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【自己解釈 学生戦争】三津ヶ谷学園物語。【声劇台本】  作者: 瀧月 狩織
三津学シリーズ メイン軸の台本
19/37

【七人用】白軍編・第二話⇒再起の訪れ。【台本 本編】

※この部分をコピペして、ライブ配信される枠のコメントや概要欄などに一般の人が、わかるようにお載せください。


録画を残す際も同様にお願いします。






三津学シリーズ 白の台本 ニ本目です。


【劇タイトル】白軍編・第ニ話⇒再起の訪れ。

(もしくは、白の2話。または、三津学 劇る。というテロップ設定をして表示してくださいませ。)

【作者】瀧月 狩織

【台本】※このページのなろうリンクを貼ってください

白軍編・第二話 ⇒ 再起の訪れ。


こちら、七人用の台本です。


※登場キャラクターの詳細、あらすじなどは前ページの『登場キャラなど』からご覧くださいませ。


───────────────

【演者サマ 各位】

・台本内に出てくる表記について

キャラ名の手前に M や N がでてきます。

Mはマインド。心の声セリフです。 《 》←このカッコで囲われたセリフも心の声ですので、見逃さないで演じてください。

Nはナレーション。キャラになりきったままで、語りをどうぞ。


・ルビについて

キャラ名、読みづらい漢字、台本での特殊な読み方などは初出した場面から間隔をもって振り直しをしています。

場合によっては、振り直していないこともあります。

(キャラ名の読み方は、覚えしまうのが早いかと。)


それでは、本編 はじまります。

ようこそ、三津学の世界へ



─────────

──────



☆本編

▼ニ〇八〇年の四月末日。

第二〇期生が進学し、在校生の進級の行事が終わり。

新たな日々を過ごし始めた軍事教養施設/三津(みつ)(がや)学園(がくえん)

さて。今日も、普通ではないフツウな日常が幕を開ける。



(間)



〜タイトルコール〜


総司令長『自己解釈 学生戦争 三津(みつ)(がや)学園物語』


小埜路『白軍(しろぐん)編・第ニ話。 再起の訪れ。』


総司令長「まったくもって、桜の見頃も終わってしまって暇していたのですが……早くもひと波乱ですね……」


小埜路「私は、貴様を許さんぞ!道化者めっ!!」



(間)



▼さんさんと真っ昼間の眩しい太陽が射し込む廊下に、涼しさ感じる凛とした声音が響いた。



焔堂「すみません。こんな学徒を見かけませんでしたか」


女子A「うーん…ごめんなさい。見かけませんでしたわ」


焔堂「そうですか。ありがとうございます」


女子A「あなた、新入生なのに大変ですわね。先輩探しをさせられるなんて…。ちゃんとした部隊になると良いのですけど……」


焔堂「お気遣い感謝します。……私の先輩ではないので大丈夫です」


女子A「私の?」


焔堂「いえ…、失礼します」



▼高等部に進級したばかりだが、頭脳の優秀さから参謀長さんぼうちょうに選ばれた焔堂(えんどう)流衣(るい)

参謀部の担当教官から渡された写真を手に、人を訪ねて歩く。部隊室が並ぶフロアを抜け、共同使用棟に続く、長い渡り廊下に差し掛かる。



女子B「ふふ、どうしようかな~」


男子A「どうだい?(わし)に優しくしてくれたら、倍に恩返しするぞ~?」


女子B「恩返しってどんなの~?」


男子A「そうだなー。一夜限りの甘い一時なんてどうだい?」


女子B「え~、先輩ったら~」


焔堂M《あの服装…。写真の人と似ているような……》



▼渡り廊下で近すぎる距離。

言い換えれば、イチャイチャと言葉を交わす男女が視界に入った。

焔堂は後ろ姿しか見えない男子学徒を写真と見比べた。



焔堂「《人違いだったら謝って立ち去ればいいか……》(深呼吸)……よし、行こ」



(間)



焔堂「乳繰り合ってるところ、失礼します」


女子B「え、何よ。アンタ。つーか、チチクリって……??」


男子A「なんだい、藪から棒に。いくら儂とこの()がお似合いでも嫉妬はいけないな~?」



▼人付き合いが慣れていないのが露見している焔堂。

言葉選びから間違っているが、女子学徒は目をぱちくりと瞬き、男子学徒が軽い笑みを浮かべた。



焔堂M《あ、この人。苦手な人種だ。この男が、写真の人だったら行くべき場所だけ教えて帰りたいな……》


焔堂「いえ、そういうの興味ないんで。

……特にあなたみたいな軽そうな人、無理なんですよ」


女子B「はぁ!?なんも知らないくせに突っかかって来るとか何様?!」


焔堂「別にあなたに言ったわけじゃ……」


男子A「これ、声を荒げるとそなたの美しい声がかすれてしまうぞ?」


女子B「ううん!先輩~」


焔堂(舌打ちして、小声)……場所を選ばずに、目障りなんだよ……」


女子B「!!あんたねっ!さっきから気に障ることばっか言いやがって!ちょっと、見た目がイイからってむかつくのよ!!」


焔堂「なっ…!苛ついてるのは私の方だ!

