割版】白軍編・第四話 /後半部分【台本 本編】
白軍編・第四話/後半部分
後半部分のみ場合/上演時間(目安)⇨50分~53分
※この話では、夢のシーンがあります。
夢のシーンは悠崎 巡の演者サマの独断場っぽいので頑張ってください。
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【演者サマ 各位】
・台本内に出てくる表記について
キャラ名の手前に M や N がでてきます。
Mはマインド。心の声セリフです。 《 》←このカッコで囲われたセリフも心の声ですので、見逃さないで演じてください。
Nはナレーション。キャラになりきったままで、語りをどうぞ。
・ルビについて
キャラ名、読みづらい漢字、台本での特殊な読み方などは初出した場面から間隔をもって振り直しをしています。
場合によっては、振り直していないこともあります。
(キャラ名の読み方は、覚えしまうのが早いかと。)
それでは、本編 はじまります。
ようこそ、三津学の世界へ
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☆本編
〜タイトルコール〜
五峰「自己解釈 学生戦争 三津ヶ谷学園物語」
小埜路「白軍編の第四話『揺らぐ想い、震える声』の後半部分だ。何やら、一年生が大変そうだな。……さて、どうなる事か」
五峰「本当に、この学園は楽しい。心が踊りますねぇ……」
(間)
▼場所は戻って、資料室にいる一年生の二人。
隊長の那都から史料を借りてくるようにお使いを頼まれたものの、(キャパオーバーによって)悠崎がおでこを負傷し、その傷の止血をしている。
その間で、手持ち無沙汰な古戸嶋は棚の資料を手に取ってパラパラとめくって、閉じって戻すを繰り返していた。すると──
古戸嶋「ん、なんか資料室の外が賑やかですね」
悠崎「そうだね……、他に利用者が来たのかもね……」
古戸嶋「なーんだ、貸切じゃないなんて残念です〜」
悠崎「元々、貸切じゃないけどね……」
古戸嶋「もう!巡くんは!」
悠崎「え、なんで怒ったの……?」
古戸嶋「いいです!わたし、このアルバムの貸し出し許可貰って来ます!
《なんで、気づいてくれないの?二人きりで居られて、嬉しいのはわたしだけ?本当に、ムードのへったくれもないんだからっ……》」
悠崎「えっ、ちょっと……!待ってよ、古戸嶋っ」
▼悠崎は、手を伸ばすが空をかいた。
なぜか、怒ってしまった古戸嶋が資料室の出入口である両扉へ消えかけたときだった。
古戸嶋「きゃあっ……!」
小埜路「うん?」
古戸嶋「あ、すみませんっ!」
小埜路「いや、私のほうこそ。怪我してないか、古戸嶋学生」
▼出て行こうしたものの、訪問者の胸へ顔面ダイブしてしまう古戸嶋。鼻を押さえつつも、謝る。
悠崎は、訪問者に目を見開いた。
入室してきたのは、総司令長の補佐官をしている小埜路 禅治だったからだ。
古戸嶋「いえ、大丈夫ですっ!補佐官サマ!」
小埜路「そうか。他に利用者が居たとは考えていなかったんだ」
悠崎「お疲れ様です……補佐官サマ……(お辞儀)」
小埜路「ああ、悠崎学生も居たのか。……ん?なにか落ちたぞ」
悠崎「あ、ハンカチ……古戸嶋、もう大丈夫だから……(拾う)」
古戸嶋「本当ですか?」
悠崎「うん、平気……」
小埜路「どこか、怪我でもしていたのか」
悠崎「あ、はい……不注意で、棚に額をぶつけまして……」
小埜路「そうか。ハンカチで止血できるなら、大したことではないな。……棚にぶつかるということは、何か頼まれごとを済ませていたか」
古戸嶋「さすが!察しがいいですね、補佐官サマ!」
悠崎「はい、そうです……。オレたち、那都先輩に頼まれた活動記録のファイルを探しに来たのですが……既に貸し出されてて……」
古戸嶋「その代わりに、同じ年代の卒業アルバムでも借りていこうかと!」
小埜路「そうか。さすがは那都学生。勤勉だな」
悠崎「はい、那都先輩はいつも、いろいろ考えてくださってます……」
古戸嶋「凄いですよね〜!わたしなんて、全然ですよ〜」
悠崎「古戸嶋は、少し頭使おうよ……」
古戸嶋「え〜、わたしはカラダを動かしてるほうが好きなんです〜」
悠崎「知ってるけど、それでもさぁ……」
古戸嶋「もう、巡くん!小言なんて嫌です〜!あ、ところで補佐官サマは何しに来たんですかー?」
悠崎「(小声)……いらっしゃったのですか、だよ……」
古戸嶋「あ、……いらっしゃったのですか〜?」
