神様からの贈り物
ココちゃんとの生活が始まったばかりの頃
「わたしもたまには料理してみたいなぁ」
「え?ココちゃん料理したことあるの?」
「ままのお手伝いで少しだけ、、でもラファちゃんに全部やらせてるのは申し訳ないよ」
「そんなこと気にしなくていいよ!人助けは私の使命だから」
「もう十分だよ、ありがとう、ラファちゃん!
今日の夜ご飯はわたしが作るから、食材用意してくれるかな」
「うん、分かった!」
ココちゃんと一緒に生活していくうちに、少しずつ人間の暮らしにも慣れてきた
私は苦労せずに食べ物を出したり、空を飛んだり、転移したりできるけど…ココちゃんや他の人達はみんな一生懸命なんだ
もしそれを全部手伝ったら、きっと多くの人が退屈になって、みんな混乱してしまう
食糧も無限に出し続けたら、いつかお金も必要なくなって世界がまるっきり変わってしまう
「どうしたの?ラファちゃん?そんな真剣な顔して」
「ううん、私これからどうしたらいいのかなって」
「ラファちゃんは困ってる人を助けたいんでしょ
一緒に探すよ!困ってる人を探してみんな助けちゃおう!」
「でもいいのかな…」
私が力を使ったらまたみんなに気持ち悪がられて……
「ほんとに困ってる人なら、きっと嬉しいよ
わたしも、わたしの村の人達もそうだったから……」
ココちゃんを助けてすぐ、私はココちゃんの村に援助をした
確かにみんな喜んでた
「もし嫌がられたら、わたしがよしよししてあげるから!」
「なにそれっ、わかったよ…
ご飯食べたら一緒に頑張ろう!」
実はちょっと楽しみだったココちゃんの料理を食べ、私はある装置の製作を始めた
「これで世界全部丸見えだよ!」
「わぁ!すごい!!下界が丸見えだよ!!」
「下界……」
一応ここと元の世界は別次元だけど、上下関係は設定してない…
まぁ…いいか
「世界って広いんだね、、わたしの村ってこんなちっぽけなんだ」
ココちゃんの言う通り世界は広い
ココちゃんが手伝ってくれるのはすごく嬉しいけど、でもやっぱまだ全然足んない、世界の全部をカバーしきれない
何かいい案があれば…
「あ、そういえばイギリスにある幻の方は大丈夫?
ラファちゃんあっちも動かさないといけないんでしょ」
「うん、あれはただの幻だから私に負担はないよ!」
ココちゃんを助けるため基地を抜け出した私は、基地のみんなを不安にさせないために自分の幻を作った
詳しくいうと世界のバグを創造した
「それって一体までしか作れない??」
私はかなり上位の神で、能力の制限はない
制限を作るのも私の仕事だから
「ううん、何体でも作れるよ!ココちゃんの幻も作れるんだ!」
「……それ使ったらこの作業楽になるんじゃない?」
「あ、、」
ーーー“ファントム”ーーー
周りから見えないように作った幻が見つけた難民キャンプや貧しい村には、直接食べ物を送った
はじめはみんなびっくりして、食べない人もいたけど
(見て、あの料理を食べている人がいるわ!)
(見た感じ毒は入ってないようだな)
(わたしたちも食べましょう!)
(神に感謝を!!)
「すごい、ココちゃんの言う通りになっちゃった」
「うん…死ぬのは一番怖いからね…」
「ココちゃんの村も、、もっと早く見つけてたら、、」
「わたしは生きてるよ」
「……ありがとう、ココちゃん
じゃあそろそろ幻は消してもいいかな?」
「うん!作戦大成功!!イエーイ」
大事なのは最初の1人
1人が食べれば、他の人もその人についていく
なので私達は幻を使って自作自演をしてみせた、結果は大成功!
