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第42話 脱衣所にて

 ここは宿泊先の脱衣所。周りにはたくさんの女子。男子にとっては秘密の花園。男子なら一度は夢見る光景がここに。

 なんて言ってるが、女子同士がキャアキャア言いながら痩せた太った成長したなどの話をしていて、大して男子と変わらない。触る触られるが多いぐらいだ。かく言う俺も今、二の腕触られたりシャツ捲られて腹触られたり胸揉まれたりでもみくちゃにされている。

 さっさと温泉入らせろ。


「いやー細い夏日ちゃん細いねー」

「さらっさらじゃん」

「膝枕してもらった時大きいのはよく分かったけど、実際に触るとやっぱり違うね。ぐへへへ。柔らかい」

「おい。おっさん」


 お前だけヤバいにおいがする。手つきがエロいんだよ。


「んー?何だい夏日ちゃん」

「何だいじゃなくてだな。風呂に早く入らせろ」

「ふむ。じゃあ、脱がしてあげる!」

「自分で脱げるからいい」

「えー」


 さすがに服を脱がされるのは嫌。


「……何?」

『どうぞ続けて』

「……んっ」

『おぉー』

「……ふー」

『わぉ』

「……気が散るわ! こっち見るな!」


 服を脱ぐ最中女子全員に見られて気が散って仕方がない。動きを止めてまで見なくていいから。特におっさん。お前一人だけ目つきが違うんだよ。


「美しい夏日ちゃんの肌を見ないのは、動物園に来て動物を見ないぐらい変な事だよ」

「何で見るのが当たり前になってんだよ。いいからあっち向いとくか先風呂行っとけ」

「それはちょっと無理」

「風呂入ったらいくらでも見れるだろうが」

「分かってないなぁーこう、少しずつ脱いでいって少しずつ見えるのがいいんだよ。少しずつ露わになっていく夏日ちゃんの肌……最っ高」

「キッモ」

「本気の軽蔑の視線と罵倒最高だよ」

「うわぁ……」


 俺の中でおっさんの評価が地に落ちた。


「大丈夫。こうなるのは夏日ちゃんだけだから」

「余計害悪じゃねぇか」

「私のこれは夏日ちゃんだけの特別だぞ♡」

「はいはい」

「照れちゃって~本当は嬉しいくせに~」

「……」

「あ、まってごめんなさい無言無表情で睨んでくるの止めて。

 私が悪かったです許して下さい」

「……」

「夏日さんごめんなさい許して下さい本当に反省してます」

「……」

「夏日ざぁぁぁん許してぇぇぇ」

「……」

そろそろ名前考えてあげた方がいいのだろうか……

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