私はあなたみたいな癇癪(かんしゃく)おん……あっ゛……痛いっ……」



▼しっかりと整えられた着け爪は一種の武器だ。

平手打ちのはずが、焔堂の色白い頬に紅い横線を走らせた。瞳孔どうこうが広がり、フゥーフゥー…と興奮状態の女子学徒。男子が、女子の目元をてのひらで覆う。



男子A「あー、これこれ。そなた、落ち着くんじゃ。ぬしも大丈夫かい?」


焔堂「平気です。これしきのこと。……それで、おきしたいのですが」


男子A「ああ。なんだい?」


焔堂「あなたが、甘草(あまくさ)隠岐(おき)さんですか。」


男子A「ふむ。甘草あまくさね。……(微笑む)いや、ぬしの人違いよ」


焔堂「人違い……、あの、甘草隠岐さんを知ってらっしゃるんですか」


男子A「いや。知っているようで、知らんよ。

まあ、一つ言えるのは……彼奴(きゃつ)は一筋縄ではいかん。と言うことだの」


焔堂「一筋縄……。それは、あなたにも言えることじゃ──」


男子A「まあ、見つけるまでが大変じゃろうが頑張ることだ」


焔堂「はぁ、助言ありがとうございます」


男子A「じゃあの。さ、行こうか」



▼焔堂の礼の言葉を聞くや否や、女子学徒を連れ、渡り廊下の奥へと進んでいった。

取り残された焔堂は、踵を返した。



焔堂M《校舎内に居るとは限らない、ということか。》


焔堂「他を探してみますか……」



(間)



白軍(しろぐん)が使用している敷地の西側。

騎馬隊が管理している(うまや)が何やら騒がしいようだ。

叫び声、響く(いなな)き。

栗毛の牝馬(ひんば)が、瞳孔どうこうを見開き興奮状態で、抑えにかかっている学徒たちを振り払った。



男子B「おい!そこの、一年!早くむちとって来い!!」


男子C「で、でもっ……卒業生の方が大切に育ててきた馬ですよ!」


男子B「バカヤロっ!このままじゃ、怪我人が出るから言ってんだ!!走ってとって来い!」


男子C「は、はいっ……!」



──用具室──


男子C「ど、どこだろ…。これ?いや、これは乗馬用のだし……(鞭を握って、顔俯かせ)……おれ、ベルザを傷つけたくない……」


青年「おぬし、良き心の持ち主じゃな」


男子C「!?だ、誰ですか……!?」


青年「はっはっは。そう、驚かれるな。ワシはただの通りすがりじゃよ」


男子C「通りすがり……??」



▼一年生の彼は戸惑った表情で、首を傾げた。

通りすがり。そう、人懐っこい笑みで答えた者は服装の色合いこそ白だが。どうも在校生と浮いた雰囲気を纏っている。



男子C「あの、勝手に入られると困るんですけど…!」


青年「おお?それはすまんかったな。(用具室から一歩出て)……おぬし、どうしたい?」


男子C「どう、したいって……?」


青年「そう戸惑うこともなかろうて。ワシはおぬしの答えによって力を貸してやろうと思うてな」



▼濃い紫色の瞳が細められ、ニッコリ…と微笑んでいる。なのに、どこか果てしない恐怖を感じた一年生の彼。



男子C「いい!いらないっ!!

あんたが同じ軍の人だとしても頼っちゃいけない気がする!!」


青年「おや。それは残念じゃな」



▼無理強いする気などないのか、彼の拒絶に青年は微笑んで口を閉ざした。一年生の彼は泣きそうになるが耐えて、かぶりを振って、走り出す。



青年「ふっ…、青いのぅ……」




──厩前うまやまえ──


男子C「先輩!持ってきました!!」


男子B「よしっ!あいつを叩け!」


男子C「なっ、おれがやるんですか!?」


男子B「他に手の付けられる奴が居ないんだ!!おまえがやれ!!」



▼騎馬部隊専用のプレハブ校舎から数人の学徒が騒ぎを見ている。

ニマニマといやらしく、制止の声など一つもない。

これが、新入生への”洗礼”なのだろうか。暗に責任を押し付けているようにも伺える態度に、困惑する一年生の彼。



男子B「早くしろって言ってんだろ!!(男子Cを殴る)」


男子C「あぐっ!(涙を堪えながら)……なんで、こんな……」


男子C《おれは、馬と触れあって戦えるなら最高の幸せ。そう思って、入隊した。

でも…。本当に戦うべき相手は先輩なのか……??》



▼ズキッズキッ……と痛むのは殴られた頬か、それとも心か。罵声を浴びながら、一年生の彼はふらつく足取りで立ち上がった。馬が大きく(いなな)く。瞳から大粒の雫をひとつ溢れさせて、声をあげる。



