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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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拠点(セーブハウス)ができたよ、お着替えもシャワーもこれで安心

部屋に家具を入れて拠点らしくなりました。直前に着替えられるのが地味に強い。

翼「秋葉に行く前にさ、この部屋、空っぽのままにしておけないよ。」


桜「と、いうと?」


翼「最低限、テーブルとクッション、それから収納ラック。」


紬「PCとプリンター。」


桜「ニトリとビックカメラが近くにあったはず。そこで揃えよう。」



挿絵(By みてみん)



翼「良し、これでハウスっぽくなった。」


紬「ラックに武器を並べるとテンションが上がる。」


桜「さあ、秋葉にGoだ。」


*************************************


女神「ふふふ、あいつらやる気に満ちてきた。」


翡翠「女神様、ホントに人を見る目がありますね。ふつうだったら理不尽な転移の試練に耐えかねて、文句を言ったり不貞腐れたりしそうなものなのに。」


青水「何と言っても神だからな、先の見通しは付くんだろ。株の売買をやらせたらあっという間に巨万の富だ。」


翡翠「やらないでくださいね。」


***************************************


桜「ふう、ずいぶん買い込んだね。お支払いは15万円を超えたよ。」


翼「すべて上位機種でそろえたからね。」


紬「催涙スプレーの棚に熊スプレーもあって笑っちまった。」


桜「催涙グレナードというヤバいものもつい買ってしまった。説明ポップに引かれて。」


翼「もし敵に追い詰められて逃げ場を失ったとき敵に投げつける。」


紬「自分も巻き込まれるというリスクは瞬時に感じたけど。」


桜「ゴグルを装着して投げないと。」


翼「宮下公園で練習しようか。」


紬「通報される。」


桜「転移の時刻が迫ってきた。女神に呼びかけるよ。………… 女神様!」


女神「どうした?何か頼みか?」


桜「はい。装備を揃えた結果、転移先にすべては持って行けないことが判明しました。なので、転移30分前にざっくりで良いので転移先の情報をください。それに合わせて装備も選びます。」


紬「スパイ大作戦でもそういうシステムでした。」


女神「わかった。転移先は18世紀前半のフランス。おまえたちの行動次第では北アメリカも視野に入る。転移は30分後。これで良いか?」


翼「もうひとつ。それは歴史ですか、物語ですか?」


女神「物語だ。では健闘を祈る。」



翼「18世紀前半、アメリカに行くかも ………… 検索エンジンをフル稼働で導き出した解は“マノン・レスコー”。PCなので作業が早くできた。小説とオペラがあるけど似たようなものかな。詳細は行ってからね。」


桜「ならば...スタンガンは不要、催涙スプレーを各自1本、キャンプセットは不要、金策屋台設営のためのターブは必要、食事はカロリーメイトゼリーで代用。」


紬「グレネードは?」


桜「持っていくならゴグルも必要だね。水泳用だけどまあいいか。」


紬「すぐ下ろせるようにこんな風に頭に装着したまま活動するのは?サイバーパンクっぽくてかっこよくない?」



挿絵(By みてみん)



桜「良いけど、おまえメガネはどうする?」


紬「こんなこともあろうかとツルをチェーンでつなげてきた。爺ちゃん婆ちゃんみたいに首にぶら下げる。」


翼「ここだと人目を気にしないで転移できるから良いね。百軒店、空気が淀んでいて嫌いだった。」


紬「あ、来るっ!」



桜「パリだ!パルマンティエさんやマリー=アントワネットさんのときと比べて、ちょっと田舎臭いかも。」


翼「50年以上も過去だからね。」


紬「そうか。ウルトラマンを助けに昭和の世界に行ったときぐらいの時代差か。」


桜「このままじゃ文無しで動きが取れないのでセーヌ河畔に屋台を開こう。ブレスレットが1フラン、ペンダントが2フラン。」



挿絵(By みてみん)



桜「場所が良かったのか、すぐ完売だ。」


翼「この時代にはない輝きだからね。」


紬「600リーヴルの資金ができたよ。」


翼「チャッピーくんに訊いたら、日本円で300~500万円ですと。」


桜「これだけあれば役人の買収もできるね。それじゃ作戦に移ろう。」


翼「では物語の概要を。小説とオペラじゃ違うんだけど、簡略版のオペラで説明するね。どうせ雑な女神だからこっちを採用すると思う。」


紬「あり得る、大いにあり得る。」


翼「元々男にだらしない――恋多きw――女だったマノンは、修道院で男断ちさせられることになったけど、兄に連れられたその旅路――護送だね――でデ・グリューという騎士に見初められ、夜にムフフなデートをする約束をします。」


紬「いろいろと悪意が籠もった解説だ。」


翼「その夜、マノンに目を付けていたジェロントという銀行家がマノンをさらおうと馬車を用意していましたが、デ・グリューが横からさらってパリへ逃げます。ヒーローっぽいムーブに見えますがそのエネルギーの出所は性欲です。」


紬「容赦ないな。」


翼「パリに逃れた2人を待ち受けていたのは貧困です。当然です。働かずに愛の――エロの――生活に耽溺していたからです。そんなときジェロントが札束をちらつかせてマノンを誘惑します。そんな@;:*`+――JKなので自粛します――は捨ててこっちへおいで、本物の満足をくれてやるぜ、と。」


紬「で、もちろんマノンはオヤジを選んだと。わかりやすいな。まあそうこなくっちゃオペラにならんか。」


翼「金はあるけど――こんなこと乙女が言っても良いのかしら?――あちらのほうが弱ってるおじさんに飽きてきたマノンはデ・グリューとよりを戻してアンアンします。」


紬「○欲と○欲のせめぎ合い。」


桜「おまえら、いい加減に漫才をやめて簡潔に進めろ!」


翼「ジェロントはこれに腹を立てて姦通罪でマノンを告発。マノンはフランス領だったアメリカのニューオリンズ――フランス領としてはヌーヴェル・オルレアン――に送られるのですが、デ・グリューも――エッチの相手がいなくなると困るので――船長に頼み込んで船に乗ります。荒れ果てた新大陸で、2人はさらにトラブルを起こして追放。最後はピューマに食べられてウンコになりましたとさ。」


紬「嘘こけ!こっちで調べたら、ふつうにデ・グリューの腕の中で野垂れ死にだったぞ。おまえ、そのぶち込みすぎの悪意は何なの?」


翼「ビッチ嫌悪。ビッチフォビア。」


桜「で、現在の状況は、うちらがパリにいるということは、1) デ・グリューと貧しい同棲時代、2)ジェロントの愛妾として贅沢生活、3)デ・グリューとよりを戻して告発直前、これらのうちどのフェーズにいるのかわからないと動きようがない。」


翼「そこは調査でしょう。われらが紬ちゃんが指でちょっとメガネを持ち上げて“あのー、ちょっとよろしいですか?”と聞き込み調査。」


紬「私のフランス語は初級なの!まだA1も取ってない。」


桜「アプリで質問のフランス語を書いて、相手の返答を録音して、あとで翻訳。散開して聞き取り調査。まず拠点とホテルを確保し、1時間ごとに戻って連絡。」


翼「質問はどんな?」


桜「そのジェロントは富裕層だからその動向を知る人間も多いはず。なのでできるだけ裕福そうな人に質問すると効率が良い。質問は、“最近ジェロント氏に新しい女ができたという噂は本当ですか?”とてもシンプル。」


紬「桜姐さん、冴えてるなあ。」



かつて翡翠さんが介入して救出したのは小説版のマノン・レスコーでしたが、JK旅団はどんな活躍を見せてくれるのでしょう?

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