表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

冬の教室は寒いのです。

夕暮れ


授業は終わり生徒達がチャンバラやエアギターに勤しみ出す。


一方で真面目な生徒や内申点を気にする生徒達が不真面目な生徒を追い出して教室の掃除を始めようとする。


今回も真面目側が弁舌で圧勝…とはいかなかった。


いや、一応勝利ではあるんですが…


クラス一の不思議ちゃんが『ギターならコレがあるだろ?』とラバーカップとボイスパーカッションで…


無駄に凄いというのはああいうのを言うんでしょうね…





ごみ袋を集積所まで運ぶ。


道中の風が容赦無く体を冷やすも少女の姦しさはそれに負けてません。


ホント元気ですね。


「お」


ふと聞こえる幼なじみの声。


「ね」


こちらに駆け寄る顔は満面の笑みで。


「え」


跳躍する姿は若々しさに溢れ


「さ」


空中でスカートとセーラー服を置き去りにし


「ま」


|フライングボディプレスで迫る(空を平泳ぐ)彼女を


「〜!」

ドゴスッ!


私は踵落としで迎え入れた(迎撃した)。


コレさえ無ければ良い娘なんですけどね。





「うぅ、痛い」


「自業自得です」


あの後、ドン引きと生暖かさが入り交じった視線の雨から逃げ出した私達は家路についた。



昔はこの娘みたいな同性愛者は社会的な拒絶の対象になりやすかったそうだが今はそれほどでもありません。

医療技術にブレイクスルーが起きて同性でも子供が出来るようになったからというのが主な理由だそうです。


だからといって私がその恋愛対象になるのはかなり嫌ですね。


友人としては付き合えても性癖にまで付き合いたくないというのが本音です。


だから


「何度でも言うけど私はノンケです。

貴女が同性愛者(レズ)なのは構わないけど私は女の子を恋愛対象に見れないし、女の子の恋愛対象になるのは絶対に嫌なんです」


夕日が照らす赤い世界の中


「だから私の事は諦めて下さい」


私は今年三度目の宣言を出した。

通算は数えてないけど多分まだ二桁はいってない筈です。

彼女の顔は曇らない。

苦笑いはしてるがショックは無く、ただ当たり前の事実をあるがままに受け入れているように。


「…一つ良いですか?」


平手打ちでしょうか?

恨み言でしょうか?

いずれにしろ受け入れ…


「私、レズじゃないですよ?」


「…かなり無理が有りませんか?」


少なくともノーマルな女の子は同性相手に全裸突撃はしないと思いますが?


「私はレズじゃなくて両刀使い(バイ)です!

お間違え無きようお願いします」


「そうですか。

私は気付かずに貴女を傷つけたのでは無いですか?」


特殊性癖持ちにとって無理解や誤解は辛い物があるといいますからね。


「大丈夫ですよ。

そこら辺は慣れてますから」

あっけらかんと笑う彼女はあまりにも平然としていた。



結局今回も説得は失敗しました。


「ただいまです」


駐車場に車は無いから、父も母もまだ帰ってきてないようですね。


家の鍵を開け手早くエプロンに着替える。


今日の柄は地獄絵図です。


台所の食器洗いを終えるとドアのインターホンが鳴りました。


玄関を出たら宅配員のお兄さんにちょっとヒかれた。


柄物エプロンはそこまで子供っぽいのでしょうか?


荷物の送り主はVRソフトの会社なのでこの間書類を送ったゲームのソフトですね。


サインして受け取りを済ませ自室に片付けた所で両親が帰宅。


皆で洗濯物を畳んだら早速キャラメイク開始といきますか。

誤字脱字等が有りましたらお教え下さい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