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ドントビリーブナイト  作者: Cheater
1/6

信じない

初投稿です。

長い時間をかけて作ったので、ぜひ見てください!

あと自分はクールで強くて頭がキレるキャラが好きなので、かなり補正がかかっております。

ご了承ください。

 家族以外の何人なんぴとたりとも家に入る事を許さぬ。


 家にはそういうルールがあった。

 しかし何故なのかは分からない。

 あの頃は特に疑問を持たず、俺はその言いつけを守った。

 今思えば、疑問を持てばよかった、調べればよかった、聞けばよかったと意味のない後悔をする。


 そうすれば、こんなことには……。


 俺の家族は母親しかおらず、母が女手ひとつで俺を育ててくれた。

 しかしこの頃の母は、仕事で忙しいため家にいないことが多い。

 そんなある日のことだった。


 俺は、家でいつものように一人っきりで遊んでいた。

 すると、外から少し足音が聞こえた。

 母さんが帰ってきたと思ったが、あまりに帰るのが早すぎる。

 そんなことを考えていると、足音が止まった。

 そして

 コンコンコン 

 ドアを叩いた音だった。

 つまり、母ではなく他人ということが確定した。

 もしかしたら、母さんが鍵を忘れたのかもしれないが、その場合家に鍵がかかっていないため、母さんならドアを開けるだろう。

 そう思い、どうするべきか俺は少し考えた。

 今は家に俺しかいない。

 家には他人をあげてはいけないため、俺がドアを開けることを禁止している。

 つまり、この場合の最善策は無視することだ。

 今までも、何回かこんな事があった為、音を立てずにいれば勝手に留守だと思ってくれる。


 コンコンコン

 もう一度叩いてきた。

 まだ帰らないのか?

 コンコンコン コンコンコン コンコンコン

 何度も何度も叩いてきた。

 いい加減しつこいな。

 それが5分ほど続き、俺は諦めて事情を説明し、帰ってもらおうと思った。


 それがあんなことになるとは、あの頃の俺は思いもしなかった……。


 玄関について、ドアの穴から外を見ると、黒い服で体格からして男であろう人が立っていた。

 帽子を深くかぶっていたため、顔までは見えなかった。

「すいません、親ならいません」

 俺は聞こえるように、大きい声でそう言った。

 すると黒服の男は白々しく、飄々(ひょうひょう)と言ってきた。

「あ、中に息子さんがいましたか。ではこの箱を、あなた様の母上に渡してはもらえないでしょうか?」

 黒服の男は俺にも見えるように、箱をドアの穴に近づけた。

「…箱?」

 すると、外国の貴族の人ように片腕を曲げ、腰の前に移動してお辞儀をした。

「すいません、申し遅れました、私は骨董屋を営んでおります――――と申します」

 名前を聞いたはずなのに、思い出せなかった。

 名前を聞いた俺は、もちろん怪しいと思った。

 骨董屋がわざわざこの家まで、ただの箱を持ってくるようには見えなかったからだ。

 しかし、その警戒は相手にも伝わるほど、分かりやすかったらしい。

 黒服の男は落ち着いた声色で俺に話しかけてきた。

「そう警戒しないでください、私はあなた様の母上 (あおい)様の知り合いでございます」

 そう聞いて俺は少し安心してしまった。

 しかし、胡散臭さは拭えなかった。

 すると、黒服の男はポストの中に箱を入れ、他に何も持ってないことを主張するようにして、両手を広げる。

「ポストの中に入れておきますが、私はただこの箱を渡して欲しいだけなのです」

 そういうと、黒服の男は少し悲しそうに笑った。

 その表情が嘘かホントか、その頃の俺には全くわからなかった。

 それをいいことに、彼は俺を追い詰めるように、今まで隠していた手札を見せてきた。

「安心して下さい、この箱は母上がご購入されたものです。サインもありますよ」

 母がサインしたであろう紙をこちらに見せてきた。

 じゃあ、ホントに母さんが…

 少し俺のガードが緩くなると、黒服の男は一気にたたみかけてくる。

「母上はお忙しい身、荷物を受け取るだけでも母上はとても助かると思いますよ」

 かなり心が揺らいだ。

 その頃の俺は表情が出やすかったのだろう。

 今思い出せば、黒服の男は口角を上げ、笑っていたように思える。

「あ、それともう一つ。渡す時――――と言うと、この箱がなんなのか母上ならわかると思います」

 そして最後に呪いの言葉を放った。


「信じてください」


 その頃、俺はその言葉に弱かった。

 大好きな絵本に出てくる、信じることで強くなる勇者に憧れていたからだ。

 だから母さんのことを信じた。

 胡散臭い骨董屋の言葉も信じた。

「裏切られることを恐れるより、信じた方がいい」

 という絵本の言葉を信じた。

 絵本に出会えたおかげで信頼、絆、仲間という言葉を美しく綺麗だと思えるようになった。

 

 そんな美しく綺麗なものに俺は、親を殺された。


 貰ったのは黒い直方体の箱で、特にそれ以外の特徴がなかった。


 ガチャ


 母が帰って来た。

「ただいま〜」

「おかえり母さん、」

 そのあと、黒い箱を見せながら――――と言うと……

 母は青ざめた顔をしてた。

 それが生きている母さんの最後の顔だった。


 次の記憶は、炎の中だった。


 母は死んでいた。

 焼死だった。

 触っても動かしても、ただ火傷するだけだった。

「おかあさん…」

 死んでいるのはわかっていたのに、呼ぶのをやめなかった、やめられなかった。

 あり得ないとわかっていながらも、この瞬間母が生き返り、何もなかったかのような笑顔を見せてくれるという奇跡にすがりたかった。

 その後、必死な顔をした大人達が助けに来た。

 そこで意識が途切れた。


 その次の記憶は、病院だった。


 白衣を着た大人達がいた。

 その顔は悲しげな表情をしていた。

 けどまだ信じない、母はきっと生きている。


「あなたのお母さんは死んだのよ」

 そう言われても信じない、まだきっと…

「かわいそうね」

 これは悪い夢だ、早く覚めてくれ…

「どうします?まだ現実を――」

 きっと、きっと、きっと、きっと、きっ…


 お母さんの死体を見た。


 視覚からくる情報が、これは現実だと訴えてくる。

 現実と認めざるおえない。

 しかし、現実を受け止めるのに、3日かかった。


 現実を受け止めると、様々な感情が湧いてきた。

 悲しみ、怒り、でももっと大きかったのは復讐心だった。これを誰かのせいにしたかった。

 誰のせいで母は死んだ?

 黒服のせい、それとも…


 自分が信じてしまったせいか。


 信じることはこれほどにも愚かで、残酷な事なのか。ならば…


 何も信じなければいいんだ。


 全てのことに疑心暗鬼になり、信頼信用を持たずに生きる。

 そうすれば、騙されない。

 そうすれば、悲しまない。

 そうすれば、苦しまない。

 早くその心を持っておけばよかった。

 そうすれば母は、そうすれば俺は、そうすればアイツを……

 そのためには強さがいる。

 一人で生き抜く力が…

 ならば俺は…

いかがだったでしょうか。

まだ序の口ですが、この作品の最後まで付き合っていただけたら本当に光栄です。

何かご指摘があれば、是非コメントをよろしくお願いします。

普通の感想でも泣いて喜びます(笑)

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