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3:青髪

ようやく主人公登場ですよ?名前は出ませんが。

3


「【ようこそ。我らの主の下へ】」


 リーシャとエリス。二人の前に立った男はそう言って、軽く手を広げる。

 そして己の役目を果たしていく。


「俺は見張り兼案内役でライルという。では二人とも此方へ。下馬した上でお願いする」

「武器はよろしいのですか?」


ふう、と男は一つ息を吐いて

「使うのであればより痛い目を見てもらう。

 そして、シェリルの騎士は己の言を違える者、と隣国に触れ回るだけだな。

 この国の女性絶対主義に反感を持つ国は多いし…」


 前を歩いているライルはそう言って言葉を濁していく。

 この国のおかれた状況はひたすらに悪い。

 それを支えていたのは彼女達のような女性騎士、神官。

 そして……男性下士官であった。


 他国との小競り合いや魔族と呼ばれる異形のものとの争い。

 その中で狩りだされるのはやはり優秀と呼べる女性士官であったのだが、その部下。

 一兵卒を纏め上げる下士官達はより優秀であることが求められた。

 何より最精鋭は王都の守備に回ることが多く、実際の出陣する部隊の中にはまれに、ではあれ従軍経験のろくにない高級であるだけの貴族も含まれる。

 そんな彼女らを支えるのが下士官だった。戦域を支え、堪え、大将を生かし勝利に導く。

 それらを彼らは求められ、遂行していた。


 だというのに。


「現在女王陛下は女性絶対主義の名の下に下士官、そして男性官僚の排斥を行っている。

 そしてこの国は壊れつつある。…このあたりの講釈は要らないな」


 ライルの言葉を聴きながら、リーシャとエリスは周囲を観察している。

 森のほうから続く入り口から正面の大き目の家。そこは主の家であることは正しいだろう。

 そこへの道筋には何人かの男が住んでいた。

 しかし彼らの視線の色は同じだ。それは…警戒だ。


「我らの主は3代の英明王に仕えたとされるフォード様だ。くれぐれも失礼のないように。

 例を逸することはないと思うがね。仮にも、王の使いであるならば」

「貴君こそ、王の使いに対して失礼とは思わないのか?」


 リーシャの言葉に、ライルは薄く笑う。立ち止まり、そちらに顔のみを向けて。


「お前は王じゃない。お前は男じゃあない。

 この国において男を蔑み、踏みにじり、人間以下のものとして扱う上級貴族。その一味だ。

 失礼といわれるのかもしれないが、俺は直すつもりはない」


 射抜くような視線。それは敵意、殺意だ。

 この集落に住む人間達は外見的にはあまり好まれない容貌が多い。

 いや、とエリスは否定して。


―――これが真実なのでしょう。私たちが、貴族が、女が捻じ曲げてしまっているのです。


 そう思い直しているところに声がかかる。


「ライル。あまり怖がらせるでない。余計なカードを見せるのは愚者のすることじゃ」

「フォード様。 

 …申し訳ございません。近衛第一部隊、および神官を名乗る娘両名をお連れいたしました」

「ん」


 視線の先、大き目の屋敷の入り口に立つのは草色のローブを着た老エルフ。

 白髪に白いひげを膝辺りまでたらした老人だ。そして。


「…アレが敵かい?爺さん」

「敵対勢力代表じゃ。敵とは言い切れんな」


 その隣には前開きの騎士が鎧の下に着るような衣服をまとった青年が立っていた。

 この国ではそう見ない黒髪黒目。正確には違うといえるか。

 黒が強すぎて光の加減で青にすら見えようか、という青年がいた。


「では、中へ。お話を聞きましょう。」



 

短いし小分けしてるしでいろいろダメダメですが。

10年ぶりぐらいですのでご容赦を

とりあえず主人公登場で一区切り。比較的重めではありますが


本来英明王が表れ問題の解消に動く位置。

そこに王が現れず女王や貴族たちは暴走していきます。


さらに世界解説と起こっていることを混ぜてネタに出来たらなーと。

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