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拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。

 




 なんで髪飾りを取るんだと思うだろう。

 でも、何とこの髪飾りは!!


「ジャジャジャジャーン!!写セリ~~~♪」


 鯉からモアイ像に変化した顔になっている、王子と以下同文な者達。

 陛下と父は頭を振り、盛大なため息をついた。

 騎士達は肩を震わせ、カチャカチャと音を立てる。

 腹筋の鍛錬に頑張り給え、諸君。


「何が写セリーだ!もしかしなくても写せるとアクセサリーをかけたのか?余りにも無理やりで恥ずかしくないのか?」


「名前のセンスの悪さは遺伝です。ホントに先祖を恨みます。」


「うるさいよ。分り易くて可愛い名前じゃないか。」


「「どこがだ!!」」


 ホントに細かい事をグチグチと、名前なんて分かればいいんだよ。

 アクセに魔力を込め光を当て、壁に向けると……



「御機嫌よう、実は先週旅行に行きましたの。お土産ですわ。」


 そう言って、お土産を側仕えの人に渡している私。


「そう言ってホントは、父上の所へ行くのではないか?」


 睨み付ける様にこちらを見る王子と、側仕えと部屋仕えの者達の嫌な目がバッチリ写っていた。


「なるほど……」


「フ~~ン……」


 それをなんの気概もなく頷き、髪飾りの機能性に着目する。

 そんな二人の声を聞いて、王子と側仕え達は身体を震わせる。


「ならどうするのです?まさか私と陛下がloveな関係とか言わないで下さいね。年齢的に変だからw」


 私はそう言って笑う私が映り、陛下がパカーンと大きな口を開け驚いた顔をした。

 父の目は、そんな陛下を捕らえ睨み付けている。


「お前何様のつもりだ?」


 怒った様子でそう言う王子に……


「そう言う貴方はなんなの?私が陛下の所へ行く。遊んで貰う為とでも思っているの?お子様ね。」


 嘲る様に言う私……


「確かにお子様で、色ボケだな。どこを目指してるんだか……」


 陛下の呆れ返り何とも言えない顔で、王子を見ている。

 その王子は顔を俯かせ、悔しそうに拳を握りしめていた。


 “ホント考えなしのお子様だよな……”


 私はその様子を、目を細め愉し気に見ていた。

 それはこの場面で登場するのが……


「殿下に対して、何と言う口の利き方ですか!」


 ここから更に愉快な展開になるだろう♪


「そう言う貴女も公爵令嬢に対して、何と言う口の利き方かしら?」


「ホウ……」


 たった一つのため息のような相槌、側仕えを見る父の目はとても底冷えするモノだ。

 そんな父の様子に、側仕えは立っていられず、腰を抜かし震えている。

 そんな状態の、側仕えの姿を見た王子は……


「それにその他の者達もそうね。どんな話か知らないけれど、さっきの態度は頂けないわ?」


「も、もう、やめてくれ!!」


 庇う様に、側仕えの前に立つ王子。

 そんな王子のズボンを、縋り付くように掴む側仕え。


「一緒に付いてくれば?ついでに側仕え達もよ。」


 そんな中、最後に言った言葉が部屋へ流れた。


 しかしお二人は気づいてないが、その体勢いろいろとヤバいのではない?

 私はとても愉し気に、その状況を観察している。

 庇われた側仕えは、今の状況を忘れているのか?

 なぜか私に、勝ち誇った様な顔を向けたのだ。

 だが私の浮かべている顔を見て、側仕えは目を見張る。

 だから私は、ニンマリと笑ってやった。


「ソルディオスの目付の者を呼べ。」


 そう伝えると陛下は、静かに王子の顔ををジッと見る。

 そんな中で私は、先ほど思った事を伝える事にした。


「なんかさ。私も最近忙しいから、いろいろと面倒くさいんだよね。だからホントの事をコイツに言って、止めたらどうかな?」


「そうすると、そっちの方面のお前の盾がなくなるぞ。」


「そんときゃ、セディにお願いするよ♪」


「私はアイツが大っ嫌いだ!自分よりメチャクチャ年上な息子なんてゾッとする!!それに奴は狡猾で危険だ!」


「確かにどれだけ年上だよ。だがアイツを甘く見ると、知らぬ内にパクッだぞ。クックック……」


 そんな事を言う二人に、私は相手せず自分の考えを主張する。

 だからなのか、王子や側仕え達など、どこかホッとしていた。

 王子と側仕えがラブシーンみたいな感じで、甘く見つめ合う様な展開が出来るぐらいに………


 そんな二人を、冷めた目で見ている私達三人。


 “ホントこの王子、男のくせに頭はお花畑なんだな。”


 私はそう思いながら、ふと違和感を感じた。

 今の状況を忘れて、普通そんな気分に盛り上がるモノなのか?