小埜路「(小さく笑う)いい、気にするな。貴官らは、学生なのだ。まだ本職ではないし、私は貴官らの部隊 顧問だ。気軽に話せ」
▼小埜路の言葉遣いの時点で、だいぶ堅苦しいが。彼なりの気遣いである。
古戸嶋「巡くん、今、補佐官サマが笑いましたよ!」
悠崎「いや、補佐官サマだって笑うよ……ロボットじゃないんだから……」
小埜路「(咳払い)それで、何しに来ただったな。私は、少し遅めの昼休憩と客人の接待中だ」
古戸嶋「わー、休憩時間なのに接待をしなきゃダメなんですね〜。大変ですね!」
悠崎「……古戸嶋、本当に、大変だと思ってる……?」
古戸嶋「えっ、思ってますよっ」
悠崎「そう……《さっきから失礼な発言ばっかしてるし……切られないかな、大丈夫かな。オレ、こんなとこで刀のサビになんてなりたくないよ……》」
小埜路「悠崎学生は、なかなか鋭い発言もするのだな」
悠崎「えっ、えっと……す、すいませんっ……」
小埜路「なに、謝ることじゃない。貴官は、気弱に話してるばかりかと思っていたのだ」
古戸嶋「巡くんは、わたしとお話ししてるときはこんな感じですよ〜」
小埜路「なるほど、仲が良くて結構だ。
《こう言ったツッコミをするのは、古戸嶋学生に対してだけだろう。もしくは、かなり悠崎学生が気を許している、とかな》」
▼会話が途切れてしまう。だが、書庫室での騒がしさが資料室の中まで何となしに届いている。
古戸嶋「なんだが、さっきから盛り上がってるみたいですけど」
小埜路「ああ、客人の接待を私の部下が代わりをしてくれている」
古戸嶋「その、お客さんって外職の人ですか〜?」
▼小埜路の表情が、固くなる。鋭い視線で、古戸嶋をギンッ…と見やった。古戸嶋かビャッ!と縮こまる。
悠崎は気圧されて、一歩、後ろに下がってしまう。
小埜路「おい、どうして貴官がそのことを知っている」
古戸嶋「(ビクッ)……お、隠岐さんが教えてくれました」
小埜路「古戸嶋学生が知っているということは、悠崎学生もか」
悠崎「は、はい……すいません……、オレや、那都先輩も、甘草先輩から教えてもらってます……」
小埜路「いつもいつも……、あいつはァ!!」
▼ドッ、ガァァァン……!!
室内の本棚が揺れたようにも感じる迫力。
実際は、小埜路が出入口の戸板を裏拳で殴ったのだ。一応、割れたり、折れたりしなかったものの、扉の気持ちを代弁するなら『解せぬ』であろう。
小埜路に対して軍人全とした冷静且つ、凛々しい印象しか持っていなかった古戸嶋と悠崎は、息を飲んだ。
悠崎「…… ……」
古戸嶋「……… ………」
小埜路「(咳払い)……すまん、取り乱したりして。上官として不適切だった」
▼気まずそうに、軍帽を下げる小埜路。
古戸嶋が胸の前で両手をブンブン、ブンブンと振る。
古戸嶋「だ、大丈夫です!補佐官サマが、隠岐さんと仲悪いって无代先輩から聞いていたので!……(小声)ビックリしたけど……」
悠崎「(小声)……さすがは補佐官サマ、睨まれただけなのに、心臓が……」
小埜路「正直な話、アイツの人脈というのは本職の我々でも侮れないものなんだ。しかも、今回の客人には貴官らと会わせたくーー」
五峰「小埜路くーん、どこですかねぇー?」
小埜路「ぐっ……、もう、傍を離れたことに気づいたか」
五峰「オカシイですねー?こちら側にいると思ったのですが〜(遠のく足音)」
悠崎「……え、なんで……」
古戸嶋「巡くん?どうしたんですか」
悠崎「う、うそだ……そんな……そんな……(震えて、顔を覆う)」
古戸嶋「巡くん!しっかりしてください!(肩を掴む)」
悠崎「えっ、あっ、ご、ごめん……」
小埜路「どうした」
古戸嶋「今、ちょっとだけ聞こえた声に、巡くんが」
悠崎「……す、すいません、大丈夫です……、聞き間違えだと思います……」
▼悠崎は、顔をますます隠そうとパーカーのフードを引っ張って、深く被ろうとする。
古戸嶋は、悠崎の行動に胸が痛む。腕を組んで、足の爪先で床をタムタムしていた小埜路がため息まじりに答える。
小埜路「とにかくだ。貴官らは、早く立ち去れ」
古戸嶋「補佐官サマ、何かあるんですか〜?」
悠崎「……失礼ながら、焦ってらっしゃるように思えますが……」
小埜路「《焦っている?そうか、私は少々冷静さをかいていたか》(咳払い)……実のところ。今回の客人は、少しばかり厄介でな。この島の人間とは折り合いの悪い立場からの来島だ。見つかれば、貴官らが毒牙に当てられてしまう危険性がある」
古戸嶋「ど、毒牙って蛇か何かですか!?」
