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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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白雪姫、まだ7人の小人もしくはドワーフは動いていない

王妃、王がいなければただの人。チートを使わなくても追い込める。

桜「あそこにいる黒髪の美女は誰だろう?」


翼「周囲に7人の屈強なドワーフがいるから白雪姫だよ。」


紬「ドワーフは何で小人になったのかね?」


翼「待ってね、調べるから...はい、出ました。通常の英単語では小人、北欧神話ではゲームやアニメに出てくるドワーフ。」


桜「なるほど、そしてあそこにいるのはどう見ても斧で戦い鍛冶屋を営むドワーフだね。」


紬「白雪姫は何度か継母に襲われるんだよね?」


翼「wiki担当が調べます。えーとね、継母が何度も白雪姫を殺そうとしたんだよ。最初は彼女が7歳のとき。あの有名な鏡さんに尋ねたら世界で一番美しいのは白雪姫だと言われて嫉妬で激おこ。」


桜「7歳で世界一の美女とか,鏡もいい加減だな。」


翼「7歳のときは猟師に委ねて殺させようとしたけど、可哀想に思った猟師は殺さずに放置。」


紬「7歳の子を放置したら死んじゃうんじゃない?」


翼「そこで7人の小人もしくはドワーフが登場ですよ。」


桜「引き取って育てたの?」


翼「そうなんだけど、このとき7歳だよね。最終的に王子様のキスで目覚めるの,何歳か書いてない。」


紬「いろいろコンプライアンス的にヤバそうな。」


桜「ディズニー、よく手を出したな。」


翼「毒リンゴで殺される前に2回、継母自身が手を下してる。”鏡よ鏡よ鏡さん“のあとでムキーッとなって。」


桜「かりにも王妃なんだろ,自分で出向いて殺すのかよ!」


翼「最初は腰紐で締め上げて窒息死、次は毒を塗った櫛を頭に突き刺されて毒殺。」


紬「その2回は7人の小人に助けられて復活したのね?」


翼「窒息のときはすぐに7人の小人が帰ってきて紐を解いたから文字通り息を吹き返した。」


桜「毒櫛のときは?」


翼「やっぱり仕事から帰ってきた7人が櫛を引っこ抜いたら蘇生した。」


紬「毒の意味がなくなってる。」


翼「そしてついに最後、決定的な毒リンゴ殺人事件が起こるのです。」


桜「紐が放置の3年後、毒櫛が紐の3年後と考えれば、毒リンゴ事件は16歳ということになる。」


紬「コンプライアンス的にはアウトだけど、まあそこは童話なのでOKとなったのかも。ディズニーの白雪姫は、きっとアメリカの資本力で無理矢理20歳とかにしたんだよ。」


翼「3年に1度の“鏡よ鏡よ鏡さん”、どんなイベントなんだ?」


紬「三年周期不安神経症。」


桜「勝手に病気を作るのやめてもらっていい?」


紬「へーい。」


翼「とりあえずコンタクトを取ろう。グリムだからドイツ語だね?」


桜「誰もドイツ語ができない。」


翼「へへえ、実は私、紬と同じような理由でドイツ語を習いに行かされてる。うちの両親、クラシックファンでさあ、ドイツ語ができる娘がいると趣味がはかどるからと言って。」


桜「なんだ、おまえたち、勝手に先を行くなよ。よし、私もスペイン語かイタリア語を始めよう。これで互角になる。」


紬「誰と争ってるの?」


桜「まあいいや、そんじゃ翼、頼む。」



翼「ハロー、Guten Tag!」


白雪姫「Guten Tag. Wer seid ihr?(あなたたち誰?)」


翼「(以下ドイツ語略)君を助けるのです。(習っているからといっても単純なことしか言えない)」


白雪姫「助ける?何から?誰から?」


翼「君の母からです。リンゴは毒です。(途中をすっ飛ばして結論だけ言う)」


白雪姫「リンゴ?」


桜「おーい、継母が物売りに偽装してこっちに来るぞ。」


紬「ヤバい、毒殺婆の再来だ!」


白雪姫「何?何が起こってるの?」


翼「Deine Mutter kommt. Der Apfel ist Gift. Iss ihn nicht!(君の母が来る。リンゴは毒だ。食べるな!)」


 殺害対象の白雪姫の周囲に群がっているJKトリオを見て、継母の顔は不愉快そうに歪んだ。ドイツ語でなんか怒鳴りまくっている。翼には理解できるはずがない。ついに杖を振り回し始めた。


桜「翼!白雪姫の手を引いてここから離脱して!私と紬でこの婆を足止めするから。」


 桜と翼はリュックからタクティカルライトを出して身構えた。絶好のタイミングで照射しないとただの強い光なので効果が薄い。



桜「よし、今だ、照射!」



挿絵(By みてみん)



 1000ルーメンの強い光線が2本、継母の顔面を直撃した。一時的に視覚を奪われ継母はその場で転倒した。桜と紬は継母から毒リンゴの入った篭と杖を取り上げ、ダッシュでその場を離脱した。小屋が見えた。中に白雪姫と翼がいる。良かった。合流だ。


