JS旅団、昭和の日本でまずは金策、いやその前に電車賃がない
同じ日本、それも20世紀後半の日本なら楽勝だと思ったら...
桜「とりあえず正確な年代を調べないと。」
翼「文無しだから新聞も買えない。」
紬「こういうときはモブに訊くのが一番。…… あ、すみません。」
女「何でしょう?」
紬「今年は昭和何年ですか。外国帰りなのでちょっとわかんなくて。」
女「昭和42年よ。」
紬「ありがとうございます。」
桜「さすがアッシュグレーの髪色を持つ女、帰国子女ムーブで押し切った。」
翼「けっこうみんなにじろじろ見られてる。」
桜「ちょっと人が少ない場所に行ってスマホを出そう。」
翼「確かに。見られると謎のスパイ道具みたいだ。」
桜「ここなら大丈夫だろう。」
翼「昭和42年は1967年、何があったかな?」
紬「海外の出来事は排除すると....リカちゃん人形発売。」
桜「イベントになりにくい。」
翼「深夜放送のオールナイトニッポンが放送開始。」
桜「聞いたことない。」
翼「今でもやってるよ。」
紬「ミニスカートがブームに。」
桜「介入のしようがない。」
紬「結局わかんなかった。」
翼「ねえ、この東京、現実味が感じられないんだけど。」
桜「私たち、昭和の東京を知らないから、現実味と言われてもね。」
紬「ともかく文無し状態を解消しよう。パリで稼いだエキュ、たぶん換金できるよ。」
翼「そうか、海外コイン...古銭...買取...あった。銀座に老舗の店がある。この時代にはもう存在してた。」
桜「そうと決まれば銀座にゴーだ。」
紬「ここはどこなんだろう?」
翼「東京なんだから歩き回ってればどこかの駅が見つかるよ。」
桜「見つからなかったら、モブに駅どこですかと訊く。」
紬「ちょっと待って。文無しだとチケット買えない。」
桜「うわ、詰んだ!」
翼「まだ諦めるな。かわいい女子校生3人なら奥の手がある。」
桜「何だ?パパ活はイヤだよ。」
翼「ヒッチハイクだ。」
紬「おお、アメリカンなやつですね。未経験だから楽しみ。」
ドライバー「銀座に行きたいのか?俺もそっち方向に行くので乗せてってやるよ。」
桜&翼&紬「ありがとうございます。」
ドライバー「お嬢ちゃんたち、なんか独特だねえ。そういうの流行ってるのかい?」
桜「良くわかりませんけど、自分達の好きな格好をしてるだけです。」
ドライバー「ほら、一丁目に着いたぜ。」
JKトリオ「ありがとうございましたー!」
翼「えーとね、2丁目にあるよ、泰星スタンプ・コイン。創立昭和42年だからできたてほやほやだ。」
桜「良し、では突撃しよう。」
店主「いらっしゃいませ。」
桜「ヨーロッパのコインなんですけど鑑定して買い取っていただけますか?」
店主「大歓迎だよ。うちは今年開店したばかりだからね、商品を充実させたい。」
桜「これなんですけど。」
店主「お、銀貨か。革命前のエキュだね。状態がすごく良い。まるで昨日まで流通していたようだ。」
翼「はい...(その通りです、流通してました)。」
店主「エキュはね、流通量が多かったから日本にもけっこうあるんだが、ここまで状態が良いものは珍しい。これ、どこで入手したの?」
桜「ひいおじいさんの遺産分けでもらいました。」
店主「通人だったんだね、その曾お爺さん。………… 良し、6万円で買い取ろう。それで良いかな?」
桜「はい、大満足です。」
店主「万札6枚だと使いにくいだろうから、万札5枚と千円札10枚にしてあげよう。」
桜「お気遣いありがとうございます。」
店主「日本もオリンピックまでして立派な国になったもんだよ。こういう趣味にお金を使う人も増えてきたと思ってこの商売を立ち上げたんだ。」
紬「趣味は大事です。」
店主「お嬢ちゃんたちの趣味って何なんだい?」
紬「ファン活動です。」
店主「ほう、最近はテレビも普及してかっこいい歌手も増えたから、お嬢ちゃんたちのようなファンもたくさんいるんだろうね。誰のファン?」
紬「え、えーと、洋楽でして...」
店主「洋楽か、賢そうな趣味だ。誰のファンなの?」
紬「えーと...そうですねえ...ビートルズとか。」
店主「ビートルズか、俺も好きだ。イエスタデイとか、ミッシェルとか。」
紬「良いですよねえ...ビートルズ...」
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女神「あいつら、嘘が上手くなってきたな。」
青水「昭和とはいえ日本語環境だから適応が早いんだろ。」
翡翠「高度経済成長の日本、何だかうらやましい。みんな余裕があるせいかとても優しいし。」
青水「うん、男性が女性に優しく接する文化が育ってきたころなんだろうな。それに、令和の女子高生は、当時の女子高生よりも礼儀正しいしハキハキしている。」
翡翠「そうなんですか?倫理的に進化してるんですか?社会というものはだいたい退廃へ向かうのが定説なのに。」
青水「とくにあいつらは、だよ。昭和のご令嬢はもっとツンツンしていたし、パンピーはがさつだった。」
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桜「さて、軍資金もできたし、ランチに行こう。昭和の東京なら衛生状態も良いはずなので腹を壊す心配もない。」
翼「この時代の贅沢は...三越デパートの食堂らしい。」
紬「資本を投下できるのはホテルかデパート、ホテルは正式なフレンチに限定されるので、デパートが最適解だね。」
桜「うわ、デパートの食堂っていうからフードコートみたいなものを想像してたけど、白いテーブルクロスに蝶ネクタイのウェイター。」
翼「そしてガラスケースの中に並ぶ料理サンプル、すごく力が入ってる。」
紬「すべてがデラックスだけど、ステーキ以外はすべて1000円未満、せいぜい500円。」
桜「私、オムライスとフルーツパフェ。」
翼「私は広東風五目焼きそばと杏仁豆腐。」
紬「私は鰻重行っちゃうよ。デザートはプリンアラモード。」
桜「洋食、中華、和食、なんでもあるスーパー食堂だ。軽く払えるけど、ちょっと待ってね....全部で5000円弱。」
桜「ふう、美味しかった。贅沢の味がした。」
紬「次はどこへ行こう?」
翼「イベントが何かわからないと動きにくいね。」
桜「あれ?あの車。」
翼「何、あれ?普通乗用車にSFっぽいカラーリング。」
紬「この時代の痛車なのかな?」
昔の映画とか観ると、日本語の喋り方が全然違いますよね。JKトリオ、違和感なく溶け込めるのか。




