32.ノルヴァーン城
シェインとギンは地下牢からの脱獄に成功し、
地上へと向かっていた。
シェイン
「俺の予想が正しければ…!」
そこは城の1階だった。
ギン
「シェイン、お前すげーな…!
こんな方法で中に入っちまうなんてな」
シェイン「まあな。ガランティアの城も地下牢があったから、
ここももしかして…?ってな!」
ギン
「だけどよ、この兵の数じゃ身動きとれねーぜ?」
シェイン
「うーん…。一度下に戻って奴らの鎧借りるか。
で、奴らを牢にぶち込んでおこう」
そうして、帝国兵になりきったシェインとギンは、
二手に分かれ、帝国兵の仕事についた。
上級帝国兵
「おい!そこのお前!止まれ!
……IDは?」
帝国兵
「IDでありますか!?
まだ覚えられておりません!」
上級帝国兵
「なんだ…新人か…。
IDと言われたら手の甲を見せろと言われたろ…?
次は失敗すんじゃねぇぞ。ほらいけ!」
新米帝国兵
「はっ!失礼します!」
上級帝国兵
「おい、お前もこっちへ来い。
なんだ?その背中の大剣は!」
シェイン
「こ、これは先程捕まえた捕虜のものです!」
上級帝国兵
「そりゃラッキーだったな。
だがあまり持ち出すんじゃねーぞ?」
シェイン
「はっ!気をつけます!」
(え…?いいのか?)
それだけ言い残し、上級帝国兵は去っていった。
「あ、アブねぇ…。
ギンのヤローは大丈夫なのか…?」
ギンはどこか見覚えのある騎士に詰められていた。
深紅の長い髪に鋭い眼光…ローズだ。
ローズ
「おい!質問に答えろ!
バカなのか!?」
ギン
「いや、だってその…これは拾ったもので…」
ローズ
「そんなものが城内に落ちているわけがなかろう!」
シェイン
(これじゃあ埒が明かねぇな)
シェインは帝国正式装備の兜を被り、ローズに近づいていった。
シェイン
「どうかされましたでしょうか!?」
ローズ
「誰だ!貴様は!
私の尋問中に割って入るなど言語道断だ!!
……ってなんだ新米か。
すまないな、言い過ぎた。
次からは気をつけろ」
シェイン
「はっ!ありがとうございます!
そちらの者も私と近い立場にございまして!
見逃しては頂けないでしょうか!?
その武器は先ほど捕まえた捕虜から奪ったものなのです!」
ローズ
「捕虜から奪っただぁ!?
ならなぜそれを早く言わぬのだ!
無駄な体力を使わせよって!
質問には端的に答えろ!いいな!?」
ギン
「はっ!以後気をつけます!」
ローズ
「行けっ!!」
「「はっ!失礼します!」」
2人は誰もいない空いている部屋にとりあえず身を隠した。
ギン
「はぁぁぁー……!危なかったぁぁー…!
マジで助かったぜ、シェイン」
シェイン
「てめぇ!何やってんだよ!
サラッとやり過ごせよ!
しかもだ!よりによってあんなヤツに絡まれやがって!」
ギン
「悪かったって!次からのやり方はもうわかったから!
にしても…。捕虜の武器は使っていいのかよ」
シェイン
「そうみたいだ……な、って…なんか騒がしくねぇか?」
ギン
「もしかしてもう奇襲が始まったのか?」
シェイン
「見てぇのは山々だが、今の俺らは帝国兵だからな」
ギン
「少し様子見といくか」
部屋の外はどんどん騒がしくなり、
戦っていることがわかるほど大きな声と物音がしだした。
ついに帝国とアークスの戦争が始まった。
そして、城での戦闘があるという事は、
アークス側の優勢を意味していた。
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