男子C「ベルザ!!静かにしろっ!!」



▼興奮する栗毛の牝馬(ひんば)を前に、鞭を高々と振り上げた一年生の彼。

むち半円はんえんを描いて、下ろされた。バシィン…!!と打ちつける手応えを感じ、奥歯を噛み締め、目を瞑っている。少しでも、現実から目を背ける為だ。



──周囲の声──


壱「おい、どういうことだ?」


弐「誰だよ、あいつ」


壱「見たことない制服じゃん」


参「うわっ、痛そうー……」


弐「あれ、本当に同じ白のやつか?」


参「救護班、呼ぶべきかなぁー」



▼ひそひそと言葉を交わす騒ぎを見ていた学徒たちの声。声を聴いて、恐る恐る目を開ける一年生の彼。そこに立っていたのは──



男子C「あ、あんたっ……」


青年「ふふっ、良き力の入れ方じゃ。……しかし、馬には届いておらんようじゃな」


男子C「何で居るんですか!というか、その傷……!!」


青年「ふむ。つい、身体が動いてしまってのぅ。

……打ち返すには間に合わんと思ってな。まあ、少々痛いが耐えられんものでもない」


男子C「あんた、やばい人だよぉ……」



▼右頬から血をにじませる程度の擦過傷さっかしょうを受けた青年は、濃い紫色の瞳が細められ、微笑みかけられる。むちを地面に取り落として、ヘナヘナ…と膝から折れるようにへたり込む。



青年「おやおや、新しい白が汚れてしまうぞ?」


男子C「あのっ、ごめんなさい……!

アンタにも、ベルザにも……おれ、騎手としてダメな奴だ……」


青年「ふふ、そう落ち込むことなかろう。…ちゃんと謝れるものには良き兆しを迎える」


男子C「アンタ、卒業生か何かですか……??」


青年「ん?おお。名乗っておらんかったな」



▼服の懐から手慣れた様子で何かを取り出し、シャランッ…とそれは開かれ、青年の頬傷を隠す。



男子C「鉄の扇子……?」


青年『さあさあ、皆さま。ご覧あれ。ここにあるは鉄の扇子。

否、只の鉄の扇子とあなどるなかれ。

この品物、人を選び人に選ばれるもの(なり)。名を染めたる子と書き【染子(せんす)】と申す。

して、その品物を扱う者は──』



焔堂「甘草あまくさ隠岐おき!」



▼青年による昔話から抜け出て来た商売人を真似たような語り口調に。

周囲の、学徒も馬も惹き込まれていた。

しかし、そんな状況を現実に引き戻すのは、凛とした声音が人名を発したことによってだ。



(※これより 青年 あらため 甘草 に表記 変わります。)



──周囲の声──


壱「うおっ、参謀長さんぼうちょうじゃん」


弐「え、噂の新しい参謀?マジで一年生かよ」


参「つーか、この騒ぎの元凶ってヤナギ隊のせいだろ?」



焔堂「あなた、何うろうろしてるんですか」


甘草「おやおや。参謀さんぼうの子ではないか~」


焔堂「(歩み寄りながら)……焔堂えんどうだと名乗りましたよね。甘草あまくささん。あなた、騒ぎに加担している身分ではないかと思いますが?」


甘草「加担とは人聞きが悪いのぅ?ワシはただ」


焔堂「言い訳は結構です」



焔堂えんどうの叩き落とすような言葉に甘草あまくさが肩をすくめる。

焔堂は地面に座り込んでいる男子学徒を見やる。

その視線に一年生の彼は目を見開いて、怯えの感情(イロ)をにじませた。



焔堂「あなた、ヤナギ隊の新入生ですね。この騒ぎの事情は後程、伺います。……上の学徒にも問題がありそうですからね。あなたのことですよ」



▼他人事のような態度をとっている上級生の彼を焔堂は冷ややかな視線で射抜く。

周囲の学徒はざわめいた。



焔堂「静かになさい。

……群がっている暇があるなら、本日の業務に戻りなさい。今の位や実力で胡坐(あぐら)をかいている時点で、先なんて──」


甘草「(かぶせる)あーとっと!?……ほれほれ!余興はこれまでじゃ!解散!!」



甘草あまくさの言葉に野次馬で集まっていた学徒は、各々の持ち場に戻っていく。



焔堂「なぜ、邪魔を?……はっきり言わないと、あの部隊の腐敗は止まりませんよ」


甘草「おぬしの言い分も最もじゃ。しかし、杞憂きゆうかもしれんぞ?」



▼甘草がくんっ……とあごで指し示す。真っ直ぐな視線で、落ち着きを取り戻した栗毛の馬を撫でる一年生の彼を見つめた。



焔堂M《……僕と同じ一年の……。そんな、一目を置くような存在には見えなかった。上のものに否を唱えられない。その程度の力だと思うが……》


焔堂「(小声)……一筋縄ではいかぬ、か……(歩き出す)」



甘草「あ、おい!参謀さんぼうの子よ!どこへ行くのじゃ!?(小走り)」


焔堂「当初の予定通りに総司令長室に行きます。はぐれたり、寄り道などしないでください。聞いてますか、甘草さ──」


甘草「(昼休憩中の学徒と打ち解けている)

