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王子、うるさい!  作者: 大木戸いずみ
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2.王子

 目の前に座っている不愛想な彼は、マディ王国の第一王子、アダム・ルース。

 髪は金髪! 目はブルーアイ! ここまではごく普通のありふれた王子だ。勿論、顔はイケメン、素晴らしい肉体美……体は実際に見たことないけど。

 でも、まぁ、美形王子なんて乙女ゲームだったら普通だろう。むしろ不細工王子を知らない。

 わざわざ画面で不細工を見たい人間なんて誰もいない。そう考えると、乙女ゲームは夢が詰まったゲームだよね。逆ハーレムなんて、最初に考えた人間に乾杯だ。

 

 彼氏がいたのにも関わらず、色々な乙女ゲームを漁っていたのは……なんでだろう。

 私にもいまいちよく分からないが、暇つぶしにちょくちょくしていた。それぐらいの思い入れなのに何故転生出来たんだろう。人生って不思議。

 勿論そのゲームは全てクリアしていない。クリアする前に死んだのだから。

 ああ、せめてどうなるかだけ結末を知りたかったな。……勿論悪役令嬢の結末。

 国外追放なら全然オッケー、ただ殺されるのだけは勘弁。

 若く死んでまた若く死ぬ、とか呪われてるの? なに? 実は前前世は、快楽殺人鬼だったとか……。またこれが、ありえなくもないから怖いんだよな。

 とりあえず、まだエンディングは決まったわけじゃない。

 現状況はかなりやっば~って感じだけど、まだまきかえせる。キャシーの名誉挽回のチャンスはこれから雨のように降り注がれるだろう……と願う。

 

『そういや、キャシーは俺より二つ年下なのか。……俺が十六の時はもっとしっかりしてたぞ』


 それな。まじそれな。分かるわ。

 前世の私が、記憶取り戻す前のキャシーを見たら、多分数回は刺していると思う。それぐらい手に負えない我儘女だった。

 それにしてもカッコいい声してるな。正直な話、あんまり王子の声を直接聞いたことがない。

 彼は、まぁ、割と色々な事情があり、肌は褐色肌なのだ。勿論、ここは砂漠の国ではない。

 たんこぶのあるラクダもいないし、頭に花を咲かせたサボテンもいない。

 乙女ゲームとはいえども、なかなか複雑なのである。だが、第一王子の彼は正当な王位継承者だ。

 王子には下に弟が一人いらっしゃるが、彼は、褐色肌ではない。真っ白い肌だ。

 ……という面倒くさい事情があるため、彼自身あまり人に心を開かない。無口でクールな美王子、として有名だ。

 

 さてと、今から王子の望み通り婚約破棄するか。

「興味のない女と結婚なんてお互い苦痛だし、婚約破棄しましょうか」

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