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第51話 着せ替え人形夏日

「いやー可愛いわねーどんな服でも似合うわね」

「わー可愛いよ夏日!こっち向いてー!」

「おーいいね夏君」

「いいんじゃない?似合ってる似合ってる」

「こんな服どこから……」


 おい、撮るんじゃねぇ冬火。冬火に押されて真矢家に入った俺はすぐ着せ替え人形にされた。着替えたと思ったら次の服を、着たらまた別の。とずっと着替えていて、短パン半袖にどこからか持ってきたランドセル背負わされた小学生のコスプレに、膝上まで隠れるだっぼだぼのパーカー、白いワンピース着て髪を全部前にした幽霊コスプレなど何でもありの着せ替え人形になっている。

 それで今はメイド服を着ているんだが、何でこんなのあんだよ。


「銀髪にメイド服……最高。いいわね」

「夏日最高!」

「夏君可愛いよー」

「いいぞ夏日」

「はぁー」

「いつか夏日君が来ると思って買ってた甲斐があったわねー秋ちゃんにも写真送らなきゃね」

「来ると思って買った!?」

「前に秋ちゃん帰ってきてた時あったでしょ? その時に夏日君が女の子になったって聞いたの。最初聞いて写真見せてもらった時は驚いたけど、慣れればただの美少女ねー」

「俺の周り慣れが早すぎる……」

「可愛いは正義。よし、夏日君次はこれ着てね」

「まだあるのか……」


 そう言って渡されたのはチャイナドレス。横がめちゃくちゃ際どい。これ着ねぇといけねぇのか……


「スリットの深さがギリギリパンツ見えないぐらいでよかったね」

「そういう問題じゃないと思うんだが」

「ほらー夏君早くぅー」

「はいはい……」


 ◐◑◐◑◐◑◐◑◐◑


「ほら、着たぞー」

「うわぁーエロいわねー」

「これは……うん」

「夏君……」

「エッろ」


 着ろと言ったのはそっちだろ。胸の辺りがぱっつんぱっつんでキツい。それとほとんど出ている足が寒い。


「ぴっちりとしたチャイナドレスによって強調された胸、バッサリと切られたスリットから覗く白く細い足、真っ赤なチャイナドレスが夏日の白い肌と銀髪とコントラストになっていて艶めかしい。最高。これは写真撮ってスマホの壁紙にしてずっと眺めとこう」

「うわ……キモイ。壁紙はやめろ」


 こっちをガン見しながら早口でしゃべる冬火はかなりキモかった。


「じゃあ、写真印刷して額縁に飾ろうかな」

「おいまて」


 どうしてそうなる。妹に写真を飾られる兄とか聞いたことない。


「大丈夫大丈夫。私の部屋に飾るだけだから」

「何も大丈夫じゃねーよ。余計嫌だわ。飾るな」

「えーみんなも欲しいよね?」

『うん』

「ちょっと待て俺の意見は無視か」

「ま、そういうことでー飾られるのが嫌なら大人しく壁紙になりなさい」

「はぁぁぁ」


 その後は冬火に言われるままポーズを取らされ、大量の写真を撮られた。

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