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8 綺麗事だけじゃ何も守れない

文字数は短い気もするけど、今後これくらいの1000〜2000字程度にします。 これくらいが苦にならず書きやすい量です。

「いやーいやーとうとうおじさんの出番かぁ、まさかおたくがここまで頑張るとはね」


軽薄そうな態度でユノの頭を撫でる男はこの忘却城の最後のユノの師匠、エッツィオ。

この城に来てからまともな関わりはなかった。

理由は明白。別にユノがエッツィオを避けていたわけではなく、逆に向こうがユノを避けていたのだ。

理由はわからないが、この城で生活していてもこの半年近く数回しかその姿を見ていないのだ。


「いやー別におたくのことが嫌いで避けてたとかじゃないのよ」


表情に出ていたらしくエッツィオは笑って答える。


「ただおじさんは人間が少し苦手でね、とても醜くて見てられないよ、思わず殺したくなってくる」


表情は変わらない笑顔だがその声色はとても冷たかった。


「けどおたくは違うね、とても純粋だ、それにこの数ヶ月おたくをこっそりと見ていたが努力家だね」


「えっ?」


この一ヶ月間見られていたという事実に驚く、まったく気づかなかったと。


「修行が終わった後も自主練習を欠かせなかった、イザヨイも言ってたよ、あいつはセンスのかけらもなく才能も全くない、けれど見込みはなくはない、って、イザヨイにとってはそれは極上の褒め言葉だ、おたく気に入られてるよ」


それは本当に褒められてるのかと逆に貶されているのでは? と思ったが口にはせずとりあえず頷いておく。


「だから仕方なくおじさんもおたくに技術を教えてあげようと思ったわけ、頑張る若者にはおじさん弱いのよ」


「何を教えてくれるのですか?」


「そんな目を光らせて貰っても対したことは教えれないよ」


ユノは最初は修行もとても辛く投げ出したくなった時もあったが、だんだん成果が出て来て、今までできなかったことができるようになった時の喜び、達成感がとても気持ちよく修行も楽しく思えるようになって来たのだ。


なのでエッツィオが何を教えてくれるのかと楽しみにしていた。


「おじさんが教えるのはね、多分、おたくの思い描く英雄像とはかけ離れた技術、邪道の邪道、誇り高き英雄は忌避するだろうものだ、それでも知りたいかい? これは必ずしも英雄に必要なものでないとおじさんは思うよ」


「知りたい! 僕がなりたいのはかっこいいだけの英雄じゃない守れる英雄です、それにはどんな技術でも持っているべきだと思います」


「口だけは一丁前だねおたく」


突き放すような言葉、けれどエッツィオは笑っている。


「なら死ぬ気で覚えなよ、おじさんが教えるのは敵を必ず殺す術、戦わず勝つ技、相手を騙す方法、おじさんの暗殺術は習得困難だよ」


こうしてユノは本格的にあらゆる英雄の技術を学ぶことになる。


——そして月日は流れる。


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