おお。分けてくれるのか?うむ。有難く頂戴するぞ~」


焔堂「言った傍からぁ……!人の話を聞け!!」



(間)



▼場所は変わって、白軍(しろぐん)の本校舎。

西側に開放的な窓をいくつも備え、優しい陽射しが入る図書館。大きな木製のテーブルに分厚い本を積み上げ、読書にふける男子──那都(なつ) 无白(なしろ)は居た。そんな彼に声を掛けたものが、一人。



秘書「失礼。貴方(あなた)が、那都三年生ですね?」


那都「ええ、はい。そうです。あなたは?」


秘書「お初にお目にかかります。私は総司令長の秘書官を務めるものです」


那都「秘書官?そんな、上級職の方が何か」


秘書「突然ですが。総司令長室までご同行、願えますか?」


那都「……(考え)……わかりました。本を片す時間はください」


秘書官「ええ、構いませんよ」



▼海の水底のような静かさと、藍色を宿した瞳。

そんな瞳が、数回瞬いた後に、秘書官を名乗る人物の誘いを受けた。誘い、というより上層生(じょうそうせい)でもなく、一般の少数部隊を受け持っているだけの那都なつからすれば、物腰柔らかな”命令”に等しい。



那都M

《俺が総司令長室に、だと……?

在校中。いや、卒業しても会えるような相手ではないと思っていたのに。何か、学園の問題になるようなことをしただろうか。……無駄だ。考えるのを、止そう。全てが、悪い方向に動くとは限らない》



▼下段に辞書と同じくらいに分厚い横文字タイトルの本を戻し、秘書官の前へと戻った。



那都「お待たせしました」


秘書「いえ。では、参りましょうか」



▼秘書官の後ろを二歩下がった距離で那都は歩き出した。



(間)



▼あちこちと気を散らし、視線を外せばウロウロとする甘草あまくさに振り回される焔堂えんどう。道中いろいろありつつも、目的地に到着である。

焔堂は表情こそ冷静を保っているが、疲労の色をにじませていた。



焔堂「着きました」


甘草「ほほう!ここが総司令長室とな?

黒いし、ゴツイ扉をしておるのぅ。…ラスボスでも待っていそうじゃ~」


焔堂「なんですか。変な例え方しないでください」


甘草「おぬし、人付き合いが苦手かの?」


焔堂「それがなんだと云うんですか。人と関わらなくとも策などいくらでも──」


甘草「そうじゃな。【人を扱うだけの策】ならいくらでも思いつこう。……しかし、【人を選ぶ策】の場合はどうじゃ?」


焔堂「何が言いたいんですか。私が世間知らずとでも言いたいんですか」


甘草「これこれ。そう苛立つようなことはあるまい?

ワシは、人生とは人との関わりこそ重んじるべき……

という考えでな」


焔堂「(溜め息)結構です。説教など聞く趣味ありません」


甘草「おやおや。嫌われてしまったかのぅ?」


焔堂M

《編入生だから、連れてくるように言われたが……私は好かない……!》



▼焔堂は、甘草を言葉で退しりぞけ、扉の側にある操作パネルに指をすべらせる。無機質な電子音、音声アナウンスが流れて入室の手続きを踏んでいく。その間、焔堂の周りをうろうろする甘草。



焔堂「甘草さん。気が散るので、ジッとしててもらえませんか」


甘草「のぅ!参謀さんぼうの子よ!それはワシが触っても反応するのかの?!」


焔堂M《何で、興味を持つんだよ。めんどくさい。》


焔堂「知りません。このフロアに出入りできるのは在校している人でも、上位のものくらいです。

……なのに、編入生で情報も一般公開されていないアナタが総司令長と面会できること時点で、不思議でならない。アナタ、いったい何も──」


甘草「焔堂くん」


焔堂M

《なんだ、この感覚…。名前、呼ばれただけなのに……》



▼焔堂はせりあがってきた気持ちをつばで飲み下して、こぶしを握った。



甘草「(小さく笑う)……良い良い!一年で参謀長を務めるだけあって、伊達じゃないわけじゃな~」


焔堂「あ、アナタ……」


甘草「ふふっ、知らなくてもイイことはあるんじゃよ~」



▼一瞬だけ、垣間見せた突き刺すような空気は、再び緩さに覆い隠された。動けず、顔を俯かせてしまう焔堂。



甘草「案内、ご苦労様じゃったな。……またの。参謀の子」


焔堂「あ、甘草あまくさ 隠岐おきさん!!」



▼バタンッ……と扉が閉まる。

声を張り上げた時には遅かった。既に、入室手続きが済んだ総司令長室の中へと甘草の姿は消えていた。

焔堂は奥歯を噛みしめ、(きびす)を返し、白軍(しろぐん)の校舎に戻っていく。



(間)



