雨男と晴れ女
「僕はね、大切な日には必ず雨になるんだ」
雨男を豪語する彼氏はおもむろに彼女に切り出した。
「だから、例えば小学校の運動会の日は雨だったし、遠足の日や中学や高校の修学旅行の日も雨だったから、よく友人から、「お前は来るな」なんて言われたもんさ」
彼氏は笑いながら話した。それを聞いていた彼女は、
「あら、そうなの。私は天気に恵まれなかった事はないわ。どの日も晴天に恵まれ、晴れ女と友達から有り難がられたわ」
と、少し誇らしげに語った。
「じゃあ今度の初デート、雨男の僕と晴れ女の君。当日はどっちになるかな?」
「そうね。私も楽しみだわ」
二人は見つめ合い笑った。
初デート当日、二人が現れた待ち合わせ場所である一帯を、眩しい陽を射す雨雲が灼熱の豪雨を降らせていた。