第28話 奏くんには休む暇もない。
ふっ、ギリギリ。
ブックマークありがとうございます。
俺の格好について一悶着あった後、俺はソファーにもたれながら春木に髪を乾かしてもらっている。
「どうー? 兄ちゃん」
「気持ちいいぞー上手い上手い」
最近の方はスマホでやり方調べながら恐る恐るって感じだったが、しばらくするとそんな感じはなくなってきた。才能あるな。あー気持ちいい。
ちなみにドライヤーの音がうるさいので全員大声だ。
「しっかし兄ちゃん髪綺麗でさらさらだなぁー長くて大変だけど」
「だから春木にやらせてるんだけどな」
「春木くん嫌なら嫌って言おうね」
「まあ、触ってて気持ちいいからいいんですけどね」
「あ、そうだ。奏触ってみるか?」
「えっ、いいの?」
「さっきからずっと気になってただろ」
「え? 分かってたの?」
「分かるわ」
女になってから人の視線がどこに来ているかが分かるようになった。
「えっと、じゃあいい?」
「いいぞー。ほら」
適当に髪を手に取って奏の手の上に置いた。
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて。……うわぁーさらさら」
「だろ~」
「綺麗な色だね」
「だろだろ~」
自慢の髪を誉められて上機嫌な俺。自慢になったの方が正しいか。
「うん。ずっと触ってたい」
「そうだろそうだろ~」
「兄ちゃん動かないでーだいぶ楽しくなってきたから」
やっぱり春木才能あるんじゃないか?楽しくなってきたとかあるのか。
「ちょ、ちょっとなんで近づいてくるの」
「いや~胸でも触らしてやろうかと思って」
「へっ!?」
「誉められて気分がいいからな。今ならなんでも言うこと聞いてやるぞ」
「なんでも?」
「なんでも」
「う……えっと……じゃあ離れて」
「……りょーかい」
おもしろくないなぁ。
「ふぅ……耐えた、僕は耐えたよ」
「奏さん……兄ちゃん終わったよー」
「おーありがとー」
「助けてくれたらよかったのに」
「俺にはどうしようもないので」
「へへーん」
それほどでもー
「夏日ちゃん、誉められてないから」
えぇー
◁◀◁◀◁◀◁◀◁◀
「さあ!! 今日は夜更かしだぁ!」
「「いえーい!」」
「ゲームするぞぉー!」
「「うえーい!」」
よし、気合いは十分。明日も特に用事は無いし、遊び放題だな。
「よーし、何するか」
「はい!」
「はい。春木」
「終わってないゲームあるから手伝って欲しいです!」
「よっしゃ。奏もいいか?」
「うん。いいよ」
「よっしゃぁぁぁぁぁ!!」
テンションおかしいな。俺達。これだとすぐに電池が切れそうだ。
◀◁◀◁◀◁◀◁◀◁
数時間後
「ぐーぐー」
「すぅー……すぅー……」
ほーら。いわんこっちゃない。一通りゲームとかトランプしたあとすぐ寝やがった。あ、俺? 普段から夜更かししたりしてるからそこまで眠く無いな。奏の寝顔かわいいなぁ。イタズラしてやろうか。まぁいいや、先に片付けでもするか。
「あーごっちゃごちゃ」
おっと、その前に。風邪を引いたらいけないから奏と春木にタオルケットかけてやらねぇと。
「よし。おっけー」
春木は床で寝させるとして、奏は……うん。ソファーでいいか。さすがに二階まで持っていける自信ないな。
「よっこら、しょっ」
奏……女の力の俺でも持てるとかヤバくないか。重たかったら床で寝てもらおうかと思ったけど、運べそうだ。奏をお姫さまだっこして、運んだ。うん。奏には内緒にしておくか。いくら運びやすいからといっても、男でお姫さまだっこは恥ずかしいだろうから。
「よいしょっ、と」
奏を下ろしたところでさぁ、片付けするか。
◁◀◁◀◁◀◁◀◁◀
十数分後
「ふぅ。終わり」
さぁて、俺も寝るか。
「どこで寝ようか」
二階上がるのめんどうだしなぁ。床で寝るのもなぁ。体痛くなりそうだし。春木は知らん。
「ん、ちょうどいい場所あるじゃん」
ソファーがデカいから、奏とソファーの間に入れそう。
「おーぴったり」
ちょうど隙間に入れた。奏に胸めっちゃ押しつけてるけどいいか。こうやって、奏を抱き枕に──おおーいいサイズ。
それでは、
「おやすみなさい」




