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不思議な神山雑貨店  作者: Ms.R
3/5

神山雑貨店 火曜日 夏 (2)

今日来たのは女性だった。見たところ23、4位の年齢だ。


『私、今すっごい欲しいものがあって、中々見つからないの、』


「うちの店には絶対ありますよ。」


『本当?!』


「ちなみに何が欲しいんでしょうか」


『服!』


「どんな感じの服ですか?」


『綺麗な青色で、水色に近いの。それで…膝丈位のスカートで、ベルトがブラウンの細いやつ!』


「綺麗な青色、水色に近い、膝丈スカート、ブラウンよベルト…」


店長がぶつぶつ言いながら倉庫に行く。


「…あった」


倉庫から店長と共に女性が言った通りのスカートが出てきた。


『凄い!理想のスカートだ!いくらですか?』


「千円です」


『安過ぎません?』


「お客様の笑顔の分、代金を差し引かせて頂きました」


『笑顔が料金って…不思議ですね』


そう微笑んだ女性は


『これで…やっとあの子に渡せます』


ちょっと悲しい顔をしてそう言った

俺は


「あの子?」


と尋ねた


『私の妹です。』


『重い病気で余命も短くて、一度でいいからこんなスカートを履いて外に出たいって』


『それでネットとか漁ってたんですけど中々見つからなくて、』


『でもここの店の前を通ったら、ここにあるよって呼ばれた気がして、』


『そしたらまさか、あったなんて、』


『神様が、私達の為に教えてくれたのかなって、なんか変ですよね』


一通り聞き終えた店長が


「妹さんの為にも早く行ってあげてください、これ、オマケです。」


と言って綺麗なペンダントを渡す


『ご親切に…ありがとうございます!』


『それでは、妹にこの洋服渡してきますね』


「お気をつけて、ありがとうございました。」


女性は駆け出して行った。


「店長、あのペンダントなんすか?」


「あれはね…______だよ。」


「えっ…」


「大丈夫。期限があるから。」




その後女性とその妹さんは願いを叶え、妹さんは3年ほど余命が伸びたらしい。





『あのペンダントのおかげで更に3年も妹と過ごすことができたんだもの、感謝しなきゃね…』


『にしても、お店が無いだなんて…』


『不思議な雑貨店だな。』


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