神山雑貨店 火曜日 夏
「あっっつ、、」
「暑いねぇ、」
「暑すぎっすよ」
「夏だからねぇ、」
「何でクーラー無いんすかね」
「ぼくが付けたくないからだねぇ」
「店長、パーカー暑くないんすか?」
「暑いよぉー、」
(ならなんで着てるんだこの人...。)
さっきから語尾を延ばしてるのが店長の神山さん。黒髪、たれ目、右耳にシルバーのフープピアスで身長は168cm。常にパーカー。
そしてさっきから暑い暑い言ってるのが俺、永田隼人。茶髪で若干釣り目。身長は185cm。
店長と俺はいわゆる凸凹コンビ。それに加えて神山店長はかわいい系。傍から見たら女。だから俺らはカップルにしか見えないだろう。
「そろそろ開店しようかなぁ~」
「んじゃいつものヤツやりますか?」
「よろしく~」
そういってカウンターにある黒い熊のぬいぐるみの後ろにあるレバーを下ろす。
すると音も無くその場所から日本のどこかに転移する。
この仕組みは店長以外知らない。
「今日は、、石川県かぁ...今何時?」
「夜の9時です。」
「じゃあ店のランプ、付けといて~」
「了解っす」
そう言って店の入り口のマリンランプを付ける。
「今日は誰が来るんだろうねぇ」
「そうっすね...」
『あの、すみません、、』
「いらっしゃいませ。ここには貴方の欲しいものが絶対ありますよ。」