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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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33/41

お金が手に入ったので、今度は条件緩和を要求したい女子高生たち

武装女子高生、確かに並べてみると心が熱くなりますね。

桜「ふう、転移して走り回るより疲れたかも。」


翼「現金を運ぶ仕事には就きたくない。」


紬「口座の残高が100万超えた。」


桜「前回は平和な世界で女子会トークだけの楽な転移だったけど、そういうのばかりじゃないので自衛のことも考えないといけないね。」


翼「今のところタクティカルライトと熊スプレー、あと大型チャッカマン。武器になりそうなのはそれだけ。」


紬「武器で検索すると出ないけど、防犯で検索すると武器として開発された商品が出てくる。」


桜「ほう、やってみよう。………… ホントだ。やばい。」


翼「スタンガン、催涙スプレー、特殊警棒、催涙ガスの手榴弾みたいなのもある。」


紬「本格的なスパイ大作戦モードですなあ。」


翼「でもこんな危険なものを家に持ち帰れない。」


桜「女神に頼むか。」


翼「え?」


桜「拠点だよ、セーフハウス。」


紬「なるほど!そこから転移すればそこに帰還するからまさしくセーフ。」


翼「うちらじゃ不動産を借りられそうもないから女神に借りてもらう。」


紬「ついでに家賃も払ってもらう。」


桜「いいねえ、合理的だ。だってこれ、女神の退屈しのぎにやってるんだから、そのくらいしてくれて当然だよ。」


翼「次の転移のときに要求しよう。女神ならその日のうちに用意してくれる。」


紬「秘密基地みたいでわくわくする。」


桜「ということで、転移前の放課後に秋葉原の防犯グッズ専門店へ行ってみよう。


紬「ふふ、武器防具屋。」



**************************************


女神「あいつら、勝手なことを...」


翡翠「でも女神様、アイテムボックスを持っている私と違って、装備その他をリュックで持ち運ぶ彼女たちにとっては切実だと思いますよ。」


青水「そうだな、安全確保のために武器携帯は不可欠。防衛や護身といっても結局は武力拡大に他ならない。受け入れるしかないのでは?」


女神「ふむ、武装女子高生か。そう言葉をつなげてみるとなんだか楽しくなってくるぞ。よし、受け入れることにしよう。」


***************************************


桜「今日は持ち帰れないから見てチェックするだけだよ。」


翼「気になるアイテムは写真を撮ってコメントを付けておこう。」



挿絵(By みてみん)



紬「おお、装備一式を買っても口座には大して響かない。」


桜「重量の威力のトレードオフが頭の痛いところね。」


翼「充電は転移先でも太陽さえあれば太陽光モバイルバッテリーでなんとでもなる。」


紬「特殊警棒以外にいろんな近接戦闘武器がある。十手とかサイとか。」


翼「メリケンパンチ、これはJKには扱えないわね。」


桜「近接戦闘は私たちには無理。生兵法は怪我のもと。」


紬「あ、スリンガーがある。これなら使えそう。」


桜「毎日3時間練習すればね。」


紬「パラライザーないかな?」


桜「いちおう銃刀法の枠内ギリギリで商売してるんだからそんなものあるはずない。」


紬「ちっ。」


翼「ねえ、見て。手裏剣があるよ。」


桜「オモチャのな。」



 金曜日になった。放課後、学校のバッグをコインロッカーに預け、前日に入れておいた転移用のリュックを取り出した。


桜「この面倒なコインロッカーの儀式も、拠点があればやらなくて済む。」


翼「そうだよ。拠点があればそこで転移用のジオラインメッシュのブラとパンツに着替えられる。」


紬「拠点があれば平日の放課後にひとりでだらだら過ごせる。」


桜「それはダメ。やるならひとりでキリキリと掃除しろ。」


翼「コンビニでお菓子を買って詰めたら百軒店だね。」


紬「あそこ、金曜日の昼下がりに行くと空気が淀んでいる。」


桜「後ろめたい人々の吐息かな。」


翼「気持ち悪いこと言わないでよ。息止めて歩いたら窒息死するよ。」



紬「あ、そろそろ来そう。」


桜「さて、次はどこだろう?」



挿絵(By みてみん)



翼「中世のヨーロッパかな、近世かな。」


紬「聞こえてくるモブの声はイタリア語。」


桜「あそこ見て。人がたくさんあの大きな建物に入って行くよ。」


翼「これはイベントの匂いが...」


紬「私たちも入ろう。」


桜「あらまあ!」


翼「どうした、お嬢?」


桜「ほら、法廷内の人たち、みんな英語を喋ってる。」


翼「わかった。フランダースのときと同じだ。モブは風景だから現地語。だけど作家は物語を英語で書いた。」


紬「つまり私たちは法廷内の人たちだけに注目してれば良いんだね。」


桜「ねえ、あそこの原告席のおじさん、なんかひとりだけ雰囲気違うよね?」


翼「うん、あきらかに別の人種っぽい。」


紬「あれ?あそこの判事席の人、かつらで変装してるけど女だよ、あれ。おっきなおっぱいが服を押し上げて主張してるもの。」


桜「くっそー、デカパイか。」


翼「それ言うと自分は貧乳ですって言ってるように聞こえるよ。まあたしかに貧乳だけど。」


桜「貴様!おまえだって自慢できるほどじゃないだろうが!」


紬「あーあー、醜い喧嘩はやめてね。みんな見てるから。日本語がわからなくてホントに良かった。」


桜「あ、今ピーンときた。この既視感。あいつシャイロックだよ。これから肉(Flesh)を100ポンド寄こせって言うぞ。」


翼「良く耳を澄ませてそれを言う瞬間を狙おう。」


桜「何するんだ?」


翼「裁判官の台詞を先取りして法廷を笑いと怒号の嵐にして離脱する。」


紬「つまり...”Only flesh, No blood!” これをシュプレヒコールする。」


桜「それ最高だな。女神にも大ウケで、うちらの要求も通りやすくなるぞ。」


翼「よーし、ヒアリング力を最大限に展開!聞き漏らすなよ!」


シャイロック「pound of flesh....」


桜「今だっ! Only Flesh, No blood! Only Flesh, No Blood! Only Flesh, No Blood!」



挿絵(By みてみん)



 傍聴席はどよめき、やがて拍手や笑い、そして同調してコールする声が轟いた。一方、裁判官席に座る巨乳の女は鬼の形相で3人を睨んでいる。


桜「良し、離脱だ!捕まるなよ!」


翼「合点承知!」


紬「推して参る!」


 全速力で逃げる3人の姿は半透明になり、紬の幼い「イヤ~ン!」の声とともに消えてしまった。


ポーシャが必死で考えて男装までしたのに、JK旅団はすべてぶち壊し。でも、とりあえずあれで被告人は助かったでしょう。

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