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転移しまくるJKトリオ――港区の実家は太い  作者: 青い水


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水車小屋には猫がいる、そして猫はネズミに絶対に負けない

いつもながらイベントは女神が雑に配置しているのですぐに見つかります。

紬「Bonjour à tous!」


村人「Bonjour, les étrangeres!(異邦人の娘さんたち、こんにちは!)」


桜「“水車小屋の前に集まって、何をなさってるの?”」


村人「粉屋の大将が死んだんだよ。葬式を出さなきゃならない。」


桜「“それはご愁傷様。”」



 棺桶を積んだ荷車がやって来た。村人たちは粉屋の遺体を棺桶に詰め、教会墓場へ運んでいった。喪服を着た3人の息子たちもそれに続いた。



桜「これがイベントかな?」


翼「これ見よがしに私たちの目の前で発生したからたぶんそうなんじゃない?」


紬「粉屋は村でけっこう偉い。」


桜「そうなの?」


紬「粉にしないと麦はそのままでは出荷できない。粉に加工する施設を独占的に所有してるから強い。」


桜「…………」


翼「桜、考え込んじゃって、どうした?」


桜「何か似たような仕組みで加工を独占するビジネスが可能かどうか考えてた。」


翼「出た、CEOムーブ!」


紬「とりあえず村を見て回ろうか。見ればこの村が実在した過去の村か物語の村か何となくわかると思う。」


桜「確かにそれは重要だね。物語に介入するのか歴史に介入するのかでこちらのスタンスも変わってくる。」


翼「宿屋と居酒屋があったら物語。」


紬「それはゲームだろ。」


桜「あ、教会の鐘が鳴っている。きっと棺がお墓に収められたんだ。」


翼「行ってみよう。」



 教会の墓地では村人たちが棺の収められた墓の周りを囲んでいた。泣いている女もいる。村人たちが棺に土をかけて埋めている間に神父が祈りを捧げている。一連の作業が終わると、神父に促されて村人たちは教会の建物に入っていった。JKトリオもそれに続いた。神父はいったんその場からはなれ、何やら黒い箱を持って再び現れた。


紬「桜、何か発表しそうだから、アプリを音声モードにして準備して。」


神父「粉屋のアルベール・ミュリエは天に召されました。彼は私に遺書を託していました。この箱に収められた文書がその遺書です。内容を村人の皆さんと共有したいので読み上げます。“私アルベール・ミュリエには3人の息子がおります。私の死後、水車小屋は長男へ、ロバは次男へ、そして三男には私がかわいがっている猫を遺贈します。」


桜「あ、わかっちゃった。これ、何度もアニメになった“長靴を履いた猫”じゃん。」


翼「長靴履かせて大逆転。」


紬「絵を見ると長靴だけじゃないんだけどね。」


桜「サイズもでかくなってた。」


翼「化け猫変身セット。」


紬「粉屋に猫はペットじゃなくて実用的家畜だったんだよ。粉を狙ってネズミが大発生するから、対ネズミ用殲滅兵器。」


桜「なるほど、愛玩ペットと思いきや、父親にとって忠勇なる兵士。」


翼「なので二代目にも身を挺して奉仕しようとする騎士物語。」


桜&翼&紬「熱い!」



桜「そろそろ夕方が近づいてきたからキャンプの準備をしよう。」


翼「遠足気分でフリーズドライ!」


紬「物語の世界と決まったのでストーリーに関係ない野獣は出ないね。」


桜「ネズミは別だけど、森にネズミは出ない。」


翼「キャットフード持ってくれば良かったな。せめてチュール。」


紬「ずっと考えてきたんだけど、猫はネズミを狩るよね。狩った獲物は食べないの?」


桜「う、食事中にグロい絵面の話題を出さないでよ。」


翼「現代の猫はペットとして仕上がってるから食べないけど、原始の猫は食物連鎖の一環として栄養源としていたんじゃない。」


紬「粉屋の猫は?」


桜「わかんない。人語を解するなら訊いてみよう。」



 翌朝、お花を摘んでから小川でジオラインメッシュのブラとパンツを速攻で洗濯&乾燥したあとで、3人は水車小屋へ行った。



桜&翼&紬「ボンジュール!」



挿絵(By みてみん)



三男「“おや、葬式に来てたエトランジェール、ボンジュール!”」


紬「Chat mignon! Puis je le prendre dans mes bras ?(かわいい猫ちゃん!抱っこしても良い?)」


桜「ブラがどうしたって?初対面の男性にブラの話振るなよ。」


紬「ブラはフランス語で腕の意味だよ。」


桜「で、その猫...人語は解するのか?」


紬「この子、フランス語も日本語も喋らないよ。」



挿絵(By みてみん)



翼「あ、そういえば……(スマホ操作中)……あったキャットトーク、猫語翻訳アプリ!」


桜「そんなものまであるのか。スマホってドラえもんみたいに次々に謎のアプリを出すな。」


翼「会話してる雰囲気を味わうアプリだけどね。」


紬「何かして欲しいことある?」


猫「タノミガアル。」


紬&翼&桜「……え?……」


猫「ツイテコイ。」


 黒猫は紬の腕から飛び降りるとスタスタと歩き、そして止まって振り返って3人を見た。付いて来いと促すように。3人は促されるまま猫のあとを付いて歩いて森に入った。数分歩くと小さな洞窟があった。黒猫は首で洞窟に入れと促している。3人は顔を見合わせたが、意を決してタクティカルライトと熊スプレーを構えて洞窟の中を進んだ。



翼「ダンジョンだよね?モンスター出ないよね?」


桜「ジャンルが違うから出ないんじゃ?」


紬「出ました。ドラクエでお馴染みの大ネズミ。」


翼「うわっ!でかっ!ドラクエで出会ったときはレベル1用の最弱だったのに。」



 3人はジリッジリッと後ずさりしつつ離脱のチャンスをうかがった。するとそのとき、フーッという鋭い気音を発して黒猫が大ネズミに飛びかかり、数秒の格闘の後に倒してしまった。


桜「え?強いの?」


翼「猫とネズミとはいえ、サイズ差が....」



 黒猫は倒した大ネズミの死体にはかまわず、首で3人にもっと奥だと指示した。3人がたどり着いた先にみすぼらしい花を付けた植物があった。黒猫はその植物に駆けより、掘り出そうとしてうまくいかず、3人を見て助けを求めているようだった。翼はスマホのアプリで尋ねてみた。



猫「ココホレ!」



 3人は言われるまま、お花摘み用のスコップで植物を根っこごと掘り出した。すると黒猫はその植物に駆けより、クンクンしたあとガツガツと根っこを食べ始めた。


あの有名な猫ちゃんの物語でしたが、何だか原作と雰囲気が違いますね。どうなるのでしょう?

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