JK旅団がメイドになる日、お嬢様はお辞儀がきれい
喋った!猫が喋った!キャットトークはもういらない。
猫「ふう、これでやっとふつうに喋れる。」
桜「あのー、猫さん、さっき食べてた植物は?」
猫「あれか?あれは特猫草だ。猫草の最高位、超レアの一品。」
翼「特猫草を食べると喋れるようになるの?」
猫「私はな。ふつうの猫はただお通じが良くなって超元気になるだけだ。」
紬「これからご主人に長靴を所望するの?」
猫「いや、長靴だけもらってもしょうがないだろ。頓馬な見世物になってしまう。必要なのは、帽子、トップスとアンダー、マント、レイピア、そして長靴、すなわち爽やか騎士装備一式だ。」
桜「お値段が高そうな装備一式ですね。」
猫「それが心配の種だ。あのご主人、たぶん金は持っていない。困ってる。おまえたち、ついでに金をくれないか?」
紬「任せなさい!私たちJKブリガードが貴殿の装備を調えて進ぜよう。」
猫「おお、頼もしい。よろしく頼むぞ。ことが上手くいった暁にはその厚意に必ずや報いよう。」
翼「紬、あんた大見得を切ったけど大丈夫なの?」
紬「ふん、うちらにはキラキラ異世界ファンシーグッズがある。」
翼「でもこの村にお金持ってそうな人はいないと思うよ。」
紬「むむう、確かに。」
桜「ねえ猫さん、この近所にお金を持ってる人が住んでる町とかない?」
猫「あるぞ。1時間歩けば領主の居城がある城下町だ。そこには商人や貴族が住んでいる。」
桜「ではそこへ行って金策をしましょう。」
猫「金策を終えたら、町には商店が揃っているから爽やか騎士装備一式が手に入る。」
こうして3人と1匹は鼻歌を歌いながら城下町まで歩き、無事にファンシーグッズでの金策を終えたのだった。
桜「お金ができたわ。お店に行きましょう。」
猫「うむ、それは良いのだが、短い足でここまで歩いたから少し疲れた。抱っこしてくれないか?」
翼「良いわよ.私、ニャンコ大好きだから。」
猫「ニャンコ?」
翼「あ、気にしないで.うちらの世界の愛称だから。」
桜「揃ったわよ、爽やか騎士装備一式。」
翼「羽根帽子、服上下、マント、レイピア、そして長靴。もう装備する?」
猫「いや、装備すると外見がかなり変わるので、主の前で装備することにしよう。別人....ではなくて別猫だと思われると困るからな。」
猫「主殿、ただいま戻りました。」
三男「え?猫が喋った?」
猫「はい、喋れないとお仕えすることができませんので、この3人の強力で喋れるようになりました。」
三男「あ、そうなの?いやあ、困ったなあ。猫を相続しても餌代がかかるだけで邪魔だから、皮を剥いで手袋を作ろうかと思っていたんだけど、喋る相手の皮を剥くのはちょっとなあ。」
翼「ちょっと、あなた!それ、立派な動物虐待だからね。」
桜「刑法で裁かれるし、ニュースで取り上げられて社会的に死ぬよ。」
紬「Tu serais arrêté au Japon!」
三男「ジャポン?何です、それ?シャボンの新種ですか?」
猫「思いとどまってください。手袋以上に役に立ってみせましょう。メドモアゼル、装備をこちらに。」
町で買い求めた爽やか騎士装備一式を身に付けた猫は身長1メートルほどの小人剣士に姿を変えた。
紬「出た、化け猫モード!」
猫「メドモワゼル、私はこれから仕込みに入ります。ご協力いただけるか?」
紬「もちろんだとも、猫くん。」
翼「ニャンコのために一肌も二肌も脱ぎましょう。」
紬「パンツとブラは残せよ。」
桜「で、手始めにどうするんだっけ?」
猫「まず国王へ顔見せです。顔を知ってもらわないと、この後が続きません。申し訳ないが、メドモワゼルは私のメイドという設定で付いてきてもらえるか?」
紬「いいよ。ガーターベルトにナイフを仕込みたいところだけど、残念ながらガーターベルトもナイフも持っていない。」
桜「その設定は何を参照したんだ?」
翼「いろいろお役立ちグッズは隠し持っているから頼りにしてね。」
3人と1匹は森へやって来た。
猫「ここで狩りをするので、この虫の死骸をそこらへんに撒いてくれ。撒き餌だ。鳥がついばみに来たら私が仕留める。」
紬「う...虫の死骸...」
翼「世の中、きれいな仕事ばかりじゃないのよ。貸しな、私がやる。」
猫は見事な野鳩を三羽仕留めた。
桜「これ、どうするの?」
猫「王様に献上するのさ。あ、そうだ、メイドくんたち、宮廷での最低の作法として王様にちゃんとお辞儀はできるだろうな。」
翼「日本人を何だと思ってるの?世界で一番頭が低い民族だよ。」
紬「そーだそーだ、会社に入ったら45度の礼と90度の礼を叩き込まれる社会らしいぞ、知らんけど。」
王に献上する野鳩を持った3人と1匹は王城へやって来て、門番に用件を告げた。
猫「カラバ侯爵が狩りの獲物を王様に献上したいとのことなので参上つかまつりました。」
知らない名前だが、侯爵の遣いを無下に追い返すわけにもいかず、門番は猫とメイドたちを王の間に通した。
猫「私、カラバ侯爵に仕える騎士のシャノワールと申す者、王様にあらせられましてはご機嫌うるわしゅう。」
王「騎士殿もメイドたちもなかなかユニークな出で立ちであるな。メイドたちが背負っている袋、今まで目にしたことがない色をしている。どこで手に入れたのじゃ?」
猫「恐れながら陛下、この者たちは異国の娘なので言葉が話せません。どうかご無礼をお許しください。」
王「そうであったか。その色合いは異国の産物なのか。目を楽しませてもらった。見事な野鳩とともに余は大いに満足したぞ。」
猫「我々はこれにてお暇させていただきますが、またいつの日かお目通りが叶う日を楽しみにしております。」
猫は優雅なレヴェレンスを決め、JKトリオは三越デパートの店員のように90度のお辞儀をして王のもとを辞した。
緊張の王への謁見を済ませた3人と1匹は次に何をするのでしょう?




