キャラメイクの苦楽
「さてはて先ずは先ずは楽しいキャラメイキングでございま〜す♪」
無理矢理テンション上げてみました。
かなりイタイです。
「カナちゃんのキャラじゃ無いよ〜?」
うん、自分でも分かってます。
気を取り直してキャラメイキングと参りましょう。
AHOのキャラメイキングて設定出来るのは名前・種族・外見・初期装備です。
性別はリアル準拠で変更不可になってます。
変えてしまうと一部の例外を除き激しい不快感に襲われるとの事です。
名前はHNのカナを使用…
「カナちゃん、既に他の人が使ってるみたいだよ〜?」
…出来ませんでした。
他の方と同名になる場合は弾かれるのですか。
ならば…
「名前の候補を幾つか挙げるから検索サポートをお願い」
「了解〜♪」
取り敢えずHNを弄った名前を幾つか入力してみますか。
…カナデ…
…奏…
…|小鳥遊 奏(本名)…
「どうですか?」
入力データをtokoro10に渡して訊いてみると…
「う〜ん、三つともアウトだね」
では別のを…
「でもカナちゃんの名字の鳥を女に変えると伏せ字になるよ?
凄いね〜!」
言われて字面を想像して、文面にしてみると…
『少女を遊び奏でる』
「確実にアウトな名前ですね…」
その場でorz.の状態になってしまいました。
「でもでも〜?
平仮名ならイケるっぽいよ〜?」
すぐさま平仮名で『かな』と入力。
今度は弾かれずに次の項目にシフトしました。
「因みにランダムだとどんな名前が揚がりましたか?」
「ん〜っとねぇ?
『権俵 溝造』と『プリーステス・大』と『鉄道竜』、他数点が挙がってるよ〜?」
「ネタ臭が酷いので却下です」
『かな』で決定して次の項目である種族の選定に移ります。
後ろで項垂れながら赤い涙を流すtokoro10は取り敢えずスルーする方向でいきましょう。
一旦、人間を選択してみます。
能力値は信仰心を除いて軒並み同じ数字が並んでます。
初期ジョブは結構色んなのが挙がってきてますね。
試しに『狂信者』にしてみます。
…へ?
信仰心が一気に10倍になりましたよ!?
スキルも追加されましたね
どれどれ…
スキル
・狂信
メリット
スキルLvの上昇に伴い信仰心が大幅に上がる。
デメリット
改宗不可。
初期選択宗派以外の偶像・聖典・信徒等の存在を認識すると狂乱のステータス異常となる。
他宗派とは自動的に敵対状態になる。
…アカン。
コレ、ゼッタイエランダラアカンヤツヤ…。
見なかった事にしましょう。因みに他のは…
・見習い戦士
・見習い格闘家
・見習い斥候
・見習い僧侶
・見習い魔法使い
・見習い錬金術士
・見習い賭博士
・見習い鍛冶士
…etc.
あれ?
「人間の種族ジョブが無い?」
tokoro10、検さ…
「人間は種族ジョブが無い代わりに色々と初期ジョブが選べるみたいだよ〜?」
燃え盛る松明の二刀流。
低い位置に渡された油の滴る荒縄。
そして腰を落として仰け反りながら潜ろうとする|全身を茶色のドーランで塗りたくった腰簑一丁の美少女(tokoro10)…。
「…何してるんですか?」
「カナちゃんが構ってくれないからリンボーダンスを少々…」
水をぶっかけます。
「冷た!
カナちゃん水が冷たいよ!?」
抗議はこの際無視しましょう。
それよりも…
「今すぐ何か着なさい!」
「へ?
ちゃんと着てるよ、腰簑?」
「モザイク処理されてますけど女の子が人前で見せちゃいけない物が丸見えです!」
私の顔が真っ赤になる一方でtokoro10が「しょ〜がないな〜」とか言いながら着替えてます。
私のAIが自由過ぎますorz.
〜
「んで、初期ジョブの事だよね〜」
私の顔はまだ赤いままです。
なんで私の回りはこういった人達ばかりなんでしょうか?
「人間以外のメジャー処はこんな感じだよ〜?」
tokoro10が種族と初期ジョブを箇条書きで挙げてくれます。
それによると…
種族・エルフ
初期ジョブ
見習い精霊魔法使い
見習い魔法使い
見習い弓術士
見習い樹医
見習い精霊樹医
種族・ドワーフ
見習い戦士
見習い鍛冶士
見習い細工士
見習い僧兵
見習い精霊魔法使い
見習いドワーフ戦士
種族・獣人
見習い戦士
見習い獣戦士
見習い斥候
見習い狩人
…etc.
「もののみごとに定番処ですね」
「マイナー処だとこんなのがあるよ〜?
