第7話 辛いのは好き?
『はらへったー』
「じゃあご飯にしようか」
『はーい』
俺と春木と歩の言葉で昼ご飯にする事が決まり、俺達はフードコートに来た。優とは少し前に別れた。
ずっとあのままで本屋とか模型店とか行ってたら、やはり目立つもので道中いろんな人から見られた。そんな優はというと、人に見られるのが慣れていないのか、恥ずかしそうにずっと俯いては赤くなっていた。で、お腹が空いてきた俺は優とRINEを交換し、また遊ぼうと約束して別れた。
どうも優の家がうちの近所らしい。
「また夏日が変なの頼んでる」
「うわ……凄い色だね」
俺の頼んだのは激辛ラーメンってやつで前来た時結構気になってたヤツだ。スープの色が凄く、フードコートで売ってて大丈夫? ってぐらい赤い。
「どれぐらい辛いのか気になるじゃないか。これぞ男のロマン」
女子側からは呆れの視線が来た。俺の言いたい事が分かるであろう男子側からは……あれっ? 同じ視線だ。
「それは兄ちゃんが珍しい物好きってだけだと思う」
「うんうん。夏日って、新発売! とか期間限定! とかに弱いからな」
え? 俺だけなの?それ。ワクワクしないの? 俺がショックを受けている間にみんなが食べ始めた。俺も食べるか。しっかし、色が凄いな。
ずるずるずる。
「───!?」
か、辛い!? 口に入れた瞬間まず舌にくる強烈な痛み。しかもどんどん痛みが強くなってくる。どうにか咀嚼し飲み込もうとするが、口の中が痛くて満足に飲み込めない。
「んんんんんんんっ」
ゆっくりしている間にもどんどん痛みが強くなってくる。
「!!!!!!!!」
や、ヤバい。思ってたのの何倍も辛い。色だけかと思ってたけど結構本気で辛い。やっとの思いで飲み込んでも次は喉が痛みを訴えてくる。その間もずっと口の中は辛い。
「辛い痛い辛い痛い辛い痛い辛い痛い辛い痛い辛い痛い辛い痛い辛い痛い」
急いで近くにあったコップを手に取り、入っていた水を飲んだ。ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ。
「ふう。うーヒリヒリする」
だいぶ収まったが口の中はかなりヤバい。そんな事をしているとなぜか四人がこっちを見ているのに気がついた。
「な、なんだ?」
『かっ』
「か?」
『かわいい~~』
「は?」
「辛いの食べて涙目になりながら足パタパタさせて必死に耐えてるのかわいい~」
「無意識ゆえの夏君の恐ろしさを感じるよ」
男二人も頷いている。
「は?」
「あと、なんの躊躇もなく俺のコップの水飲んだな」
「あ、これお前のだったのか」
「まあ、いいけど。口付けてなかったし、新しいの取ってくる」
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その後俺は時間をかけて激辛ラーメンを食べきった。きつかった。
女子二人はしきりにかわいいかわいいうるさかったので激辛ラーメンを食べさせると、静かになった。男子にもあげたのだがあげる時に「いいのか?」と聞かれたが よく分からなかったので普通にあげると、男子も静かになった。
口直しをするためにフードコートにあったアイスクリーム店でみんなでアイスを食べた。みんなのを少しずつ貰うとまた男子が「いいのか?」と聞いてきたがよく分からなかったので普通に貰った。
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しかし、大変だったのはその後でずっと胸焼けみたいなのが取れなくて、食欲が二日間ぐらい戻らなかったのは
結構辛かった。
春木君と歩君は女子になった夏日君に男子との間接キスはいいのか?っていうのを聞いてるんですが何の事か分かってない様子の夏日君。