「よし!じゃあこのまま他の村も救っちゃおう!」
「ラファちゃん、あっちに難民キャンプがあるよ!」
こうして私達は1年間、人類の救済を続けながら、お互いの絆を深め合っていった
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そして1年後
困ってる人に向けた食糧の支援と同時に、私達は人々の新しい住まいと様々な施設の創造をしていくこととなった
「大きいね、このマンション」
「うん!ここにたくさんの人が住むんだよ」
「でもラファちゃんの作ったものに、いちいち検査とかいらないと思うなぁ」
「仕方ないよ、みんなを安心させるためだもん」
「あれは?」
ココちゃんは鉄道を指した
「電車だよ、あれに乗ってみんな来るんだ!」
「え!?ワープできるのに!?」
「あ、、」
その翌日から私はワープゲートの制作に乗り出した
未知なものに対しては大人達は慎重になる
本格的な使用には時間がかかるかもしれない
「ほんとにココちゃんはいろんなことに気づくよね…」
「へへぇ、そんなことないよーー
ねぇ、ラファちゃんの力のこともっと教えて!!」
「えっと…何が聞きたい?」
「じゃあ、例えばアニメの世界とかも作れるの?」
「あぁ…うん、それぐらいならできるよ」
「うそ……ほんとに!」
ココちゃんはキラキラした眼差しで私を見つめた
そんなに作って欲しいんだ……
あ、そういえばそろそろあの日だったよね
数日後
「誕生日おめでとう!!ココちゃん今年で5歳だね!」
「わぁ!ありがとう!!!!」
「じゃーーん、ケーキ作ったんだよ!しかも手作り!」
「手作り?」
「うん!材料からの手作りなの!」
「ほんとに!?嬉しい!!
ラファちゃんの手作り料理食べるの初めて!!」
本当は手作り料理作ったことあるんだけど、、
まぁ内緒にしておこうかな、サプライズはこっからだもん!
「美味しかったーー〜〜」
「ココちゃん、あのね」
「ん?もしかしてまだプレゼントあるの!?」
「うん!じゃーーん」
「なにこれ?箱?」
箱の中身をそっと開けると中には鏡が入っていた
「ココちゃんの好きなアニメの世界が入ってるよ
なんと中に入って冒険することもできるよ!」
「すごい…ほんとに作っちゃうなんて」
ココちゃんの好きなアニメは戦闘アニメだった
「待って…ラファちゃんがこのキャラクター達作れちゃうってことは…もしかしてラファちゃんってこのアニメの登場人物達よりも強いの!?」
「え、、うん、、だって私神様だもん」
「ラファちゃんって銃弾とか受けても死なない?」
「まぁ太陽のど真ん中に行っても死なないかな」
「わぁお」
私は神様……
例えるなら私は作者で、他のものは全部その作品の登場人物……
次元が違うものに影響を与えることは絶対にできない
「じゃあラファちゃんは絶対にいなくならないんだね…」
「うん、私はずっとここにいるよ」
「ありがとう、ラファちゃん!最高の誕生日プレゼントだよ!」
「喜んでもらえてよかった!!」
「所でわたし、ラファちゃんの誕生日知らないんだけど」
「え、言わないとだめ…?(なんか言うの申し訳ない…)」
「言って!!今日はわたしの誕生日だもん!!」
「う……」
こうして私の誕生日を聞き出したココちゃんは、今日一番の驚いた表情で叫んだ
「えっ!?!?きのうが誕生日だったの!?
じゃあなんでわたしに教えてくれなかったのーー!!」
「ごめんなさーい!!」
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それから半年後
ワープゲートや住宅街は完成し、いよいよ人の移動が始まった
思ったよりも早く完成したのはきっと、大人達の頑張りとココちゃんのおかげ
「あとラファちゃんの頑張りだよ」
「え、私は何もしてないよ、、」
「してるよ!きっと毎日毎日寝ないで頑張ってるのが大人達に伝わったんだよ!」
「あれはただの幻で、、」
「もーーラファちゃんもっと自信をもってよ!!
幻でもそれを作って指示したのはラファちゃんだし、ここで毎日頑張ってたのはラファちゃんだよ」
仕事部屋、、もとい下界観測装置の周りには私とココちゃんの落書きがいっぱいあった
みんなが使いやすいように、より多くの人が使えるように
私達は2人で一人前だった
「私みんなの役に立ってるのかな…」
「うん、ラファちゃんが助けた人はたくさんいるよ」
「じゃあ…ココちゃんは第一号だね!」
「うん、ありがとう 助けてくれて」
私達はしばらく抱き合った後、早速次の仕事に乗り出した
ショッピングモール
娯楽施設やスーパー、街の生命線となるものだ
その後は病院
医師の数も少なくなり、大きな課題を抱えている
後は学校
孤児も多くて問題になってる、まだまだ課題はたくさん
「まだまだ大変だね」
「うん、でもこれは私の使命だから」
「使命なの?やりたいことじゃなくて?」
「えっ….やりたいこと…」
そうだ、もしママにもうやめてもいいよと言われても
私はまだ続けたいって言うと思う
これはもう私の使命じゃないんだ!
みんなを幸せにしたい、それは私の夢なんだ!