第60話 ラブレター?
新年あけましておめでとうございます!(激遅
去年書き始めたこの作品がこれほど多くの人に読まれるとは思ってもいませんでした。
本当にありがとうございます。
まだまだ見苦しい所もたくさんあると思いますが、もっともっと良くなるよう尽力しますので
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
めちゃくちゃ遅くなってすみません!
31日は友達と遊んで、1日2日と初売りに行き、3日は山登って、今日は疲れで爆睡かましてました。
(謝罪´Д`)ノ*+:。.。:+*オユルシクダサイ*+:。.。:+*
「うっわ……」
「どーしたの夏日──おっ、おおー」
「ん?どうし──ほう」
一週間で一番憂鬱な月曜日。めんどくさいし行きたくないのに学校に着いてしまった。教室に着いて椅子を引くとガサガサと何かが落ちてきた。落ちてきたのは1通の洋封筒。
「ちょちょっと二人こっちきて。『紅月夏日様へ』だって。これはもしかしなくともラブレターじゃない?」
「ほほう。ラブレターとな」
「こうする必要あったのか?」
いち早く洋封筒を取った冬火に教室の端に引っ張られ、冬火と歩の三人で固まってこそこそ話す俺たち。怪しい俺たちに教室のみんなの視線が凄い。
「だけどこれさ、気づいた?」
「ああ。気づいた」
「これ──女子の字だよな」
丸っこくて可愛い字で洋封筒に書かれた『紅月夏日様へ』の文字。
「私たちは見ないから中身早く見なよー」
「羨ましいなこのやろう」
「羨ましいってお前俺の気持ちが分かるか? というかそもそもラブレターって決まってないからな」
冬火と歩が後ろを向いたのを確認して恐る恐る中身を開けると一枚の紙が出てきた。その紙には短く一言書かれていた。
『放課後体育館裏にきてください』
な、なるほど……
「お、おう……」
「見たー?」
「なんて書かれてた?」
「『放課後体育館裏にきてください』だとさ」
「これは本当にラブレターじゃない?」
「マジか。良かったじゃねぇか夏日」
「お前な……男の時ならまだしも今女だぞ」
「放課後楽しみだねー」
☆★☆★☆★☆★☆★
放課後
「くっ、全く授業に集中出来なかった……」
「今日はずっと上の空だったね」
「珍しい夏日の姿が見れてよかった」
なんて話すかどう断るかなど考えても考えても答えは見つからず、放課後になってしまった。みんなに心配されて自分でもここまで動揺するとは思わなかった。
「行ってくる」
「行ってらっしゃい」
「行ってらー」
体育館裏に向かうと人がいるのが見えた。
「誰かいる」
木の影に隠れて様子を見ると知らない女の子が一人いた。ネクタイの色からして同じ一年生か。手紙の言葉通りだと俺に手紙を書いたのは多分あの人だろう。
「うーん。どうしようか」
出て行きたくない。仮にもラブレターだとするとどう答えたらいいのか分からない。
「はぁ……行くか」
いつまでも待たせるわけにもいかず、意を決して女の子の方に歩いて行った。
「えーと、俺に手紙をくれたのは君?」
「あっ、はい! そうです!」
「それで呼び出したのは?」
「はい! 夏日さんにお願いがあって来ました!」
来た。
「お願い?」
「夏日さん──夏日さんに人物デッサンのモデルになってほしいんです!」
「ごめんなさ──へ?」
「美術部でデッサン会をするのでそのモデルになってもらいたいんです!」
「なるほど、デッサン会か……よかったぁぁぁ!」
よかった。ただの勘違いで本当によかった。
「え、どうしたんですか」
「何でもない。えーと、いくつか聞きたい事があるんだけどいい?」
「はい!どうぞ!」
「一つはなぜ俺なのか。二つはなぜ手紙だったのか」
「一つ目はですね、夏日さんの整った顔にサラサラロングの銀髪、そしてその抜群のスタイルを描きたいと美術部の先輩たちの意見が一致したからですね。
二つ目は、特に意味はないですね。夏日さんに誰が誘うかでたまたま私が選ばれたんですけど、私隣のクラスなので話しかけにいく勇気がちょっと無かったからですね」
「そんな理由で俺の今日一日が……」
「え? なにか言いました?」
「気にしないで……それで俺にモデルになってほしいんだったっけ?」
「はい。お願い出来ますか?」
「どんな事をすればいいのかな?」
「えーと、夏日さんには椅子に座ったりポーズをとったりしてもらいます。
一つのポーズが多分二十分ぐらいで休憩も一回一回挟みながら全部で二時間ぐらいですかね。あ、もちろん服は制服のままで」
「それぐらいならやってもいいかな」
「本当ですか!? やった!」
「それでいつやるの?」
「明日の放課後ですね。場所は美術室です」
「明日!?」
「先輩たちの強い希望で急遽開く事になったので……」
「な、なるほど」
「これで私の仕事は終わりですね。突然のお願いにもかかわらずありがとうございました!」
「どういたしまして」
「では、さようなら!」
「バイバイー」
颯爽と走り去っていく女の子が見えなくなるまで手を振り、後ろを向いて一言。
「で、そこで隠れて聞いてないで出てきたら?」
「ばれてたかー」
「マジかー」
「ぼ、僕は二人に連れてこられて……」
ほんとにいた。ハッタリというか一度言ってみたかっただけなのにいた。冬火と歩はまだしも奏がいるとは思わなかった。
「まさか美術部のデッサンのモデルとはねー」
「ラブレターじゃなかったなー」
「ラブレター?」
「気にしなくていい。ほら、帰るぞ」
「明日ちょっと覗いてもいいー?」
「俺もー」
「ぼ、僕もちょっと気になるかな」
「はいはい。明日聞いてオッケーだったらなー」
あ、そういえば名前もクラスも聞いてない。同じクラスじゃないのは分かってるから地道に別のクラスあたってみるか……