「ところでお前らは、私とギライヤがどんな関係だと思ってる訳だ?ホントに私とコイツがloveな関係とでも思ってるのか?」


 陛下が殿下と側仕えなど、関係者らに訊ねる。

 皆は慌てる様に、頭を振っているが、もう一度先程の場面を再生する事に………


「ならば何故?お前達はあの様な目で、ギライヤを見ているのだ?理由を言って貰おうか。」


 苦り切った顔で、陛下がするどく追及する。


「そ、それは………」


 焦る様子の王子は、額に汗を浮かべる。

 側仕えは相変わらずズボンの裾を握りしめたままだ。


「ソルディオス、お前は知っているな?ついでに、その側仕えは何だ?公爵令嬢に対して、あり得ぬ態度だ。ついでに今もそうだがな。」


 侮蔑を含んだ様な目で睨み付ける陛下に、側仕えは蒼褪め震え上がる。


「そんなことありません。ギライヤ嬢が私に対し、余りにも不敬だったからです!」


 必死に庇う王子に、縋り付く様に甘えている。


「そりゃそうだろう。お前が私に対して、不敬な感情を持ったからだ。お前は私より偉いのか?」


「私はその様な?!偉いとも思った事はございません!!」


 蒼褪めた顔を上げ、陛下に必死に訴える王子。

 そんな王子に命綱の様にしがみ付き、俯き加減で震える側仕え。


「ならば私の所へ向かうギライヤに対し、何故あのような態度をとる?ついでに他の者達も何故あのような目で見ていた?その理由を言って貰おうか?」


 捕食者のような目で眇めて見る陛下に、王子は青から白に色を変え、だんまりと口を閉ざし言葉を発しない。


 “どうやら近しい事を聞いたのだろうね。”


