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第4話 正座はツラいよ

感想に評価、ありがとうございます!!とても嬉しかったです!!進みが遅いですが気長に読んで貰えると嬉しです!

 ピーン ポーン



夏日(なつひ)ー出てー」


 家のチャイムが鳴る音と、二階からした冬火の声で目が覚める。

 ったく、自分で出たらいいのに。


「ちょっと今手が離せないの」


 え? いや、俺何も言ってないのに。


「夏日の考える事はお見通しなのです」


 伊達に双子やってないな。スゲェ。


「ふ、ふあああ。へーい」


 意味はないだろうがこれ以上考えがバレないようにあくびでごまかしつつ返事をした。

 ん、三十分ぐらい寝てたのか。

 くるまっていた毛布を取って玄関のドアを開けると、そこには明里(あかり)ねえと(あゆむ)がいた。


「さ、上がって上がって」

「……」

「ん?どうした?」

「……」


 俺を見て固まる二人。何か変か?

 ……あっそうだった。明里ねえ達に俺の事言うの忘れてた。


「あー俺だよ俺。夏日だよ。何か朝起きたらこうなってた」

「……」


 ん? 反応がない。何か変なのでも付いてるのだろうか。そんな感じでふと自分の体を見ると、重大な事に気がついた。


「あっ」


 腰にタオルを巻いただけの半裸だった。

 そうだった、冬火に髪乾かしてもらった途中で寝たんだった。そしてそのまま玄関に出たと。そりゃ無言になるか。

 いきなり知り合いの家から知らない女の子出てきて、しかもほぼ全裸みたいな格好だったら驚くよな。

 そんなどうでもいいことを考えていると、


「夏日ーとりあえずこれ着てー」


 と、冬火が服を持ってきた。俺の姿を見て固まる冬火。

 「あ、やべ」と思ったが、動けずにいると一番復活が早かった冬火が


「ちょっ!? 夏日!? 何て格好で出てるのよ!」


 と言って俺にソファーに置いたままの毛布をぶん投げた。


「ぐふ」


 投げられた毛布は綺麗に俺の顔面に当たり、てるてる坊主の様な状態になる。

 

 終始無言で固まる歩に、「えっあ、えっ」と、復活はしたが混乱している明里ねえ。

 現場は混沌としていた。


 ●◯●◯●◯●◯●◯


「「はあーまったく」」

「すいません」


 落ち着きを取り戻した冬火と明里ねえに俺は怒られていた。

 ソファーに座って足を組んで腕を組んでいる二人に対し、俺は床に正座させられている。さながら女王と従者のようだ。

 俺は毛布にくるまったままなので、従者というには滑稽な姿だが。

 明里ねえには事情は話してある。


「いくら朝女の子になったばかりだと言ってもその格好で出てくるのはないでしょ」


 と、明里ねえ。


「その通りです。寝ぼけてました」

「あれだけ気を付けてって言ったのに」


 と、冬火。


「すいませんでした。注意力が足りませんでした」

「「もう、しっかりしてよね」」

「どうもすいませんでした」


 もうかれこれ三十分怒られている。その間俺は正座でひたすら平謝りしていて、だいぶ足が痺れてきていた。


「あの……そろそろ脚が……」

「「お黙り」」

「すいません……」


 冬火と明里ねぇの圧に気圧され、咄嗟に謝罪の言葉が出る。

 春木と歩助けてぇぇぇ……


 ◯●◯●◯●◯●◯●

 さらに三十分



「あ、あのーあっ足がそろそろ……ほっほんとうにキツくて……」


 足が本格的に痺れてきた俺は涙目になりながら言った。

 それといくら春と言っても、一時間半裸で毛布にくるまったままだと寒いのだ。


「そろそろ懲りたかな」

「そうだね。寒いだろうし」

「夏日。もういいよ」

「あっありがとうごじゃいます!」


 やっと解放されたぁぁぁ!

 解放された喜びで立ち上がろうとした時、


「!? ひゃうっ」


 足に電流が流れた。


「ひゃ、ひゃあ!?」


 完全に足が痺れてた事を忘れていた。

 思わず床に座り込むが、痺れた痛みはその間も止む事はない。


「あああああああ」


 体勢を変えようと足を動かした時の痛みに動くと、さらにそれが次の痛みを呼んでいる。


「うううううううう……ひゃあ! ちょ!?」


 冬火が俺の足を触った。


「ちょっ、ちょっと! ひゃあ!?」


 感触を確かめるように強く揉まれ、それによって生じた痛みに思わず声が出る。


「なにこの可愛い生き物」

「うんうん」


 そう頷きながら、俺の足を触りだす明里ねえ。

 ちょっ、明里ねえまで!?


「ちょっ、や、やめ……っ!?」


 触られまいと必死手を動かして防御するが、相手は二人。俺の防御をすり抜けて触ってくる。

 だから触るの止めて!


「ちょっといじめてもいいよね……」

「いいものが見れそうだ」

「ひっ――っう!」


 手を気持ち悪い動きにしながらこっちににじり寄ってくる冬火と、その後ろで怖い笑顔をする明里ねえ。

 どうにか逃げようと足を動かすが、その衝撃でまた足が痺れて俺は動けなくなった。


「ちょっ、あ、だめえええ!!!!!!」



 その家では、しばらくの間女の子の悲鳴が聞こえたらしい。

冬火は夏日に着せる服を探していて、なにも考えずに夏日を出してしまったことを夏日にバレないか内心冷や汗を流しています。

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