第62話 夏日のデッサン
少し遅かった……
自分でまいた種とは言えデッサンなんてしたことないから話が浮かばない……
「放課後が来てしまった……」
「夏日ー私たち見学出来るか聞いてくれた?」
何度も断ろうと考えてはOKした手前行くしかない現実に打ちひしがれ遂には放課後になってしまった。朝あの女の子に冬火たちが見学してもいいか聞くときに断ればよかった。すぐ美術部の先輩に連絡した女の子。返事はOKだった。
「OKだって」
「やった!」
「やったな奏」
「そうだね」
喜ぶ冬火たち。
「ほら、夏日行こー」
「はぁーあ」
○●○●○●○●○●
「こ、こんにちはー」
「夏日ちゃん、ようこそ美術室へ!」
「のわっ」
恐る恐る美術室のドアを開けると目の前に3年生の先輩が立っていた。心臓に悪い。めっちゃビビった。
「あ、驚かせちゃった?ごめんごめん。それにしても近くで見ても本当に綺麗だねーお人形さんじゃん」
「あ、ありがとうございます」
「まあ、立ち話も何だし中に入って。あ、見学する人はそこの椅子に座ってね」
ぞろぞろと美術室に入っていく俺たち。美術室の中は真ん中にある椅子を中心に、放射線状に椅子と絵を固定するためのやつ(イーゼルというらしい)が置いてあった。美術室にいるのはほとんどが女子で、俺を見た途端、凄い勢いで近づいてきて触られもみくちゃにされた。
「ほら、夏日ちゃんから離れろ離れろーえーじゃあ、早速初めていきましょうか。夏日ちゃんは真ん中の椅子に座ってくれるかな」
「はい」
どうやらさっき話してた人が部長みたいだ。テキパキと周りに指示を出してさっきまでガヤガヤしていた教室内が静かになった。
「リラックスしててねー動かないのは暇だと思うけど我慢してね」
「分かりました」
今は紙に鉛筆が擦れる音しか聞こえないほど静かだ。リラックスしろと言われても周りからの視線が気になって落ち着かなかい。大丈夫かこれ……
中途半端な終わり方ですみません!
明日続き更新します。