小埜路「あながち、間違いじゃない。言葉の毒蛇だ」
悠崎「……言葉の、毒蛇……」
▼悠崎は、口をキュッ……と引き結んだ。古戸嶋も卒業アルバムを持ち出すことを諦めて棚に戻す。
諦めたのは、まずもって、悠崎の体調が見るからに芳しくないのが心配になったからだ。
小埜路「さっ、行け。見つかるなよ」
▼小埜路が自身を探している客人の動きを確認しながら、悠崎と古戸嶋が書庫室のスライド式のドアから出て行くのを見送る。
そして、今しがた小埜路 自身が再入室してきたかのように後ろ手で扉を閉めたのだ。
五峰「小埜路くん」
小埜路「……五峰殿」
五峰「どちらに行っていたのです?」
小埜路「少々、お手洗いに。して、何かご用でしょうか」
五峰「ああ、いえ。特に用はないですよ」
小埜路「そうですか」
五峰「小埜路くん」
小埜路「なんでありましょうか」
五峰「さっきまで、話されていた在校生さんはどなたですかね」
小埜路「……何かの勘違いではありませんか」
五峰「では、資料室での声は……、かなり大きな独り言だったということでよろしいでしょうか?」
小埜路M《立ち聞きされていたわけか。もう、言い逃れできないな》
小埜路「話をしていたのは、私が顧問をしている部隊の在校生です。特に、五峰殿がお気になさるようなことではないかと」
五峰「おやおや、小埜路くんは在校生の面倒も見られていると」
小埜路「総司令長サマのご指示ですから」
五峰「なるほど、なるほど。ご多忙ですね……」
▼何とも言えない空気が流れている。
小埜路は、薄く笑っている五峰の顔を無感動に見つめた。
(間)
──共同棟と白軍の第二校舎を繋ぐ長い渡り廊下
古戸嶋「巡くん、大丈夫ですか」
悠崎「……うん、大丈夫……」
古戸嶋「本当ですか?無理していませんか?」
悠崎「大丈夫だってば……、ねぇ、古戸嶋……」
古戸嶋「はい、なんでしょう」
悠崎「……古戸嶋は、優にーさんのことをどこまで知ってる?」
古戸嶋「知ってるとはなんでしょう。ごめんなさい、質問の意図が分からないです」
悠崎「あのね、オレ、古戸嶋に言わなきゃいけな……」
甘草「おお!おぬしら、ここに居ったか〜!」
那都「よう。悠崎、古戸嶋」
古戸嶋「あ、隠岐さん!无代先輩!」
那都「無事だったみたいだな」
甘草「そうじゃな。行き違いにならんかったようで良かったわい」
古戸嶋「何です?無事って」
那都「いや、なに。なかなか戻ってこないからな」
甘草「てっきり、誰かに絡まれて困っておらんか心配しておったんじゃよ。ナッツくんが」
那都「(肘で小突く)俺が言いかけてるんだから、横入りすんな」
甘草「別に良かろう〜?」
那都「まったく良くない」
古戸嶋「心配してくださったんですね!嬉しいですっ」
悠崎「あ、えっと……那都先輩……」
那都「ん、どうした」
悠崎「す、すいません……頼まれていた資料、見つからなくて……」
那都「あー、その事なんだが謝らなくてもイイ」
悠崎「えっ」
那都「(甘草を指さす)この阿呆が、先に持ち出していたんだ。だから、見つからないほうが正しい」
甘草「ほっほっほ〜、すまんのぅ?まっさか、ナッツくんと読みたい資料が被るとは思っておらんかったのじゃよ〜」
悠崎「じゃっ、じゃあ、オレは……」
那都「ああ、あんたは悪くない。無駄足させて悪かったな」
悠崎「よ、よかったぁ……」
▼心底、安心したのか。膝からヘナヘナ…と崩れるようにしゃがみ込む悠崎。
那都M《よっぽど、緊張しながら探していたのか。真面目だな》
甘草「ああ、そうじゃ。おぬしら、端末を置いていったじゃろ?持ってきたぞー(差し出す)」
古戸嶋「わざわざ、ありがとうございます!(受け取る)」
悠崎「あ、ありがとうございます……」
那都「今度からは、ちゃんと持っていけよ」
甘草「連絡がつかんと分かってから、ナッツくんのイライラが……うっぷす……!」
那都「(肘で甘草の脇腹を)ああ、悪い」
甘草「ナッツくん!故意じゃったろ!」
那都「あんたが余計なこと言うからだろ」
甘草「事実じゃろうが〜」
那都「うるさい」
古戸嶋「あれ、あそこにいるのって」
那都「ん、ああ、小埜路補佐官だな」
▼渡り廊下の窓からはグラウンドが見える。
どこから外に出たのか分からないが、霧雨が降る中で小埜路たちが歩いていた。
古戸嶋「実は、さっき書庫室でお会いしたんです〜」
那都「そうだったのか。あんたら、ちゃんと挨拶したか?」
古戸嶋「しましたよ!ねっ、巡くん!」
悠崎「え、はい。大丈夫です」
那都「なら良し」
甘草「ということは、じゃよ」
