第26話 餃子祭り!!
「よっしゃ。作るか」
「「おー!」」
机の上にのったかなりの量の具材を前に俺たちは意気込み十分だ。俺はいつものエプロンをつけて、髪をくくった。うーむ。やっぱり長いと面倒。
「あれっ? 兄ちゃん自分で髪くくれたんだ」
「それぐらい出来るわ」
「だっていつも姉ちゃんにしてもらってるじゃん」
「えっ、そうなの?」
「それは自分でするのが面倒くさいからだ」
「そんな理由だったんだ……姉ちゃんも大変だなぁ……」
「夏日ちゃん、冬火さんになにやらせてるの」
「いいんだよ別に。何気にあいつも俺の髪型いじるの楽しんでるし」
ちなみに、春木は自分のエプロンをつけて、奏は俺の別のエプロンをつけてる。最後に大事な事を確認。
「お前ら、手を洗ったかぁー!?」
「「洗ったー!!」」
「ならよし。じゃあつくるぞー!」
「「いぇーっ!」」
……奏がいるから変なテンションになってるな。
まず、キャベツ、ニラ、青ネギをみじん切りにする。
トントントントントントン……
「夏日ちゃんはやっ!?」
「そうか?」
「うん。めっちゃ速い」
次に、餃子の下味用に鶏ガラスープの素、酒、みりん、濃口醤油、大根おろし、にんにく、おろししょうがごま油を混ぜる。
ここで、1つ雑学をば。
「ちょっとした豆知識なんだけど、未成年の俺でも、料理酒とかは買えるんだよ。なんでか分かるか?」
「うーん」
「春木は?」
「分かんない」
よしよし。知らなくてよかった。
「それはな、料理酒には飲めないように約ニパーセントの食塩が入ってるからなんだよ」
「へぇーそうなんだ」
「知らなかったなぁー」
「ちなみに、このニパーセントだけど、
海水の塩分濃度が三パーセントという事を考えると、かなり多いのが分かるだろ?」
「うわぁ。しょっぱそう」
「しょっぱいだろーなぁ」
「というわけで、未成年の俺でも料理酒は買えるんだよ。1つ賢くなったな」
調べたときはなるほどなぁーって思った。
「なったなったー!」
「なるほどぉー。兄ちゃんやっぱ凄いなぁ」
「えっへん」
「「かわいい」」
なんでそうなる。
次は餃子のタレの準備をする。濃口醤油、薄口醤油、砂糖、酢、ラー油を混ぜる。そして、挽き肉に塩、コショウ、下味用に作ったのもいれて、捏ねる。奏が何かしたそうにうずうずしてたから、捏ねる仕事をあげた。そして、粘りが出るまで捏ねたら、餃子の一番大切な所の、餃子の皮に包む作業だ。
「よし。包むか」
「いくぞー!」
「やるかぁー!」
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼
数十分後
「終わったぁぁぁぁぁぁ!!」
「やっとだよ……」
「キッツ……」
最初の方は
「春木、なんだそれ」
「春木君なにそれ」
「シュウマイっぽく作った。反省はしている。後悔はしていない」
「新しいアイデアだな。もっといろいろ作るか」
「そうだね。いろんなの作ろう」
「いぇーあ!」
ってやってたのだが、さすがに量が多かった。最後は無言でひたすら餃子のヒダ作っていた。
「まさか、ここまで量多いとは……調子のって買いすぎた」
「そうだね……」
「食べきれるか……?」
そこには皿いっぱいに積まれた餃子の山が。誰だよこんなに作ったの。
俺たちか。
「歩たちも呼ぶかな」
「家近いの?」
「目の前がそう」
「近いね」
「春木ー電話しといてー」
「了解」
さすがに三人では無理な量なので増援を呼んだ。
さぁーて。焼くか。っとその前に、今日は羽根つき餃子を作るから、きれいに羽を作るためのやつ作るか。作りかたはいたって簡単。お湯十に小麦粉一の割合で混ぜるだけ。片栗粉でもいいのだが、空気中の水分を吸ってしんなりするらしいので小麦粉を使う。
まず、フライパンを温める前にサラダ油をひいて、餃子を並べ、中火で二分ほど焼く。並べるときに間を開けておくのも忘れずに。くっつきやすくなるから。
そして、二分たったら、羽根の素をいれて、中火で五分。だいたい羽根が出来てきたら、ごま油を鍋肌から回しかける。こうすることで、パリッとした羽根ができる。
羽根がキツネ色になったら、完成!!
「春木頼んだ」
「任せて」
あとはおなじみのフライパンと皿を使ってくるっとするだけ。油をきるのも忘れずに。
「よいしょっと」
「おおーきれいに出来たな」
「おいしそう」
ただ、まだまだ残ってるんだよな……作りすぎた。
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「やっと終わった……」
「多かった……」
「疲れた」
「春木に餃子食べにくる? って言われて来てみたら、凄い量作ったな」
「わぉ。いっぱい」
いつの間にか歩と明里ねぇがいた。
「それで、夏君? この凄くかわいい子誰? 連れて帰っていい?」
あーそういえば説明してなかった。
「ちょっとそれは……えーと、潮川奏といいます。歩君とは同じクラスでいつもお世話になってます」
「あらあらご丁寧にどうも。こちらこそ歩がお世話になってます。あ、私は歩の姉で明里です」
「いえいえ」
「しっかし、かわいいね~奏ちゃん」
「あ、ありがとうございます……」
「明里ねぇ。こいつ男だからな」
「え?」
「男です……」
「嘘ぉ。こんなにかわいいのに」
「男です!」
ついちょっと前もあったなこの下り。
「おーい。ご飯ついだから食べるぞー」
『りょうかーい』
席に座った俺たちの前には山盛りの餃子が。
『いただきます!!』
一斉に餃子を取った。
『ん~~~最高』
羽根はパリッと、餃子はモチッと。野菜のシャキシャキ感に噛めば噛むほど溢れだす旨味。あーご飯と餃子とかいくらでも食べれる。
俺たちは一心不乱に餃子を食べた。
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼
「ふぅー食った食った」
「おいしかったぁー」
「お腹いっぱい」
「夏日の料理なんでも上手いな」
「最高ぉー」
あんなにあった餃子の山も、五人で食べると案外早く無くなった。
奏が満足そうでよかった。作った甲斐があったってものだ。
まだまだ奏のお泊まりは続きます。




