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第59話 真矢家朝の巻

メリークリスマス!!(遅い

「ん、んぅ……けほっ、けほ」


 結構な圧迫感と重さに目が覚めると明里ねえの部屋のベッドで寝ていた。いつの間に。昨日は歩の部屋でウノしてたはずだけど。明里ねえと冬火に左右を挟まれ、抱きつかれている。圧迫感と重さの正体は二人の腕と足だった。


「冬火……死ぬ」


 冬火の腕が俺の首に、足は俺の腹に。明里ねえの腕が俺の胸に、足は俺の足に。

 さすがに首はヤバい。


「よっこいせっ――ふう」


 苦労して2人の腕と足を俺の上からよけて起き上がった。時刻は朝六時。眠い。でもここだと同じ目に合いそうだから一階でソファーででも寝るかな……


「あら、夏日君おはよう」

「夏日君おはよう」

「おはようございますー」


 一階に降りると久美さんと航さんがテーブルを囲んで椅子に座ってコーヒーを飲んでいた。航さんはスーツ姿だ。

 俺も椅子に座り、ぐでーっとテーブルにもたれた。冷たくて気持ちがよく、眠くなってきた。


「夏日君」

「なんですかー?」

「寝起きでポヤポヤしててかわいいわね」

「ありがとうございますー?」

「普段ならこんな姿見れないわね。コーヒー飲む?」

「飲むー」

「はーい。ちょっと待ってて」

「よし、そろそろ仕事行くかな」

「がんばって〜」

「渡さん頑張って応援してる。って言ってもらえるかな」

「渡さん頑張って〜応援してる〜」

「はぅあっ。美少女に応援してもらって今日一日。いや、今週頑張れそうだ」


 こんなので頑張れるって安いなぁ。


「ちょっとー?」

「おっと、早く行かねば。いってきます」


 後ろから禍々しいオーラを出しながらコーヒーを持ってきた久美さんから逃げるように出ていく航さん。


「いってらっしゃーい」

「はい、夏日君コーヒー」

「ありがとうー」


 ◁◀◁◀◁◀◁◀◁◀


「そろそろみんな起こしてきてくれる?」

「はーい」


 コーヒーをちびちび飲みながら久美さんと他愛のない話をしているといつの間にか八時になっていた。だいぶ頭が回ってきたし、いつまでたっても起きてこないやつらを起こしにいくか。



「おいこら起きろー」


 俺がまず向かったのは歩の部屋。床に布団を敷いて寝ている春木を足でガシガシ踏みながら声をかけた。


「うーん……もうちょっと……」

「早く起きねえと前みたいに窒息させるぞ」

「はい起きますはい」


 この体になって初日にやった胸で窒息させたのがよほど嫌だったのかバシュッと音が鳴りそうなぐらい早く起き上がった。


「そんなに嫌か」

「二度と嫌だ」


 本気で嫌そうな顔をされた。自業自得とはいえちょっと傷ついた。


「歩ぅー起きろー。歩ぅーちょっ、おい」


 ベッドで寝ている歩に捕まった。声をかけようと前のめりになっていると歩の腕が俺の腰に伸びてきて、掴まれたと思ったら歩の上まで引っ張られていた。

 ちょっとー? 歩さん?


「おいこら歩早く起きろ」

「んん……んー……」

「こいつ……んっ、はぁぁ。力強っ。春木助けて」

「……ぐぅ」

「おい寝るな」


 上半身を起き上げたまま寝ようとしている。女の力で男に勝てるはずもなく身動きがとれない。なんだろうか、抱き枕とでも思われてるのだろうか。


「おい起きろー」

「すうーすぅ……」

「早く起きろ、起きろ!」

「うおっ!? びっくりしたぁ……ってどうした夏日俺の上に乗って」

「お前が引っ張ったんだろうが」

「え、マジ?」

「マジ」

「マジかぁ……」

「いいから早く放してくれ」

「あ、ああ。すまん」

「ったく……俺だからまだよかったものの他の女子にやると嫌われるぞ」

「はいすみませんもうしません……」



 その後明里ねえたちを一悶着あったものの布団から引っ剥がして起こし、朝ご飯を食べると、「もっといてよー」と渋る久美さんを振り切って家に帰った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 夏日は朝が早いですね!この日は苦しくて起きたというのもありそうですが………。 夏日は抱きつき癖がありましたが、逆に拘束されてしまったようですね。 [気になる点] 春木は夏日の抱きつきがトラ…
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