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第37話 宿泊学習初日 他愛ない時間

「到着ー」

「やっと着いたぁ……!」

「はぁ……はぁ……」

「着いたー」


 俺らが目的地のキャンプ場に着いた時にはそこそこグループがいて、作業をしていた。残念ながら休む間もなく昼ご飯の用意をしなければならない。


「限界……」

「ごめん、ちょっと休ませて……」


 あらかじめ決められていた俺たちの座る長机に着き、左右に設置された長椅子それぞれに倒れ込む冬火と奏。二人が戦闘不能なので歩と料理を作る事になった。昼ご飯はキャンプの定番、カレーだ。さてと、まずは道具とか材料とかもろもろもらってこないとな。


「歩ー俺は材料貰ってくるから、道具頼んだー」

「任されたー」


 ▷▶▷▶▷▶▷▶▷▶


「えーと」


 特に意味も無くスキップしながら材料を貰いに行くと、材料を配る担当の女子たちが近づいてきてなぜか匂われた。


「めっっっちゃいい匂いする~」「うん。ヤバい」「ずっと嗅いでいられる」


 何なんだ。多少汗かいたから汗臭いだけだと思うが。


「早くしてくれ」

「って、腰ほそっ」「少し力入れたら折れそう」「ひぇー」


 だから何なんだ。そんな簡単に折れはしねぇよ。ここには男子の目がないからかやりたい放題にしてくる。


「うわー肌さらさらー」「さらさらー」「うらやましい」

「いいから早く」


 執拗に触ってくる女子たちを追い払って、材料を貰い帰ってきた。


「帰ったぞー」

『おかえりー』


 帰ると「一汗かいたぜ」みたいなポーズをしている歩と復活した冬火と奏が道具を並べていた。ガスコンロに鍋、飯盒(はんごう)にその他もろもろ……そう。米も自分で炊けと言われてるのだ。飯盒なんていつぶりだろうか。


「飯盒係俺してもいい?」

「僕もしてみたい!」


 分かる分かるぞ。飯盒を使ってみたいその気持ちが。


「いってらっしゃい」

「「やった」」


 冬火も特に異存はないようだから二人に頼んだ。そして二人は米を炊くために調理場へ飯盒と米を持って並んで歩いていった。

 ん? 冬火に不思議そうに見られてる。


「夏日も行くかと思った」

「カレー作らねぇといけねーだろ」

「夏日がそんな気づかいが出来るとは……!」

「おい」


 目をこすって涙を拭うふりをする冬火。ふざけなくていいから。


「てへっ☆」

「何が「てへっ☆」だ。俺には通じないからな」

「あっ待ってもう一回してかわいかった」

「誰がするか」

「もう一回だけー」

「ほらさっさと作るぞ」

「もう一回だけ。ね?」

「しつこい」


 しつこい冬火を無視してカレーを作り始めた。

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