1.終わりの始まり
「こんなとこ、いつまでもいてられっかよ!」
少年は修行地の石造りの門を飛び出した。
目の前に広がる世界は、未知と可能性に満ちている。
背中に背負った大きな剣は、見た目に似つかわぬほど大きなものだ。
だが一振りで、目の前の小石を正確に両断できるほど、
切れ味は鋭く、彼の剣筋も相当なものだと見てわかる。
「お、おい…!シェイン!どこにいく!?」
守衛の目が見開いた。驚きと恐怖が入り混じる。
「ちょっとそこまで!」
シェインは振り返らず、その地を後にした。
まだ剣も魔法も師匠に認められたわけではなかったが、
"もう十分にやれる"そう確信して飛び出したのだ。
途中、小さな川を渡る。石橋などない場所でも、
流れを読み、飛び石を軽やかに踏み越す。
動作の端々に、常人では考えつかない計算と感覚の鋭さが滲む。
森に入ると、遠くから動物の気配がする。
一歩踏み出すごとに、葉のざわめきや風の匂いから生き物の位置を察知する。
「小さな世界で鍛えた感覚が、こんな場所でも役立つとはな」
思わず笑みが零れる。
夕暮れ、最初の宿場町に辿り着いた。
街道沿いの小さな酒場で、旅人たちが話す噂を耳にする。
旅人たち
「森の北に魔物が出たらしいぞ」
「若い冒険者が挑んだが、全滅したとか」
「かなりの巨獣らしいな」
「ふーん。その話詳しく聞かせろよ」
シェインは、旅人たちが囲んでいたテーブルに足をかけ、
挑発的に言った。
旅人たち
「なんだてめえ!ガキじゃねぇか!」
「なんだその足!降ろしやがれ!ケンカ売ってんのか!?」
「大人の怖さってやつを思い知らせてやろうか…」
旅人たちは武器を取り、完全にやる気だ。
シェインはその大きな剣を握る……ことなく、
正確な打撃と、その地域では見かけない"独特の体術"で
襲ってきた旅人たちを一瞬でねじ伏せた。
「なんだよ。口だけかよ。
次からは相手みてかかってきな」
酒場は歓声に包まれた。
その後、旅人たちから聞いた情報を元に、
宿の屋根裏で一人、計画を練った。
明日、森の北に足を踏み入れる。
小さな冒険から、世界を知るための旅を。
少年の目には、
好奇心と自分自身の強さを試す興奮が光っていた。
―――次の日。
そんな彼は早速森の北へ赴き、
その巨獣の戦闘痕を目の当たりにし、言葉を失っていた。
「思ってたのと違うじゃねーかこれ…」
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