デフォルト解説付きでこんな感じ?」
種族・城
防衛拠点等として建設される建築物。
初期能力は素早さを除き軒並み高いが修得出来るジョブは他種族に比べ少ない。
一方で他種族には無いジョブも幾つか有る。
また体の動かし方が人体とはかなり異なる為、慣れない間は身動き一つ取れない者もいる。
初期ジョブ
簡易要塞
家庭菜園
簡易工房
見習いサーファー
種族・機人
機械生命体。
人型・非人型等バリエーション豊富。
魔法は使えないが一部の魔法を無効化し、大半の魔法に対し高い耐性を持つ。
パーツ交換による内装火器の搭載も可能。
初期ジョブ
見習い機械兵士
見習い戦士
見習い格闘家
見習い斥候
見習い弓術士
見習い銃士
種族・地雷
究極の攻撃特化種族。
防御力も、素早さも、信仰も、移動力も、幸運も、何もかも要らない。
ただひたすら(物魔問わず)攻撃力さえ有れば良い。
そんな(精神的に)タフなにオススメの種族!
辛くなったら取得ジョブ次第で転生無しで近縁種族に変更可能!
さあ君もCOOLに、DRYに、ハジケてみないか!?
※種族・ジョブ特性の関係上、他種族よりもデス・ペナルティは軽くなっております。
初期ジョブ
かんしゃく玉
へび花火
ロケット花火
煙玉
爆竹
線香花火
…
……
………
「ってハジケて堪りますか!?
ってデス・ペナ軽くしても問題解決してないですよね!?
しかもへび花火とか線香花火はどう戦えと言うんですか!?」
「カナちゃん、ステイ、ステイ」
「私がおかしいんですか!?
ラインナップも地雷じゃなくて花火ですよね!?
誰か納得のいく答えを出して下さいよ!?」
「黙らっしゃい」
急に頭から水を掛けられた。
すぐそこにはバケツを持ったtokoro10がいた。
「落ちついた?」
「うん、有難う」
コレじゃいつもと立場が逆…。
「カナちゃん、そこは『オチはついてない』って言う所だよ!」
取り敢えず斜め45度チョップをかましとこう。
軽い音を立てたチョップにtokoro10が痛がる。
「イタタっ。
さてカナちゃんが正気に戻った所で解説いくよ〜?
へび花火のスキルはHPを全損生け贄にして数秒から数十秒間、注目とヘイトを集めるみたいだね。
爆竹は広範囲を混乱状態にするって有るね。
でもって線香花火は注目した人に魔法スキルのサニティ(平静化)の同様の効果があるって有るよ〜?」
「成る程。
でも出来ればツッコミ処は増やさないで欲しいですね」
「なんかね?
NPC限定で邪神とか外宇宙の神ってのもいるみたい。
後、ジョブを成長させれば花火系以外に発展するみたいだね」
…うん、これ以上この話を掘り下げるのは止めとこう。
しかしこの膨大な種族数の中から目当ての種族を探すのは大変ですね。
少しばかり楽をさせて貰いましょう。
「種族の検索をお願いします。
検索ワードは『妖精・谷・触手』で、検索お願いします」
「………」
声をかけたけど返事が無い。
tokoro10が急に顔を赤くしてモジモジしだす。
「どうしたんですか?」
「…カナちゃんのH…」
「ふむ?」
タイミング的に検索ワードが原因でしょうか?
「いったいどんな妄想したんですか?」
「…平和な谷に迫る魔の手。
穢れを知らない妖精少女達に襲い掛かる触手の群。
次々と官能の白濁に沈む少女達の淫らな歌が谷に響いて…」
ってどんな妄想してるんですか、このAIは!?
「うん、分かった。
もう良いから検索結果ちょうだい」
だんだん疲れて来ました。
「はい、まずこれ。
『リーマン×触手の日常的職場恋愛』」
おもいっきり薄い本じゃないですか!?
「寄り道してないで真面目に探して下さい!
これだけしつこいと流石に読者も見放しますよ!?」
「も〜、そんなに怒らないの。
見た目はソッチ系の薄い本だけど内容はちゃんとした触手系プレイヤーのプレイログが半分を締めてるんだから。
真面目な検索結果としてはソレ含めて二件しか無かったよ?」
ぶつくさ言いながら検索結果を渡してくる。
種族・触手人
かつて惑星グドンは外宇宙から飛来した触手群の侵略を受けた。
次々と人々を襲い種の苗床と変えていった触手群であったが大陸を一つ納めた所で現れた『性戦士』達の反撃により戦線は停滞した。
そして一部の触手群が性戦士の活躍により『受け』に目覚め、混血種族『触手人』が世界に誕生した。
最終的に『性戦士』『受けに目覚めた触手群』『触手人』達の活躍により侵略してきた触手群は殲滅された。
その後、和解と戦後のベビーラッシュにより急増した人口を調整する為、政府は恒星間移民を決行した。
その子孫が現在の触手人である。
初期ジョブ
見習い戦士
性戦士
「…うをひ」
tokoro10を睨み付ける。
流石にこれは酷いです。
「カナちゃん、世間一般での触手のイメージってこんな感じだよ?
触手が返り討ちに合うのは珍しいけどね〜?」
「触手ってもっと子供でも触れ合える存在だと思ってたよ…」
「あのね、触手とエロのコラボは江戸時代から続く日本の伝統文化だよ〜?」
ショックを受けた私にtokoro10の追い討ちの言葉はきつかった。
「じゃあ他の種族にする?」
うちひしがれる私にtokoro10が問いかけてきた。
誤字脱字等が有りましたらお教え下さい。