▼その頃。共同使用棟に向かう為の、長い渡り廊下を一定の距離を保って、歩く二人。



秘書「那都三年生」


那都「なんでしょうか」


秘書「貴方は、この学園で過ごす日々をどう思われますか?」


那都「どう、とは具体的に」


秘書「ああ、いえ。深く考えないで大丈夫ですよ。

今、思い浮かぶことを教えてくださればと。……道すがらの暇つぶしくらいに思ってください」



那都M

《何か意図があるのか?いや、暇つぶしと言っていたし。いやいや。もしかしたら、俺の答えによって処遇でも変わるとか……?!》



▼鉄仮面。動きづらい表情筋は那都なつの焦りを隠す。ふと、足が止まった。

誰かが、閉め忘れたのか。窓が全開だった。



那都M

《空。暖かい気候、青々と力強い枝と葉……》


秘書「那都三年生?」


那都「……青」


秘書「青、ですか?」


那都「……いえ。すみません。真面目に考えます」


秘書「いえ、いいですよ。その率直な意見をお聞かせくださいな」


那都「では、少しだけ。

……自分たち学徒は、草木に囲まれた生活です。

そして、空の色も人の感情のように曇ったり、晴れたりします。……だから、青と思いました」


秘書「ふむふむ…なるほど。那都三年生は詩人のような感性をお持ちなのですね」


那都「ただ、思ったことを答えただけですよ」


秘書「では、潜在的な能力なんですね」



▼秘書官は優しく微笑んで、歩き出した。



那都M

《あんな答えで、間違ってなかったのか……?》



▼再び窓から空を一瞥(いちべつ)した。空はどこまでも澄み切っており、初夏らしい晴れ模様だ。

那都なつは深呼吸し、秘書官の後ろを着いていく。



(間)



焔堂えんどうと別れ、総司令長室に入った甘草あまくさ

彼は、革張りの回転椅子に視線を送っていた。

今は背もたれの部分しか見えていないが、誰かが座っていることくらい室内の空気で分かる。

そんな椅子の側に控えている軍服の男、小埜路(おのみち)禅治(ぜんじ)が口を開いた。



小埜路「生きていたんだな、甘草 隠岐」


甘草「なんじゃー?不躾ぶしつけな物言いじゃな、ぜんちゃん」


小埜路「ぜん、ちゃん?!」



▼予想だにしない呼び名をされて、悪寒で総毛立つ小埜路。甘草のニヤつく顔に、からかっただけだと理解して一度、冷静なろうと意識する。



小埜路「(咳払い)『外職げしょく』からの文書を見たとき、目を疑った。……四年前に"不慮の事故に遭って、学園から消えた"はずの貴官が戻って来るとはな」


甘草「ふふっ、仕方なかろう?あれは、『外職』の決めた事じゃ。ワシが弁解するような内容はないはずじゃがな?……何を気にしておるんじゃ〜?


