猫騎士くん、計画が穴だらけだよ
いよいろ長靴猫くんの計画が始まりますが
猫「上手くいった。礼を言う。」
桜「次は領民を共犯者にして王様を欺すんだっけ?」
猫「え?何で?心が読めるのか?」
翼「異世界から来たからねー。」
猫「ここから先はオーガの領土...というか支配地。王国の役人はそのことを知りつつ王家には報告していない。報告して討伐ということになれば犠牲者が出るからな。」
紬「で、猫くんが代わりに討伐して、この土地を三男のものにしようとしてるんでしょ。ちょっとその計画には無理があるんじゃないの?」
猫「いや、策はある。まあ見てるが良い。それより、あの森を抜けるとオーガの支配地になるのだが、そこで働いている農民たちに、もし誰かに問われたらカラバ侯爵の土地だと答えるように説得してくれ。」
紬「無理。私のフランス語聞いたでしょ?そんな高度な交渉なんか絶対無理。」
桜「また沈黙して文字で布告作戦で行くしかないよ。猫くん、それらしく立派なプラカードないかな?それにもっともらしい文章を書いて私たちが掲げて練り歩くから。」
猫「おお、それならすぐに準備できる。待っておれ。」
紬「メイドから役人の手下にジョブチェンジ。」
翼「次のミッション、星の蓄光髪飾りを着けて行かない?なんかすごい権威付けになりそう。」
桜「頭にキラキラをまとった見慣れぬ制服の乙女たち、うん、すごい権威に見える。」
猫「メドモワゼル、できたぞ。“この土地は悪しきオーガを討伐したカラバ侯爵の領地である。もし誰かに尋ねられたらその旨をはっきりと伝えるように。これから先、オーガが領民に危害を加えることは二度とないことを約束する。カラバ侯爵の第1騎士シャノワール。”」
桜「まあ確かに第1騎士だわね。他にいないから。」
翼「髪飾り、着けたわね?それじゃ行きましょう。」
猫「私はまた王に会いにゆく。我が主の領地をご覧に入れたいと言って連れてくるので、馬車が来たら急いで撤収するように。工作がバレたらすべて水の泡だ。」
桜&翼&紬「了解でーす!」
2時間後に豪華な馬車が近づいて来たのを見て、JK旅団は風のようにその場から姿を消した。森の木陰から見ていると、王の廷臣が農民たちに近づいて何やら聞いているようだ。かすかに“カラバ”という音が聞こえる。計画は成功した。それから1時間後に猫は戻ってきて、JK旅団に告げた。
猫「仕込みは成功した。次はオーガ討伐という荒事が待っている。メドモワゼルはここで吉報を待て。」
桜「いやいや、あんたの策、知ってるから。それ穴だらけで成功しそうにないから。」
猫「何だと!」
翼「こういう流れでしょ?“オーガさん、あなたは物理だけじゃなくて魔法にも通じていて、何にでも姿を変えられますよね?でも、まさか小さいネズミになるのは無理でしょ?”と煽る。」
紬「するとオーガは単純なので“そんなの朝飯前だ”と言ってネズミに変身し、猫さんがそれを食べてしまう...って、そんなん簡単に事が運ぶかーい!」
桜「そもそも変身したからといって中身はオーガなんだよ。食べられるの?」
紬「変身といっても認知操作の可能性が高い。」
翼「ニャンコが襲いかかろうとした瞬間にオーガに戻って逆襲、哀れな猫騎士は肉塊になって最後を迎えた。」
紬「詰んだよ、猫くん、君の穴だらけ計画は失敗だ。無駄に命を落とすな。」
猫「くっ、このままでは主に会わせる顔がない。この上は差し違えても...」
紬「はい、お約束の玉砕ムーブ。一番やっちゃダメなやつ。」
桜「かないそうもない相手にはより強い存在をぶつける、これ古来より兵法の基礎である。」
猫「強い存在?」
翼「困ったときの神頼みって言うじゃん。ニャンコは神を信じないのか?」
猫「ううむ、騎士として信じていると言いたいのはやまやまだがしょせんは獣だからな、神に祈る習慣はない。」
