幼稚園児の頃に厨二病披露したら保育士の肩が震えてたのはちょっぴり黒歴史(トラウマ)だったりします。
さあ、やって参りましたAHO!
「目を開ければそこはファンタジーだった!」
あ、やろうとしたネタを他の方に取られてしまいました。
周りを見れば私と同じご新規さんがいます。
?マークの刺繍が入った覆面被った人…。
茶色いトグロ状の頭部の人…。
更にはイソギンチャクや甕(亀に非ず)、火の見櫓が往来を闊歩しています。
先程叫んでいた方では有りませんが、その光景はまさしく…
「It's a fantasy!」
…すいません、感動のあまりキャラ崩壊しました。
まずは皆と連絡を取りましょう。
メールでログインした事を皆に知らせ、返事待ちの間に所持品チェックです。
現在の所持品をピックアップすると…
・ウェストポーチ型アイテムボックス
サイズ・重量問わず100個のアイテムが入るウェストポーチ。
内部は時間経過有り、内容物の重量は外部に影響を与えない。
・支給品のスポーツブラ(白無地)
自動サイズ補正、自動清潔化、自己修復のエンチャントがかかったスポーツブラ。
但し防御力は皆無である。
・支給品のショーツ(白無地)
自動サイズ補正、自動清潔化、自己修復のエンチャントがかかったショーツ。
但し防御力は皆無である。
・支給品の靴下(白無地)
自動サイズ補正、自動清潔化、自己修復のエンチャントがかかった靴下。
但し防御力は皆無である。
・支給品の服
自動サイズ補正、自動清潔化、自己修復のエンチャントがかかった服。
但し防御力は皆無である。
・支給品の靴(焦げ茶)
自動サイズ補正、自動清潔化、自己修復のエンチャントがかかった靴。
但し防御力は皆無である。
・お金
ゲーム内通貨。
ゲーム内でのアイテムの売買等に使う。
初期装備に武器が無いのは『初期資金で好きに選びなさい』という意味でしょうね。
そんな事をつらつらと考えてたらコール音と共にポップアップメニューが出てきました。
┌──────────
│
│PN:銀の月影さんから着信が入ってます。
│
└──────────
見てみると幼馴染みの使っているPNだったので画面をタッチする。
「もしも…」
『お姉さま!
今、どちらに居られますの!?』
「テンション高いですね〜。
ログインしたての広場っぽい所ですよ?」
多分ご新規さんは皆ここから始まるのでしょうね。
先程から視界の中で光が走る度に『ユニバ〜ス!』とか『地球は旨かった!』というネタっぽい叫びが木霊してますからね。
『…お姉様、それでは分かりませんので街の名前を教えて下さい』
何だか凄く呆れられてしまいました。
何故でしょう?
『初期配置(スタート地点)の街は四ヶ所有りますの。
ステータスウィンドウを開けば見れますの』
なるほど、スタート地点が複数在るのですね。
「有難うございます。
では早速…」
『ストゥウェエエエエタァス・ウィンドゥオウ!フルッ!ウォオオゥウプゥゥゥウンンン!!!!』
ネタに走ろうとしたらすぐ近くの赤い鎧とマントの手斧装備の方が物凄い大声で叫んでました。
『お姉様、いつの間にそんな野太い声が出せるようになられたのですか?』
「近くの方がネタに走られただけですが…。
私も修行が足らなかったようですね」
あまりの大声に驚いてしまいました。
重厚感のある感じは戦士っぽくて羨ましいような負けたような気分になります。ネタ被りは嫌なので普通にいきましょう。
「御開帳」
言葉と共に目の前にウィンドウが開きました。
┌──────────
│
│現在地:エ国公都○市△区□町×―・
│ ログイン広場
│
└──────────
「…エ国?
