名探偵ダーウィ
1892年、イギリス本土。
ある朝、王宮から衝撃的な知らせが広がった。皇帝が毒殺されたのだ。宮殿は大混乱に包まれ、警備は強化され、人々は不安に震えていた。
そこで王妃は、一人の男を呼び寄せる。
名探偵ダーウィ。
彼は冷静な頭脳を持つことで知られ、多くの難事件を解決してきた人物だった。その隣には、若い助手のオリオンが立っている。
「つまり、宮殿の中に犯人がいる可能性が高いということですね。」
オリオンが静かに言うと、王妃は重くうなずいた。
「その通りです、私の夫を殺した犯人を見つけてください」
そして調査が始まった。
ダーウィとオリオンは宮殿を歩き回り、料理人、警備兵、侍従たちに話を聞いた。
そして真実に近づく、 毒は、食事ではなくワインに入っていた。
「しかし、このワインを運んだのは三人いる…」
オリオンは困った顔をする。
その時、ダーウィは窓の外を見ながら言った。
「いや、犯人は一人に絞れる」
「え?」
「この毒は珍しい薬品で普通の人間にはとても手にはいらない」
そしてダーウィは、ある人物の名前を口にした。
「犯人は皇帝に最も近い人物...カミラ王妃だ」
その夜、ダーウィは容疑者たちを呼び出した
静かな部屋で容疑者達はダーウィが来るのを待っている。
王妃が口を開いた
「なぜ私の夫達を殺したかも知れない者たちと一緒にいなければいけないのですか?」
その時ドアが開きダーウィが入ってきた。
静まり返った部屋に、重い空気が流れた。
「それは、私たちが考えた犯人があなただからです」
ダーウィの言葉に、部屋にいた全員が息をのんだ。
王妃カミラは驚いた表情で立ち上がる。
「な、なぜ私が……?」
ダーウィは机の上にワインボトルを置いた。
「皇帝のワインには毒が入っていました。そしてその毒は王室の薬庫にある珍しい薬品だった」
侍従や警備兵がざわめく。王妃は首を振った。
「私はやっていません!」
だがダーウィは冷静に言った。
「疑いを晴らすためにも、少し調べさせていただきます」
その夜、王妃は一時的に拘束された。
深夜
宮殿の一室で、ダーウィとオリオンは二人きりで話していた。
オリオンは紅茶を二つのカップに注いだ。
「先生、お疲れでしょう。少し休みましょう」
ダーウィは軽くうなずき、紅茶を口にする。
しばらく沈黙が続いたあと、ダーウィが口を開いた。
「……オリオン」
「はい、先生」
「この事件にはまだ、妙な点が多い」
オリオンは静かに聞いている。
「毒は珍しい薬品だ。普通の人には手に入らない」
「そして、ワインに毒を入れる機会があった人物は限られている」
ダーウィはゆっくりとオリオンを見た。
「……まさか」
オリオンは笑った。
その瞬間、ダーウィの手からカップが落ちた。
カラン、と音が響く。
ダーウィは胸を押さえた。
「オリオン……」
オリオンは静かに立ち上がった。
「もう気づいていたんですか」
「さすがですね」
ダーウィは苦しそうに言った。
「やはりお前が……」
オリオンはうなずく。
「ええ、皇帝を毒殺するように仕向けたのは僕です」
「そして今、あなたも」
ダーウィは椅子から崩れ落ちた。
オリオンは窓の外を見ながら言った。
「皇帝はただの餌です」
「先生、あなたは『パウンド家暗殺事件』を覚えていますか?」
「ああ、覚えている……」
「あの事件の犯人も先生の推理で捕まりました」
「もうお気づきでしょうがその犯人は僕の父親でした」
ダーウィは最後の力でつぶやいた。
「オリオン……すまなかった……」
ダーウィはそのまま動かなくなった。
オリオンは小さく息をついた。
「さようなら、先生。」
翌日
王妃を含む関係者たちは再び部屋に集められた
「昨日ダーウィ先生が毒殺されました」
「皇帝を殺した毒と同じものが使われました」
オリオンは落ち着いた様子で話した。
「犯人はあなたですカミラ王妃」
その時
ガタン。
窓が勢いよく開いた。
全員が振り向く。
そこに立っていたのはダーウィだった。
オリオンの顔が凍りつきとても慌てた様子で叫んだ。
「なぜ、生きているダーウィ」
ダーウィは静かに言った。
「私は最初から毒など飲んでいない」
「私の演技は見事だっただろう」
オリオンは慌てた表情のまま聞いた
「いつからだ、いつから気づいていた?」
ダーウィは静かに答えた。
「最初からだ」
「君が私の助手になるのが決まった時から」
警備兵がオリオンに手錠をかける。
オリオンは最後にダーウィを見つめた。
窓の外では雨が降り始めていた。
こうして皇帝毒殺事件の真犯人、オリオンは逮捕された。
ダーウィは静かに涙を拭きとり窓の外を見つめた。
そして名探偵ダーウィは、また新たな事件を探しに行くのだった