桜「うちらも祈りはしないけれど、頼み込むことはできるよ。神って言っても女神だけど。」
翼「そうそう、あの女神さん、面白いと思えば何でもしてくれるから話してみる価値はあると思うんだ。」
猫「そうなのか?そんな都合が良……(ペチン!紬の平手打ち)」
紬「言葉を慎め、猫くん!神に向かってその言いようはないだろう。私たちは女神の聖騎士団だ。無礼が過ぎると斬るぞ!」
翼「スイスのマルチカッターでその髭を、なんならその爪も。」
猫「済まなかった。お許しあれ。」
桜「それではそこでおとなしく見ていなさい。私たちが女神に訴えてみます。………… ねえ、女神さーん、見てるんでしょ?うちらこのままだと詰みなんだけど、何とかならない?」
女神「え、このゲーム、そういうルールじゃなかったんだけど………… ちょっと待ってて、こっちで話し合うから。」
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女神「あいつら、こっちに頼み事をしてきたぞ。どうすれば良い?」
青水「このままだとどうにも収まりが付かなくて、読者にお詫びという最低の成り行きになるから何とかしてやれよ。」
翡翠「私が出張ってオーガを切り伏せましょうか?」
女神「いや、おまえがヒーローで幕引きはないわ。美味しいところを横取りしようとするな。」
翡翠「じゃあこの異世界から適当な人材を送るっていうのは?私のタイムトラベルのときは良くやってたじゃないですか。」
女神「そう言えばそうだったな。よし、困ったときのサキュバスだ。エラに頼もう。ちょっと行ってくる。」
女神「あら、ちょうど良かった。2人揃ってるのね。」
エラ「女神がそんな顔するときって、どうせちょっと行って吸ってきてってやつでしょ?」
メロ「うちは大歓迎だよ。お店じゃ大量吸引は禁止だから、たまにゲップが出るほど精気を吸いたい。」
女神「じゃあ決まりね。オーガの精気を吸い尽くして長靴を履いた猫さんを助けてあげて。」
メロ「猫さんカワイイ!OK,OK!行ってきまーす!」
エラ「うふふ、待っててね。」
女神「手配してきたわよ。」
翡翠「これで安心ですね。」
青水「読者もホッとしている。」
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桜「援軍が間もなく到着するそうです。」
メロ「やっほー、メロだよ!」
エラ「うふふふ、エラです。よろしくね。」
猫「あ……はい、どうかよろしく。討伐には微力ながら私もお供させていただきます。」
紬「うちらも付いていく。オーガなんてなかなか見る機会がない。」
メロ「キャハハハ!巨体だからいくらでも出てくる!」
エラ「でも大味であまり美味しくない。」
サキュバスの容赦ない吸精攻撃でオーガの身体はどんどん縮み、猫騎士と同じくらいになった。
猫「ふっふふ、覚悟はできているだろうな!」
猫騎士がレイピアを突き刺そうとした瞬間、桜が後ろから羽交い締めにして制した。
桜「はい、そこまで。殺生はNGです。子どもが読む物語なんだから。」
翼「NHKもディズニーも許さないよ。」
紬「小さくなったので、遠くで一からやりなおすってことで手打ちにしよう。」
猫「わかった。オーガよ、聖騎士団のおかげで助かったな。もうこの村には来るなよ。出禁だ。」
桜「ちょっとチートに頼っちゃったかな。」
翼「これでまた降格になっても別に何のダメージもないし。」
紬「むしろ攻略が楽になってラッキーかも。」
桜「てなこと言ってたら、なんだか来そう。」
翼「紬、わかってるな。お子様が読む物語のラストなんだからエロ台詞は禁止だぞ。」
紬「うぃーっす。」
過去作から女神のコネで援軍を呼び出すなんて.....最高ですな!