那都「なんだよ」
甘草「禅ちゃんの後ろに居るのが、外職の一人かのぅ」
▼甘草の指摘に、三人の視線がとある軍人に集まる。
へ〜…、ほ〜…という声を那都と古戸嶋が上げるなかで、断トツで視力のいい悠崎だけが別の反応をした。
悠崎「……ッ……」
甘草「あの軍人は、五峰 大成じゃったな。階級は、禅ちゃんと同じ少佐じゃよ」
那都「たしか、第五師団の歩兵八連隊の第一大隊を率いる大隊長でもあったよな」
甘草「さすがは、ナッツくんじゃな。よく学んどるのぅ」
悠崎「フゥー……、フゥー……(顔を俯かせる)」
那都「たんに、広報部の副長が書いた記事で見たんだよ」
甘草「あー、そんな記事もあったのぅ……美形将校ランキングじゃったか?」
那都「そう、それだ」
古戸嶋「それ、わたしも見た気がします〜」
悠崎M《五峰 大成っ…!聞き間違えじゃなかったんだ……、やっぱり、この島に来てたんだ……!なんで、どうして……!》
那都「トップテンに小埜路補佐官の名前もあったな」
甘草「凛々しく、聡明な若き補佐官とか書いてあった気がするのぅ〜」
悠崎「《胃がっ…い、痛い…痛い…どうしよう、痛い…苦しいっ…》
……ぐぅっ…、うぇッ……!!」
古戸嶋「め、巡くんっ!?」
那都「どうした!」
▼ピチャッ…、ビッチャッ…廊下の床に、吐き出されていく。
呼吸を乱し、背を丸めて、『違う、違う』とウワゴトを漏らしながら酷く苦しげな悠崎。その姿に狼狽える古戸嶋。
悠崎「ウェッ、ゲホッ……オェッ……!」
古戸嶋「め、巡くんッ」
悠崎「お、オレは…ち、…が、う……」
那都「悠崎?悠ざ……(様子見して)気絶したのか?」
甘草「いったい、何が原因かのぅ」
那都「いや、分からない。分からないが、ひとまず救護室だ」
甘草「軍医が居る第一救護室が良かろう」
那都「そうだな。古戸嶋、行くぞ」
古戸嶋「は、はい」
甘草「ワシは、ここで片付けをしとるからな〜。終わったら、見舞いに行くぞい〜」
▼那都が悠崎を背負って、古戸嶋も後を追う。
甘草は、手を振って見送った。
甘草M《……血の混じった、としゃ物……かなりのストレスが溜まっていたようじゃな。猫背の子は、外を見たときに、異変が起こったように見えたのぅ……》
甘草「いったい、何があったのか」
(間)
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▼これは、夢である。悠崎 巡が記憶の奥底に封じ込めている『過去』。
優『めぐる、ぼくが兄さんだよ!』
優『めぐる、見てみろ〜。今年も、豊作だなー』
優『めぐる、キミは奪われた分だけ幸せに、大きくなるんだぞ』
悠崎N「優にーさん。
名前のとおり、やさしくて、すぐれた人だった。
オレと一ニ歳も年齢の離れた兄で、母さんが亡くなってからオレを育児放棄した父さんにかわって、オレを可愛がってくれた。
学園に入っている間は、母さんのじぃちゃんとばぁちゃんが面倒見てくれたけど、それ以外では優にーさんのお世話になってた。いつも、笑ってて優しくて、とても大きな人。」
優『巡、ごめんな。兄さん、行かなきゃなんだ』
悠崎N「別れは、突然やってきた。
学園から戻ってきて、一年と半年後の事だった。
本職として出兵することになった優にーさんは、東北の海岸側の防衛戦へと出て行ってしまう。」
優『巡、みんなを頼んだよ。悠崎や、古戸嶋。……キミと関わってくれる人のことを、頼んだ』
悠崎N「みんな、だなんて規模が大き過ぎる。
誰か特定の人ならば、何とかなるかもしれない。
けれど、優にーさんは『みんな』と言った。頭を撫でて、抱きしめてくれた。そして、」
優『行ってまいります』
悠崎N「それこそ、頼まれた『みんな』に見送られて。」
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悠崎N「優にーさんが『未帰還』であると、事実上の戦死の報せが届いたのは、一年近く経った日だった。
報せを届けたのは、(当時の)同僚だと名乗る軍人だ。
酷くやつれた様子で報告書と書かれた白封筒を渡してきた。泣き崩れる祖父母の後ろで、オレも震えた。なんで、どうしてって。
でも、オレが恐怖すべきことはこの後のことだ。」
五峰『きみのお兄さんとは、とても親しくってね。戦場でも何度も互いに助け助けられをしたものだ。……本当に、惜しい人を亡くしたよ……』
五峰『そっくりだね。そうしていると』
五峰『思い出させるな!わたしだけだと、期待させておいて!