……"なにもなかった"じゃろ、補佐官殿」


小埜路「貴様っ……!口を開けば、イマイマしい!その道化のような口をたたっ斬って──」


総司令長「その辺に、しときなさい」



▼ストン…と空気を変える声音。

小埜路は、その声を聞いた途端に、顔色を変えて刀から手を離した。

甘草は、その声を聞いて、飄々とした空気をおさめて奇妙な満面の笑みを浮かべる。回転椅子が回り、甘草が立っている扉の方を向いた。



甘草「(深々と頭を下げる)」


総司令長「甘草。健勝のようで、何よりです」


甘草「総司令長サマも、お変わらずのようで何より」


総司令長「ええ、わたくしも変わりないです。……(おもて)をあげなさい。

人が揃っていませんし、本題には入れませんね。少し、思い出話でもしましょうか」


甘草「ははっ、気が抜けてしまいそうじゃ。総司令長サマらしくない」


小埜路「貴様!知ったような口を!」


総司令長「良いのです。本当、小埜路くんが言った通り、変わらぬ達者な口ですね」


甘草「誉め言葉として、受け取りますぞ〜」


総司令長「……甘草。貴男(あなた)が、学園を去ってから三年と五ヵ月です。

わたくしの知らないところで、何をしていたのか分かりませんが……流されて来るとは」


甘草「流されたのではなく、流れてきたのですよ。総司令長。ワシは戻るべきして、来たのです」


総司令長「言いようですね。ですが、今期の編入。

貴男が全盛だった頃と同じようなことは、起こらぬよう全力で阻止するつもりです。……心なさい」


甘草「ふふっ、ワシは衰えていないことを証明すれば勝利、かのぅ?」


総司令長「(溜め息)……そういうところですよ、甘草」


小埜路「勝ち負けの話ではない。貴官の腐り、善意のかけらもない性根。現役の学徒たちに関わることで、刈り取らせてもらう」


甘草「ほう!それは、それは。……できるものなら、お手並み拝見と行こうかのぅ」


小埜路「ふんっ、その道化のような態度。長く続くと思うなよ。【白の制裁者】」



▼小埜路の宣戦布告。強気な揺らがぬ態度と言葉。

総司令長室に、甘草の喉で音を転がし、弾けるような高笑いは響いた。



(間)



▼場所は変わって、白軍の参謀部専用の資料室。

カーテンが閉め切られ、薄暗い室内に懐中電灯の白っぽい強い灯り。

周囲を照らしながら、焔堂は過去の資料を漁っていた。


焔堂M

潮苑(しおぞの)先生から渡された写真の日付は二〇七六年六月……》



焔堂「十四、十五……。あ、あった、十六期生のファイル。これと、これも見てみよう……」



▼手近にあった分厚いファイルを床へ置き、その上に懐中電灯をのせ、角度を調整した。

ローファーを脱いで、床に正座をする。

焔堂が取り出したのは【第一六期生・学徒名簿】と【ニ〇七六年・時事記録】のネームシールが貼られている二枚の記録用CDだった。



焔堂M

《どうしてもに落ちない。

僕は、あの人が何で編入という扱いなのか、知りたい。何で、教員ではないのか。

学園から浮いた存在、カタチの違う制服、年上の編入生……》



▼参謀長の権限で、備品のノートパソコンを持ち出してきた焔堂。

さっそく、ディスクを読み込ませてデータを閲覧する。



焔堂「あいじま、あきば、あきはま……。あべ、あまい、あまき、あまくさ……載ってる!

甘草あまくさ 隠岐おき!やっぱり、卒業生だったのか!?」



▼室内に響いた自分の声に我に返り、口元を押さえた。

掲載されている内容が全て正しい訳ではない。

しかし、今。閲覧している内容こそが、焔堂の知らない情報であることは確かだ。



焔堂「なになに……?」



▼焔堂が目を通す記事は『甘草 隠岐』についてだ。

入学した時期、生年月日、当時の使用武器、性格、戦績などが載っている。しかし、どうも焔堂が案内した男と同じなようで、別人の記事を読んでいる気分になった。

焔堂は固まった。記事の締め括りの文に目を見張る。



焔堂「……なんだよ、これ……。『不慮の事故により死亡』?

死んでる?じゃあ、僕が案内した人って誰??」



▼焔堂はノートパソコンを床に置いて、手で顔を覆った。

これが、学園の”踏み込んではいけない領域”ということなのだろう。室内の壁時計がチッチッチッ……と時を刻む。



焔堂「……(深呼吸)……いいや。ここで、迷ったら負けだ、焔堂えんどう流衣るい

僕は参謀長だ。『人との関わりが重要』だって言われたならやってやりますよ」



▼彼の若草色の瞳は若い探求心、好奇心によって深い色に変わる。



(間)



