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第31話 カラオケ!!

 カラオケに行こうってなったから、来てはみたものの、


「人前で歌うの恥ずかしい……」

「へいへーい!! 兄ちゃん歌おうよ!」

「夏日ちゃんほら一緒に!」


 ノリだけできたけど、いざ歌うとなると恥ずかしくなって、やめた。今はカラオケボックスの端っこで小さくなりながらジュース飲んでる。


「春木だけならまだしも、奏の前はちょっと無理」

「そんな事言わずに!」

「夏日ちゃん歌おうよ!」


 なんなの2人のテンション。ついていけれないんだけど。

 二回目だし、初めての時ほとんど歌ってないから恥ずかしいんだよ。車で歌ってただろ。って? それとこれとは話が別。


「ほんとに無理」

「兄ちゃん赤くなってかわいいー」

「夏日ちゃんほらほら!」


 もう、今日は何言われても受け入れるから歌いたくない。


「無理なんだって」

「いつもの兄ちゃんはどうしたの!」

「夏日ちゃんらしくないね!」


 本当に無理なんだって。テンション高すぎるだろお前ら。


「あ、ちょやめ」

「兄ちゃんにマイクを渡して~」

「音楽セットおっけい!」


 春木に無理やり立たされて、マイク握らされた。どうにか手を開かないように力入れてたのにあっさり解かれた。ぐぬぬ。お前ら手際よすぎだろ。


「待てって、おい」

「ほら! 兄ちゃんの好きなアニメのOPだよ!」

「夏日ちゃんがんばれ!」


 待って、何で知ってるの、春木。そのアニメに数あるOPのうち俺が好きなのをピンポイントでかけてきた。お前ら、聞く準備しなくていいから。本当に無理だって。


「おい、撮るな」

「あとで姉ちゃんにも見せないとだしね!」

「夏日ちゃんかわいいー」


 待って、映像はダメ。止めて。冬火にも見せるな。絶対バカにされる。


「やめろ」

「兄ちゃん歌上手いんだから~」

「そうなんだ」

「ほらほら、始まるよ~」

「夏日ちゃんがんばれ!」


 ぐっ。歌うしか無いのか……ここで歌わないと春木、奏、冬火にバカにされる。しかも確実に映像が歩と明里ねぇにも流れてバカにされる。はぁー最悪だ。


「一回だけだからな」

「「はーい!」」


 覚悟を決めて、歌い始めた。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「終わったぁぁぁ」


 見られているのと映像撮られてる羞恥心からどんどん顔が赤くなるのを感じながらどうにか歌いきった。


「やっぱり兄ちゃん歌上手いね~」

「え……夏日ちゃんめちゃくちゃ上手いじゃん」

「もう歌わない」

「アンコール!」

「アンコール!」

「歌わねぇ言ってんだろ」


 人の話ちゃんと聞け。どうしてお前らそんなテンション高いんだよ。



 結局、そのあと3曲歌わされて、羞恥心で死にそうだった。もう行かない。俺の歌ってる映像が冬火、歩、明里ねぇだけではなく、クラスのグループにも送られてて、カラオケへの誘いが止まらなかったのはまた別の話だ。

 送った冬火、許さねぇからな。

ちなみに、冬火は

『夏日の赤くなってかわいいカラオケ!!』

と題してグループに送りました。

クラスの男子女子はその映像を見て、

それ以来クラスでは『夏かわ』という言葉が使われるようになったとか。

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