アイツは、アイツは…!女なんかに惚れ込んで!わたしを、裏切ったんだ……!』
五峰『ああ、スグル……わたしのスグル……』
五峰『愛している。オマエが、他のやつに目移りしないように、しっかり愛してあげるから』
悠崎N「同僚だと名乗る軍人に、言いくるめられて祖父母の家から連れ出された。
彼の言葉は毒だ。優にーさんからオレの養育を代理するように頼まれたのだと、そう騙った。
軍人は、最初こそ優しかった。
でも徐々に皮が剥がれていって、狂った部分で接してくるようになった。オレに、優にーさんの面影を重ねたりする『淋しい人』だと気づいた。
たしかに、この頃……
一〇歳を過ぎたあたりから親戚や仲のいい古戸嶋の家の人にも『お兄さんに、似てる』と言わる回数が増えていた。
だからって、わざわざオレをソウイウ風に扱わなくなって良かったはずだ。なのに、なんで、どうしてって。
問うても、マトモに返ってきやしない答えを求めては……
カワイガラレタ。」
五峰『はははっ、スグル……悪い子だなぁ?なんで、逃げるんだよ。オマエは、わたしに愛されてれば充分だろ……!』
悠崎N「最初こそ、反抗した。
オレは、巡だ!なんで、にーさんとオレを重ねんだよ!
って精一杯に抵抗して、逃亡した。けど、逃亡したところで捕まって『大人』の力でねじ伏せられた。尽く力で抑え込まれ、永遠にも思われる繰り返される行為。
もう、いいや。疲れた。オレって、何だっけ。オレって、誰?メグル?スグル?……それって誰だったけ……」
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古戸嶋『メグルくんっ…!よかったぁ…!』
悠崎N「目を覚ますと、古戸嶋が傍にいた。
泣いていたのか、目を真っ赤にしてオレの手をギュッと握った。
夢だったのかな。いいや、重く痛むカラダが全てを現実だと物語ってきた。
オレは、何とか逃げて倒れてるところを助けられた、らしい。
しかも、意外な人に」
優『ああ、よかった。目が覚めたんだね。今、ワタシの妻に水を持ってこさせよう』
悠崎N「優にーさん、だった。
けど、何かが違う。何か、とても違和感を覚えた。見た目?いや、別れたときと大差ない。敢えて言うのなら、頬から唇まで達している裂傷と片目を眼帯で覆っていることくらい。
じゃあ、なんだ。
そう、態度だ。他人行儀というか、何かを忘れたような。」
優『わたしは、スグルという。前に大怪我をして、行き倒れているところを妻になる前の彼女に助けてもらってね。
……キミとは初めましてなのかな。でも、なんだか初めてじゃない気がするね。なんでだろうか』
巡N「──優にーさんは、記憶喪失になっていた。だから、この人は兄であって、兄じゃない。他人なのだ」
優『いやぁ、ボロボロなキミを見つけたときは心臓が止まるかと思ったよ。なんて、酷い有様なんだってね』
古戸嶋『姉様が、手当してくださったんですよ!ねっ、深白姉サマ!』
悠崎N「古戸嶋が笑顔で声をかけたのは、真っ白な人。
雪の精霊が舞い降りたような錯覚を覚える。そんな女の人だった。覚えている。何年か前に、古戸嶋の家を追い出された古戸嶋のお姉さんだ。たしか、生い立ちが複雑だと聞いている。」
優『そんなわけで、キミも行く場所がないなら暮らすといい。あまり裕福とは言えないけど、幼いキミが野垂れ死にするより何百倍もマシだからね』
悠崎N「それからは、奇妙な生活が始まった。
記憶をなくした優にーさん、にーさんの初恋の相手でもある お嫁さんの深白姉さん、にーさんのイイナズケの冴紅、そして、他人には言えない経験をしたオレ、巡。
そんな四人が実家の土地から幾分、離れた土地で暮らす。
擬似的で、オカシナ平穏な日々。幸せだった頃。」
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古戸嶋『いやぁぁぁ!!にぃさまァ!ねぇさまァ!!』
悠崎N「十三歳の頃だ。
一年くらい続いていたオカシナ平穏は、炎によって奪われた。
突然、武装した人が家の扉を蹴破ったのだ。
そして、声高らかに言う。」
五峰『これより!造反者の炙り出しを行う!!抵抗するものには、容赦しない!!』
悠崎N「あの狂った軍人だった。
どれだけ、奪えば気が済むんだ。オマエは、どんだけオレや、にーさん、ましてや古戸嶋から!奪えば!
