出会い頭
掲載日:2024/06/01
ダダダッと駆け込んでくる音が聞こえたときには、もう遅かった。
バンッと何かにぶつかった感触があると同時に、それにはじき出される。
「いったー……」
頭を押さえつつ、俺は倒れたままではいけないと思い、半身を起こしてそれを確認する。
「あ、いけないっ」
制服は間違いなく女子のものだ。
だが、学校は違う、確か近くにあるお嬢様学校のもの。
俺とは違う、私立の高校の制服だ。
「ごめんなさいね、先を急ぐもので」
顔はしっかりと見た。
お嬢様学校は美女が多いと聞くが、可愛い系の女子だ。
そう思って名前でも聞こうとする俺の声すら置いてけぼりとするぐらいの勢いで、また駆け出して行ってしまった。
次に会うときがあれば、是非に名前を伺いたいものだ。
思いながら、立ち上がって、制服についていた土ぼこりをパンパンと手で払いのけて、俺も学校へと向かった。