変わった名前ですね」
『私が居るのはア国なので、ちょうど反対側ですね』
…ア国にエ国って…
「…私が言うのもなんですが酷い名前ですね」
『なんでも『長い名前とか面倒臭え、一文字で良いじゃん』と当時の開拓団長が言ったのが起源だそうですよ?』
分からないでも無いけどこれは酷い(笑)
『そちらに行くのに少し時間が掛かるのでコレでも読んで暇を潰して下さい』
ではでは〜。の台詞と共に通信が切れウィンドウに新たなメッセージが浮かぶ。
┌──────────
│
│PN:銀の月影があるのでさんからテキストデータ『王国開拓史(世界設定)』が届いてます。
│
│
└──────────
届いたデータを早速読んでみました。
内容はと言いますと…
〜
…移民計画。
人口曲線が惑星の許容人数を超えた事をきっかけに我々は他の惑星への移住を決意した。…(中略)…資源不足と人口曲線の加速から(便宜上このように書くが)太陽系内への移住は早くも頓挫した。外部惑星の調査は間に合わないと判断した政府は志願移民を募り半ば強制的に未調査域への移民を敢行した。…(中略)…移民団を結成したのは我々の星だけではなかった。複数の星系の移民団が離合集散し…(中略)…遂に我々は移住可能な惑星を見つけた。
外部からの調査の結果、複数有る大陸の一つが疫病で事実上の滅亡に至っていた。この大陸への移住を決意した我々は大陸内の僅かな生存者を集め、大陸内の資源、及び、船団の設備と技術者を集め、治療にあたった。
治療は成功し、彼らを接収してこの大陸に新たな国家を造る事となった。…(中略)…複数の惑星からなる為に人種もまた多様性に富んでいた。民族性からこれらを四つに分け、それぞれの代表者兼管理者を選ぼうとした。…が、その役割の多忙さから多くの者が辞退した。
結果、精神的疲労に強い、若しくは持たない機人から四人の代表者兼管理者が選ばれた。
…よし、これで面倒臭い役目は押し付けた。いやぁ、これでようやく楽が出来…。
アレ、何でお前らここに居んの?
へ?
俺が王?
何言ってんの!?
聞いてないよ!
へ、言ってないから当たり前?
言ったら逃げるから言わなかったって卑怯だぞ!
お前に言われたくないって、ちょっと待て!
俺は王になんてならないぞ!
嫌だ、止めろ!!
新婚ホヤホヤな新妻との悠々自適ないちゃラブ生活が…!
ちょっ、止め…!
アーーーーッ!
…(中略)…
ここからは我々四公が記す。王は我々との|懸命な交渉(肉体言語)により我々から有給休暇70年をもぎ取っていった。
王を含む我々は民族性を基準に国家を四つの区域に分けた。
ア国には感情主義の傾向が強い民を。
イ国には自然崇拝の傾向が強い民を。
ウ国には職人気質のの強い民を。
エ国には他三国から敬遠されやすい民を配置した。
これら四ヵ国を以て『アイウエ連合王国』とした。
四ヵ国を治めるのは我々四名の公爵であり、四公を束ねる王の名を国に併せ『アイウエ王』とした。
〜
「凄まじいネーミングセンスですね…」
私も自分のAIにtokoro10(トコロテン)なんておどけた名前を付けてますがこれはベクトルが違いますね。
こういった感性の違いは良い刺激になります。
「お待たせしました、お姉様!」
キリの良い所で幼馴染みこと銀の月影が来ましたのでテキストを閉じます。
因みにこの名前を提案したのは私で、当時、『格好いい名前にしたいから一緒に考えて』と言われ即答した名前です。
…由来は私の厨二病だったりします。
格好いいじゃないですか、銀とか月影とか私の黒歴史(厨二病)を擽ってくるんですよ。
お父さんには一目でネタバレましたが。
お父さんも元厨二病戦士で私も影響受けてるんですよね。
「それではお姉様、早速冒険者協会に行きましょう!」
簡易mapを開き街中の看板の意味を教えて貰う。
「彼方の交差したハンマーの絵柄が鍛冶屋ですの。
店の外壁の小看板はその店で取り扱ってる物を表してるのですが…」
急に歯切れが悪くなり…。
「…実はア国を出るのは二度目でして初めて見る看板が結構有りますの…」
「いえいえ有難うございます。
分かるのだけで十分です。
後から一緒に行ってみましょうね?」
「ハイ、お姉様!」
やっぱり普段は多少うざくともこの娘は笑っていた方が良いですね。
誤字脱字等が有りましたらお教え下さい。