ひきつる喉から声をしぼりだし、荒らげ、優にーさん愛用の狩猟用の弓矢。構え、震える指先で矢を放つ。けれど、あっさり躱された。目に見えた結果に、震える。」
五峰『ああ、スグル。また会えたね。……わたしの愛しい子』
悠崎N「バチン……、意識が飛んだ。ひどく煙たい中で。」
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悠崎N「目覚めた。
見慣れた天井に、ああ実家か…と思った。
目覚めの一番で、駆けつけた父さんに平手打ちを喰らった。
飛沫をとばしながら、何を考えているのだ!本職の方々の邪魔になるようなことをしよって!この恥さらしが!と、聞くに絶えない罵詈雑言、言いたい放題だった。
視界がクラクラとするなかで、理解しようとしたけれど、できなかった。
父さんに謝れ!と言われても、できなかった。
ひきつる喉、空気だけが吐かれる。声が出なかった。
出来ないだらけの、欠陥品。
オレは、一時期ではあったが心因性の失声症になった。」
▼その後、悠崎 巡は失い続ける。
けれど、周囲からは求められた。喪った兄と比べられ、次期当主としての力量、素質、そして許嫁としての立場。
彼が『孤独』を感じるなかで、記憶が閉じた。
『ナニカ』を封じ込めた結果、声が戻ってきた。
久しぶりに発した声が、誰かに似ていた。周囲が喜んだ。
彼の自信は、失われた。
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(間)
──白軍 第一救護室の病床
悠崎「……き、らいだ……ぜんぶ、なくちゃえば、いいのに……」
古戸嶋「巡くん、わたしは、好きです。大好きなんです。だから、キライだなんて言わないで」
▼悠崎のウワゴトに、本音を囁く古戸嶋。
軍医補佐生から点滴をうってもらったことで、悠崎の容態こそ落ち着いてきたものの。夢見が悪いようだ。
──救護室の扉が開く。
甘草「冴紅ちゃんや、どうじゃ?猫背の子は」
那都「古戸嶋、任せっきりにして悪かった」
古戸嶋「无代先輩……、隠岐さん……」
甘草「この二時間弱で、やつれたのぅ?大丈夫かえ」
古戸嶋「大丈夫です。巡くんに比べたら、わたしなんて」
那都「古戸嶋、今日はもう休め」
古戸嶋「で、でも」
那都「ここは、救護室だ。手当てのプロが揃ってる。ついでだ。あんたも、休ませてもらえ」
古戸嶋「わたし、ケガなんてしてませんけど……?」
甘草「なーに言っとるんじゃ、心の病をこじらせると肉体的なケガとは比べものにならんぞ〜。のぅ?そこの軍医補佐生さん」
▼甘草が軍医補佐生に微笑みかける。
急に話を振られた軍医補佐生、戸惑いを見せるものの、いろいろ察したのだろう。古戸嶋に空いてる病床を勧めた。
古戸嶋「すみません。お言葉にあまえて、少しだけ休みます……」
甘草「猫背の子のことは、任せると良いぞ〜」
那都「おやすみ。終業になったら起こす」
古戸嶋「はい、巡くんをお願いします」
(間)
▼小一時間は経っただろうか。
先輩たちの気遣いにあまえ、眠ろうと、目をつぶってみたり寝返り打ったりするものの、一向に睡魔がやってきてくれない古戸嶋。
古戸嶋M《どうしよう……、全然、眠れない……。
巡くん、大丈夫かな。このカーテンの先に居るんだよね……。
隠岐さんと无代先輩が気遣ってくれたのに、ダメじゃない…わたし…。》
古戸嶋「……少しだけ、外の空気を……」
▼そっと、仕切りのカーテンから顔を出す古戸嶋。
先輩の二人は、何やら調べものをしているようで彼女の動きに気づいた様子はない。しかも、運がいいのか悪いのか。救護室の扉が開きっぱなしになっている。そのまま忍び足で、救護室から出てた。
古戸嶋M《すみません!隠岐さん、无代先輩っ、ちょっとだけなので……!》
▼古戸嶋は、胸のうちで謝罪をし、しばらく駆け足で進む。学園寮のある方向ではなく噴水のある正門広場へ向かったのだった。
古戸嶋「(深呼吸)うん、やっぱり外のほうが楽かも……
(空を見上げる)……わたし、なにも気づいてあげられなかったな……」
▼梅雨の時季、特有の少しだけまとわりつくような生暖かい風が、肌のうえを撫でた。噴水を囲うように配置されている石のベンチに腰掛けて、苦笑いする古戸嶋。