▼上級職の二人と道化のような編入生──正しくな復帰する学徒なので復帰生だ──による腹を探ったような対話が、繰り広げられていた総司令長室。

対話は来客の訪問によって、終わりを告げる。



秘書「失礼いたします、総司令長サマ。お連れしました」


総司令長「ご苦労様です、秘書官。貴方は通常業務に戻ってくださいな」


秘書「はっ、失礼いたしました」



▼秘書官は見本のような敬礼をし、道を譲る動作で出て行った。

開きっぱなしの扉に総司令長が声を掛ける。

来客は間を持って、様子を伺いつつ姿を見せ、扉を閉めた。



那都「失礼します」


小埜路「名を聞こう」


那都「はい。……白軍(しろぐん)三年、遊撃部隊所属の那都(なつ) 无代なしろと申します」


総司令長「存じています、那都(なつ)无代(なしろ)くん。突然の呼び出しに応じて下さり、感謝します」


那都「いえ。問題ありません」



▼不慣れな敬礼をしつつも、緊張の感情(いろ)は見せない那都。

空気からして違う室内に唾を飲み込む音さへ、遠慮する程に恐れ入っていた。

しかし、そんな空気を破るのは──



甘草「おお!おぬしは、ナッツくんではないか~!」


那都「なっ、あんた……」


総司令長「おや。初見ではないのですか?」


小埜路「どういことだ。那都 学生、経緯を説明しろ」


那都「は、はい。……その、この方と会ったのは二年の三学期に起こった黒軍(くろぐん)と交戦中でのことです」


甘草「なんじゃ~、なんじゃ~。よそよそしい態度じゃのぅ?一時であったが、あつぅい時間を過ごした仲であろう〜」


小埜路「やかましい。貴官は口を閉じていろ」


総司令長「ああ。ありましたね、黒軍(くろぐん)との物資争奪戦。……ですが、その日の来校者の申請はなかったはずです。

──甘草。貴男、やらかしましたね?」



▼静かに問い詰める総司令長の言葉に、那都は息を殺した。言葉にできない感覚が這い上がってきて、目を見張る。

名指しされた甘草は物怖じするどころか、ますます笑みを浮かべた。



那都M

《やばい。少しでも気を抜いたら卒倒しそうだ。こんなに圧が凄いのに、平然として居られるコイツは何者なんだよ》


甘草「なんじゃ~、ワシが悪さをしたと確信があるような物言いじゃな」


総司令長「過去の事を含め、貴男には前科が山のようにあるでしょう」


甘草「(溜め息)やれやれ、罪なきモノを問い詰めるとは。学園のトップがこれではのぅ?」


小埜路「はぐらかすな、甘草。

総司令長サマの問いに答えろ。……罪がないと語るなら納得させられる証言をしてみろ」


甘草「ふむっ、どう答えればいいかのぅ?うーん、そうじゃな。ちょいと学園のサーバーに手を加えて、学徒情報を借りた、だけじゃよ」


那都「はぁっ……??」



▼さらり、てのひらから砂が落ちると同じくらいにあっさりと語る。

その言葉に那都はめずらしく表情筋を動かし、唖然とした。小埜路や総司令長も頭を抱える。



総司令長「ああ、本当に変わらないですね。貴男」


小埜路「総司令長サマ。此奴(こやつ)は、招くべきではなかった気がします」


総司令長「小埜路くん。わたくしも、(うえ)の判断に頭が痛いくらいです」


甘草「ん?何を三人して、固まっておるんじゃ?入れんのならば、入れるようにしたまでじゃろう」


那都「あんたの問題が大ありな行動に固まってんだよ、ボケ」



▼甘草のケロッとした態度に、那都がついに暴言を吐いた。驚く二人。



総司令長「那都なつ无代なしろ、くん……?」


小埜路「(小声)那都は口が悪いのか。…見かけによらないな」



甘草「ふふっ、やっと素面(しらふ)じゃな。して、ナッツくんはワシの行動に問題があると言うたな?」


那都「ナッツじゃない。それは食い物の名だ。俺は那都(なつ)だと言っている。本当、ふだけた奴だな」


甘草「そんなとこを気にしておったのか?おちゃめなジョークじゃろ?細かい男じゃなぁ……」


那都「うるさい。言ってろ」



総司令長「(小声)……すでに、尻に敷かれてますね……実に面白い……」


小埜路「(小声)総司令長、面白がってる場合ですか」


総司令長「(小声)とりあえず、見守りましょうかね」



(間)