翼「もう大丈夫だよ。Du bist gerettet.」


白雪姫「どうしてあの人は私を殺しに来るのでしょう?」


翼「(言いたいことをドイツ語にできない.仕方がないのでシンプルに言う。)君が美しいからだ。(イヤだなー、このあと来るよね、“なぜ”って,一番面倒くさい質問。)」


白雪姫「美は罪なのですね。」


翼(もうドイツ語での説明を諦めて、翻訳アプリに文章を打ち込み出す。)


桜「これを読みなさい。」


 桜が白雪姫に突きつけたスマホには、高速スマホ入力スキルが断トツの桜が書いた説明とそのドイツ語翻訳が示されていた。


白雪姫「この魔法の小箱の文を読んで理解しました。私、どうしたら良いでしょう?」


**************************************


女神「今回も相変わらず勇猛果敢にして現代チート武器を使いこなしているな。」


青水「翡翠も白雪姫を救出したよな?」


翡翠「はい、私はずいぶんと複雑な方法で助けました。」


女神「あ、思い出したぞ。分身をふんだんに投入して、謎のお告げを継母に伝え、どこぞの王子と媚薬の魔法でくっつけた。」


青水「翡翠はこんな顔ですましているけれど、媚薬の魔法の常用者だ。他人の性欲を弄ぶ女だ。」


翡翠「やめてください。継母の美への執着は根本において性愛の王者になりたいという欲に基づいているのです。それゆえその欲にふさわしい相応の報いを与えただけです。」


青水「で、そのどこぞの王子って誰なんだ?」


翡翠「白雪姫の死体を引き取ってキスしたら白雪姫が目覚めたという男です。とんだ変態です。」


女神「確か継母と変態王子のラブラブ期間は5年だったな。それが過ぎるとお互いに正気に戻って罵り合う。」


翡翠「そうです。そしてその5年間で王子の国と継母の国は国力がガタ落ちし,それに対して白雪姫とドワーフが建国した白雪ドワーフ共和国の国力はうなぎ登り。継母王子王国は白雪ドワーフ共和国に助力を願う立場に落ちぶれたというのが調律の結果です。」


青水「国家レベルのえげつない介入だったな。」


女神「あの女子高生たちはどう解決するんだろう?」


**************************************


桜「さて、今は良いとして、白雪姫の将来が心配だ。」


翼「今気付いたんだけどさ、あの継母って王妃でしょ?つまり王様のお妃。王様は何してるの?」


紬「実の娘が3~4回殺されそうになってるのに黙って静観?ちょっとあり得ないんだけど。」


桜「確かに。これは白雪姫に確かめておこう。で、生きていても死んでいても、継母の立場は,法的にはアウトだな。」


翼「さすが、桜、法学部志望。」


桜「王妃に王権を代行する権利はないはず。なのに、実質的に国の運営を乗っ取っている。これは簒奪者だ。嫡子の殺害を委託および自ら実行。これは国家反逆罪だ。」


紬「まだあるよ。この時代、魔女は禁忌。異端審問官という怖いおじさんが出張ってきたら火刑はほぼ免れない。鏡の魔物を使役している点でもうアウトだよ。私、チクりに行くよ。」


翼「もし王様を幽閉してたらクーデター、もし王様が死んでたら、やっぱりクーデター。詰んでるね、あの継母。」


桜「荒事になる可能性を最小化するために、白雪姫に少し動いてもらおう。有力な親戚への書状を書いてもらって現状を訴える。それから、城の家臣に、簒奪者の側に付くか、正統な後継者の側に付くか、決断を促す。」


翼「こういうときの桜って、本当にリーダーだよね。良い社長になるよ、きっと。」


桜「最初はあの忌々しい“鏡さん”を盗み出す“キャッツアイ2026”作戦を考えていたけれど、あの継母の存在がそもそもアウトだって気付いた。」


紬「簒奪者にして魔女、そして子殺し。これはもうこの世界では命が5つあっても無理。」


桜「さっそく白雪姫と相談して一番スッキリする解決を目指そう。」



**************************************


女神「おい、さすが富裕層だな。相続問題へのアンテナが庶民には考えられないほど鋭い。」


翡翠「富裕層にとっては何よりも大事な問題ですからね。」


青水「あいつらが言うように、継母はもう最初から詰んでいる存在だな。異分子のJKたちがちょっと動いただけで火あぶり決定だ。白雪姫の父親に関係する有力貴族たちも黙ってはいないだろうし。」


翡翠「私の介入がバカみたいに思えてきました。」


青水「仕方がないよ、富裕層じゃないんだから。」


翡翠「青水さん、バーボンください。銘柄は何でも良いです。」


**************************************



翡翠さん、せっかく「白雪ドワーフ共和国」を作ったのに、なんだか負けたみたいになってて可哀想。バーボン飲みなさい。

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