 私はその様子をクスクス笑い、嘲り交じりに見ていた。

 王子に張り付いている側仕えは、そんな私を憎悪を含んだ目で見ている。

 そんな様子の側仕えを、眺めているのは私だけではない。


「まったくその側仕えは、態度がなっていませんな。余りにも不遜な態度に不愉快極まりない。」


 父から言われた言葉に、サッと蒼褪め今の状況を思い出す、側仕え。

 そんな側仕えの態度に、私は可笑しくて可笑しくて、腹を抱えて笑った。


「アーハハハハハ♪ホントおかしいったら!だいたい殿下こそ歳は幾つよ。女と乳繰り合ってる暇があるなら、勉強しろってんのよ!」


「「なっ!!」」


「だいたい13歳のまだまだガキを相手に、何してんのよ。あんた歳いくつよ?おばさんじゃない!!」


「なっ、何ですって?!」


 側仕えは顔を真っ赤にして、今度は怒りに震えている様子。


「明け透けだな、ギライヤ。だがそうだな。勉強も最近サボって、そっちの勉強か?呆れ返る。」


「性技の勉強ですか?なるほど勉強熱心な事ですな。」


 更に明け透けに、侮蔑を含んで嘲り交じりに言う、陛下と父様。

 王子と側仕えはその状況に、ブルブルと怒りに震え、恨みを込めた目で睨んでいる。

 そんな二人を、見下す様に嘲笑を浮かべてる、私達。

 部屋仕えの者達はそんな私達に、頭を床にこすり付け許しを乞うている。


「あら!陛下あちらをご覧なって♪」


 私はワザとらしく言うと、


「ホントだな♪別にコイツ等に聞く必要はないな。」


 陛下もノリノリで上機嫌で応える。

 そんな私達に呆れた様子で、父様は告げる。


「お前達、話して貰おうか!」


「「「ハイ!!」」」


 父様の絶対零度な視線に怯え、とても素敵な返事をする、部屋仕えの者達。

 その声を聞いて他に人がいた事を、そして理由を知る者達がいた事を思い出す。


「「や、やめてー!」くれ!!」


 もちろん止める事など、起こるはずもない。

 それこそ水が流れる様に、スラスラと理由が述べられていく。

 ただ王家に生まれた13歳のガキとただの側仕え。

 どっちが上だが、馬鹿でもわかる。

 王子と側仕えの顔に、死相が浮かんでいる様な感じだ。


 そして部屋仕えの者達が聞いた話によれば………


 やはり私が王子に会うより、陛下には頻繁に良く会っている。

 王妃教育といいながら、教育を担当する講師がいない。

 それよりも王妃とは、どちらかと言えば茶飲み友達だという。

 時には国の外でも落ち合い、陛下と二人で会っている。

 父親は陛下の側室を、実は狙っている。

 そんな感じで、いろいろと言われたようだ。


「確かに側室狙いかと聞かれた事はあるが、まさか笑い話だと思っていたんだがな。」


 父は呆れ返り、本気でそんな噂を信じた事に驚いていた。

 陛下も眉間にくっきり皺を寄せ、微妙そうな気持ちでいるようだ。


「つまりなんだ?私はまだまだ現役で行けるって事か?それともロリコンと思われてるって事か?」


 怒りの籠った目と冷え冷えする冷笑を浮かべている陛下。

 そして私はその他の話の内容にも、何とも言えないツボを刺激される。


「なるほど…… 愛人関係。ヘェー13歳の愛人って……アーハハハハハ!!」


 私はテーブルをバンバンと叩いて、大爆笑。

 なんだよ、13歳で愛人を持つとか!!

 王族退屈と思ってたけど面白れぇなー♪

 だから私も、陛下の愛人と思われた訳か!信じらんねー!!


「側仕えが妾になったら、それなりの地位につけるね。一体何年後の話ですか?」


「というかお前、自分の歳考えたのか?」


「アーハハハハハ!!アハッ!アーハハハ…笑い死にそ……ヒーアハハ!」


 陛下と父様の冷静な突っ込みに、マジウケるw!!

 私の盛大な大爆笑に、王子は恥辱でプルプル状態に(笑)

 側仕えも、陛下達の汚いモノを見るような侮蔑の視線にプルプルしていた。

 そしてその話を素直に信じた部屋仕えの者達は、己のバカさ加減にプルプルだ。

 もちろん私も笑いが止まらなくて、プルプルだけどな(笑)


「ソルディオス、呆れ果てて言う言葉もないわ。お前が王位に就く事は、限りなく遠いと心得よ。」


 そう言って下がらせると思うでしょ、でも下がらせないの……

 コンコンコンコンからのガチャッとな!

 そう、王子のお目付さんの登場です。

 そして殿下のここ最近の行動と活動を、無駄に良い声で朗々と伝える。

 殿下は生気のないぼんやりとした表情で、お目付を見ていた。

 そして話は佳境へと入る。


「なので、ハニートラップかと思い、側仕えの身辺調査と行動観察を致しました。」


「なるほど……。」


「エッ?!」


 お目付けの言った言葉に、敏感に反応する側仕え。

 そして、出るわ出るわ、とんでもない交友関係の数々。

 ドンだけ体力あるんだよ。

 とにかくただの色欲魔で、ショタじゃなかったらしい。


「という事で、殿下が性病にかかっている可能性がございます。」


「わかった。今後側仕えの流した話が、市井でどういう結果になるのか追跡調査をしてくれ。」


「ハッ!」


 そう言って、目付は部屋を出て行った。

 殿下は燃え尽きた状態で、側仕えをただ茫然と見ている。

 部屋仕えの者達は侮蔑仕切った汚い者を見るように、しかめっ面で彼女を眺める。


「という事だ。ソルディオス、医務官にお前の()()を診せろ。しかし13で性病か……お前ホントに王位めちゃくちゃ遠退いたな。」


 陛下はしみじみと呆れ返った顔で言った。

 王子は私をギギギと首を動かし、私を見つめているけれど……


「私、関係ないよね?だって自分でやった事でしょ。私はただお土産を届けに来ただけよ。先にケンカを売ったの貴方よ。買った私のせいにされても困るわ。」


 こうしてこの件はお開きとなった。


 もちろんヤツの側近達も、淫乱側仕えの餌食だったらしく、関係を持っていたようだ。

 だからヤツらも、同じく医務室へ行く事になったのである。

 もちろんそれは各家族に通達され、知られる事になり……


 ヤツらは恨みの籠った目で、私を睨み付ける。


「だからさ…… 私ホントに関係ないよね。身から出たサビでしょ、自業自得ってヤツ。わかる?」


 最初会った時は、まともで優秀と思っていたんだけどな。

 成長と共に劣化するってどういう事?!可笑しくないか?

 何でこうなったのかな??ホント不思議だ。




読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)




次回は2時です。


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― 新着の感想 ―
[一言] >写せるとアクセサリーをかけたのか? なら「写(うつ)セサリー」の方がよかったのでは
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