那都「でだ、あんたの行動は間違いだらけだ。

外部からの来校にはあらかじめ、申請を通すべきだ。なのに、あんたは学園に居た。黒との交戦中の日に、わざわざだ。

……あんたは在校生の情報を借りたと言っていたし。

つまり、あんたにはセキュリティーを(いじ)る才能もあれば、学園の内部情報も理解している。

……この独自のルールで成り立っている学園でも、行き過ぎた行動は【罪】だ」



甘草「では、結論はなんじゃ?」



那都「あんたは、この学園に必要ない。……俺の信念に反する奴は特にだ」



甘草「ほほぅ……そうか、そうか……」



▼断罪する藍色の瞳。

甘草は真っ直ぐ、見つめてくる迷いない視線に笑いを喉で転がした。



総司令長「……決まりですね」


小埜路「はい。多少の言葉遣いの荒さは時にはむちとなるでしょうし、要監視の方向性で良いかと」


総司令長「ええ。そうしましょうか。……(咳払い)お二人さん。お話ししてるとこ、済みません」



那都「はっ、なんでしょうか」


甘草「何じゃ~?」


総司令長「那都 无代くん。わたくしから、お願いをさせてください」


那都「お願い?命令ではなくて、ですか?」



総司令長「命令や指令と称して、強制させるのも身分のなせる(わざ)。ですが、無理強いするつもりはない。……だから、お願いです」



那都「わかりました。お聞かせください」


総司令長「この右の学徒、甘草 隠岐と隊を組み。卒業してください」


那都「隊を組む……?新しく部隊を結成するということですか」


総司令長「いいえ、そうではありません。……小埜路くん、説明を」


小埜路「はっ。……隊を組むといったが、事情によって廃部になった隊は数知れず。

そして、今回。那都 学生に率いてほしいのは『甘草(あまくさ)進撃(しんげき)』だ」


那都「進撃?俺は所属が変わるということですか」


甘草「ふふっ、懐かしい名じゃな。那都くんよ、その隊はワシが率いておった隊じゃよ」


那都「なっ…!甘草ってあんたの名前か。……あんた、隊長なんてしてたのかよ」


甘草「なんじゃ、ワシとてやるときはやっておったぞ~?」


小埜路「余計なことばかり起こしたがな」



総司令長「そうですね。当時の副隊長は大変だったでしょうね」



甘草「ワシはやりたいようにやっておっただけじゃぞ?」


小埜路「あぁっ!?貴様!それの後始末がどれ程、面倒だったか!!」



総司令長「小埜路くん、後輩の前ですよ」



小埜路「(咳払い)……失礼しました」



那都M

《ああ、この小埜路さんって人。模範な軍人像のまんまだと思ってたけど、卒業生さんだったか……》



総司令長「さて、話が逸れましたね。改めて、那都无代くん。”お願い”できますか」



那都「はっ、喜んでお引き受け致します!」


(間)


小埜路「この場で、宣言する。

(深呼吸)…白軍(しろぐん)三年、那都(なつ) 无代(なしろ)。復帰生、甘草(あまくさま) 隠岐(おき)を率いて『甘草進撃小部隊』としての功績を残し、高等部の課程を修了せよ」


那都「はい。お任せ下さい」


甘草「ふふっ、楽しくなりそうじゃな~」



▼こうして、総司令長室の中で行われた誓約せいやくはさまざまな学徒を巻き込んだり、巻き込まなかったり。

澄んだ薄青の空の下、フツウで普通じゃない日々の幕開けとなった。



(間)



▼一方、参謀部専用の資料室に居る焔堂えんどう流衣るいは。



焔堂「上の方々は何を考えているんだ……!こんなに問題だらけな人を在校生として、復帰させるなんて!」



▼彼の座っている周りには過去のデータが記録されたディスクが転がり。

ノートパソコンの画面には【白の制裁者について】や【死傷者・五十人にのぼった制裁事件について】の記事が開かれていた。



焔堂「……これは、僕が阻止しなきゃいけない……!参謀長の名にけてだ……!」



▼冷めていた心に、ぎらぎらとした熱を宿しだした焔堂流衣。彼の探りは功を奏るのか。



(間)



◇同日の深夜/どっかの執務室



総司令長「いくら、本土からの指令だと言っても……、甘草進撃を小部隊として再活動させる日が来るとは思っていませんでしたよ」


小埜路「恐れながら、自分も同意見であります」


総司令長「那都三年生が、聡明そうな子で実に任せがいがあります。ですが、困ったこともあるのです」


小埜路「それは、なんでありましょうか」


総司令長「顧問に着きたがる教官がいないのです」


小埜路「……噂として話が、既に流れているということですね」


総司令長「ええ、そうです。まだ、黒と赤で起きた騒動の始末も済んでいないせいもあります」


小埜路「問題は、山積みですね」


総司令長「ええ、山積みです。……そこでです。小埜路くんに、ご提案が」


小埜路「なんでありましょうか」


総司令長「貴男あなたが、甘草進撃を監督するものとして就いてくれませんか」


小埜路「私がでありますか?お言葉ですが、私には今でも手いっぱいといいますか……」


総司令長「では、貴男が抱えている職務を少しだけ他所の部隊に振り分けてーー」


小埜路「いいえ!それは、大丈夫です!」


総司令長「では、監督の職務も引き受けてくれますか」


小埜路「そ、それはえっと」



総司令長M

《小埜路くんにしては、珍しく食い下がりますねぇ……可哀想なことを頼んでいるとは重々承知の上です。ですが、面白いので頑張ってもらいましょう……》



総司令長「(悲しげに)頼みます、小埜路くん。貴男しか適任がいない。過去の甘草のことを知っている数少ない現職なんです」


小埜路「《あ〜〜なっんて、ずるい人なんだ!!そんな顔されたら無理だろっ……!!》……ご命令とありましたら、お引き受け致します」


総司令長「ふふふ、ありがとうございます。心強い部下がいて、助かります。頼みましたよ、小埜路くん」



▼優しい笑顔を浮かべる総司令長と、相手の労りがしみる小埜路。今後のことを考えると胃痛がした。

その後、耐えに耐えたストレスが爆発した補佐官・小埜路 禅治が医務室の常連になるのは別の話……。




白軍編・第二話⇒再起の訪れ。  


〜おしまい〜




台本 初回掲載日 2018年12月8日


台本 最新修正日 2022年12月1日

(前回▶2021/05/21)





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