パチャチャ…、パチャチャ…水が溢れては流れていく。
古戸嶋M《にぃさま、わたしはダメな子です。
出兵される前日に約束したのに。わたし、巡くんのことを何を分かってあげられていませんでした。
巡くんは、まだ、にぃさまの『替わり』だと思ってるのかな……
わたしの本命は、小さい時から変わらずにいるのに……
巡くんは、わたしのこと、好きじゃないんだ》
古戸嶋「好きじゃない、か……(静かに泣く)あっ、だめ……、こんなとこで、泣いてなんて……どうしよ、とまらない……
わたし、は……サクは……、めぐるくんと、ただ、にいさまと、ねえさまみたいな、シアワセなかんけいに、なりたかったの……」
古戸嶋M《巡くんの、気持ちがわからないです……》
▼ホロホロ…、ハラハラ…涙をこぼしては、ワイシャツの袖で拭う。しばらく泣いてから、独り言をもらした。
古戸嶋「なに言ってるんだろ……、わたしに姉様なんて居たかしら…?なにかの、カンチガイね……」
▼苦笑いをこぼす古戸嶋。
そして、気合い入れに頬を叩いて、ベンチから立ち上がった。
古戸嶋「よしっ、巡くんが目覚めてるかもだし!戻らなきゃ!」
五峰「こんばんは、女子学徒さん」
古戸嶋「え、あ、こんばんは?」
五峰「驚かせてしまったかな。失礼。なにかお困りのようでしたから、つい声を」
古戸嶋「そ、そうでしたか。でも、わたしは大丈夫です。もう、戻りますし」
五峰「まあまあ、そう言わずに。……わたしは運がいい。"あの"コトシマ重工のお嬢様にお会いできるとは」
古戸嶋「あの、申し訳ありません。わたしに、家業のことを話されてもお答えできることなんてーー」
五峰「いえいえ、そういった事をあなたに期待してないので問題ないですよ」
古戸嶋「そうですか……。《どうしよ、この人、隠岐さんたちが話してた外職の人よね?えっと、どうしたら……》」
五峰「それで、お嬢様は何について悩まれてます?……ああ、もしかして『許嫁さん』についてですか」
古戸嶋「そ、そんなことは」
五峰「おや、図星ですかね。視線、泳いじゃってますよ」
古戸嶋「大丈夫ですっ、だから、離してくださーー」
五峰「ねっ?話してみてください。……アナタの、『悩み』を」
古戸嶋「あっ、」
▼古戸嶋は、手首を掴まれ逃げようとする。
けれど、トロリ……蜜のようなアマい声が聴覚に吹き込まれ、脱力し、膝から崩れて意識が遠のいてしまうのだった。
(間)
──第一救護室にて、悠崎が目覚めるのを待っている那都と甘草は?
甘草「どうじゃ、進捗は」
那都「いろいろ、あらってみたが触れちゃいけない事みたいだ(端末を操作しつつ)」
甘草「ほう、それはなんじゃ」
那都「アンタも写真みたろ。
……さっきまで、親戚がなにかだと思ってたユウザキ スグル。彼は、悠崎の実兄だ。それと、五峰少佐の元 同僚だった」
甘草「ほう?ならば、猫背の子が五峰少佐に関わりがある可能性がでてきたのぅ」
那都「その可能性のこと、いろいろ気になって小埜路補佐官のツテで調べてもらった」
甘草「調べてどうじゃった?」
那都「……五峰少佐、いや、当時のことだから婿入りする前の結城 大成の経歴に齟齬があるように感じた」
甘草「齟齬か……、あげるならば、どんなことじゃ?」
那都「進級の仕方がおかしい。
正直、俺は卒業後の扱いなんか分からない。けど、小埜路補佐官みたいに上官に認められて、指揮官に抜擢されるミチがあるのも理解している。だが、一般公募から入軍したものが十年足らずで 大隊長 を任さられるものか……?」
甘草「ふむ、よっぽどの努力を重ねた……とかなぁ」
那都「努力で、大隊長か」
甘草「なれるかもしれんぞ。運を引き寄せるのも実力しだいと言うじゃろ」
那都「でも、結城だった頃に。営倉行きしてんだよ」
甘草「ほう?して、罪状は」
那都「殺人だった。『造反者の捜索』と題した焼き討ちで、村ひとつ半壊させてる」
▼甘草は、目を見開いた。そして、引きつった笑い声を漏らした。
甘草「そうか、そうか。それは、とんでもない客人を招き入れたもんじゃなぁ」
那都「ああ、だから五峰少佐が立ち去るまで一年の身の安全は……」
悠崎「あ、あの……」
甘草「おお、猫背の子!目覚めたか〜」
悠崎「はい。えっと、その、すいませんでした……!!(土下座)」
那都「おい、こんな場所でそれはやめろ」
