神山雑貨店 水曜日 夏
「秋に近くなってきましたねぇ…」
「そうっすね〜」
「模様替えでもしましょうか」
「いいっすね!」
今の店の内装は青色で統一された爽やかな夏みたいな感じの部屋。内装に関しては店長は凄い拘っている。
「オレンジ色に統一しますか」
「秋っぽいっすね」
店長が黒い熊のぬいぐるみに「オレンジ色」と話しかける
と
「うぉっ、!」
「相変わらず私の熊さんは万能ですね」
一瞬で部屋の模様替えが終わった。
丸っこいテーブルランプが出てきたり、カーテンが綺麗なオレンジ色になったり、入り口にベルがついたり、、ん?
「熊のぬいぐるみにオレンジ色のリボン…?」
「よく気が付きましたね、部屋を模様替えするとこの子も模様替えするんですよ」
「すげぇ…」
「この店の守り神ですからね」
「守り神とリボンに何か関係があるんすか?」
「…この家の状態を現していると言いますか、だからこの家が古くなって壊れるとこのぬいぐるみも壊れるんだよね」
「じゃあ家を直したら?」
「勿論、ぬいぐるみも治る」
「じゃあ、ぬいぐるみを直したら?」
「その場合は治らないんだよねぇ…」
「不思議だなぁ…」
「それはさておき、開店するよ」
「あ、はい!」
いつも通りレバーを下ろす。
今はそんな夜中じゃないからランプはつけない。
待つ時間が暇だから掃除をする。っつっても模様替えの時に綺麗になっちゃってるから意味ないんだよなぁ…
カランコロン
『…。』
「いらっしゃいませ。ここには貴方の欲しいものがありますよ。」
『…?』