悠崎「いえ。でも、本当にすいません!ご迷惑をおかけして、オレ、いっそのこと退学になったて構わないくらいなので、」
甘草「これこれ、落ち着かんか。せっかく眠っておる冴紅ちゃんが起きてしまうじゃろ?」
悠崎「すいません……(立ち上がる)……え、あの、古戸嶋も休んでたんですか……」
那都「ああ、あんたの隣のベッドだ」
悠崎「え、それはないかと……オレ、人の気配とかけっこう気になるほうで……隣は、誰もいなかったと思います……」
甘草「いやいや、そんなはず〜」
▼代表して、甘草がベッドの仕切りカーテンからベッドを覗く。
一度 見てから首を傾げ、再度 確認してから那都と悠崎に驚いた様子で振り向いた。
甘草「本当に居らんぞ!!」
悠崎「やっぱり……」
那都「なに?いや、まあ。トイレかもな」
甘草「いやいや、それはないぞ!ベッドの感じからして離れてから時間が経っておる!」
那都「なんで、そう言いきれんだよ」
甘草「経験の差じゃよ!」
那都「ああ、そうか。あんた、一応は年上だったな」
悠崎「普段が普段なので……、補佐官サマと同い年なの忘れてました……」
那都「それな」
甘草「これ!おぬしら、緊張感を持たんか!」
那都「いや、緊張感をもったところで、何事もなかったみたいに戻ってくるかもだろ?」
甘草「ワシには、わかる!今、かなり由々しき事態じゃとーー」
▼ピロンッ…軽快な着信音が鳴る。
先程まで、操作していたタブレットにメッセージ受信。
那都は、即座にメッセージの内容をざっと見て、もう一度、見直してから困惑の表情を浮かべる。
那都「ウソだろ、どういう事だ……?なにが目的で……!?」
甘草「うむ?どうしたのじゃ」
那都「古戸嶋だ。……あんたの言うとおりに古戸嶋が拐われた!」
悠崎M《ああ、喉がひきつる。胃が痛い。
なんで、どうしてだよ。なんで、こんな事ばかり起こるんだ?
夢で見たから?どうして、優にーさんのことを思い出したばっかりに……!いいや、違う。全部、アイツのせいだ…、アイツの、毒蛇のせいだ……!》
甘草「なぬ?ちょい待っとくれ。それは誰からの連絡なんじゃ!」
那都「今、諜報部の伊澤から連絡が来たんだよ。『きみんとこの、桃色の髪の毛ちゃん。なんか、外職の人に運ばれてたけど?体調でも悪かったのかい』って。
小埜路補佐官は、『言葉の毒蛇には気をつけろ』と忠告をくださっていた。つまり、この状況を示唆して…!クソっ、ぬかったッ」
悠崎「…オレ、行きますッ……!(走り出す)」
甘草「これ、猫背の子!どこ行くんじゃー!」
那都「俺も行く」
甘草「いや、待たんか!おぬしまで、行ったらワシはどうすれば!」
那都「俺は、小埜路補佐官のとこに行くんだ」
甘草「なぜじゃ!そこには、客人顔で犯人がおるかもしれんのだぞ!」
那都「居ても、問題ない。なんとかしてみる。
(深呼吸)……あんたは、ここに居てくれ。もしかしたら、古戸嶋が戻ってくるかもだ。もし、戻ってこなかったら終業のチャイムで帰寮してくれていい」
甘草「待て待て、納得いかんぞ!勝手に話をすすめてーー」
那都「目撃者が出てるんだ。何よりの証拠だろうが。あんたの納得なんて待ってらんないんだよッ(腹部を強く押す)」
甘草「ぅぐっ……(膝をつく)」
那都「手荒にして悪い。けど、この場は頼んだからな甘草 副隊長」
甘草「(ため息)ああ、まったく。どっちが阿呆じゃ……。普段は呼ばんくせになぁ……。そんなことを言われては頼まれるしかないじゃろうが」
▼勝手に居座って、挙句にはひと騒ぎした新・甘草進撃の男子たち。あきらかに救護班員からは、不評をかったことだろう。
甘草は、痛む腹部を押さえながらパイプ椅子に座ってため息をつき、苦笑したのだった。
(間)
▼──燃えるような夕焼けを背負って、どこかの屋上階。伸びた影が、妖しく揺らめく。
五峰「さてさて、勝負と行きましょうかね。後輩諸君」
白軍編・第四話⇨揺らぐ想い、震える声。 おしまい
【作者から】
こちら後半部分です。
前のページの前半部分も含めて、今作を、よろしくお願いします。
作品の規約『台本利用上のお願い』をよく読んだうえで、楽しい上演時間を過ごしていただきたいです。
登場キャラの紹介、あらすじ、配役表などは『登場キャラなど(白軍編・第四話より)』をご覧になってくださいませ。