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お姫様転生  作者:
序章
8/78

お寝坊さん

 ふと時計を見ると、いつもだったら化粧等の身の回りのことをしていた時間だった。

 コトリになったり、アーリャを()したりしていたせいで時間がすっかりなくなってしまった。

 そう気づくと、床で倒れている幼馴染を尻目に急いでクローゼットからもう一着のドレスを取り出す。


「お気に入り……だったんだけどなぁ……」


 アーリャを殴る羽目になってしまったし、大事にしていたドレスまで消えて、かなり不服な私はそんなことをぼやきながら準備を進めていった。

 いつもだったらもっと余裕をもって準備ができるというのに、おかげさまでまったくもって忙しい。


「何がなんだかわからないけど、怨んでやる……」


 全部、コトリになったあれが悪いもん。


◇◇◇


 七時ぎりぎりの時間。

 ようやく支度が終わった私は、そこで伸びてるアーリャを起こしていた。


「アーリャー……お寝坊さんはよくないぞー」


 横腹の辺りをつんつんと突いていると、嗚咽とともにうーんと唸り声をあげる。

 しかし、起きる気配はどうやらないようだ。

 これはもしかしなくても勢いが強すぎたかな……。


「仕方ないなぁもう、治癒(ヒール)


 私がアーリャに手を(かざ)し、唱えると周りになんかきらきらしたのが浮かび上がる。

 今使ったのが魔法で、私が使えるのは聖属性魔法。

 私はまだ魔法は言うほど強いのが使えないけど、そもそも聖属性使える時点でかなりいいらしい。

 よくわからないけど、きらきらしてるのは魔法を使ったことを表していているみたい。


「う、うーんあれ、姫様?」


 治癒をかけるとアーリャはすぐに起き上がった。

 うん、やっぱ魔法って便利。さてと起きたなら聞かないといけないことがある。


「おはようアーリャ、お寝坊さんはいけないよ」


「え、あの姫様、俺はなんで姫様の部屋に……」


「アーリャ、どこまで覚えてる?」


「え、あの……えっと確か……昨日ベッドに入って……?」


「そっか、ならいいんだ、急に変なこと聞いてごめんね」


 そう、それならいいのだ、アーリャには悪いことしたと思うけど、あれは仕方ない。


「いや、あの俺全然理解ができてないのですが……」


「いいから、ほら、もう時間だよ? 一緒にいこ」


「は、はい。あれ姫様、いつものお召し物ではないので?」


 なくなっちゃったんだから仕方ないじゃん……。

 そうだ、替えのものを頼んでおかなきゃだった。


「それが、駄目になっちゃってね? 捨ててもらったの。だからあれと同じものを作っていただくようお願いできる?」


「そうでしたか、あれと同じものとなりますと、少し時間はかかると思いますが、俺の方から言っておきますね」


 やっぱ便利だなぁ。頼んだだけでなんでも揃うんだから。あの服だって、多分平民が一生暮らせるくらいのお金がかかってそうだからね……。


「ありがとう、アーリャ。大好きだよっ」


「姫様!? そんなことを言われましても!?」


 毎回、毎回アーリャの反応は楽しくて仕方がない。六つも下の私に好きと言われて、こんなに困惑するのはアーリャかお父様くらいだろう。お父様は私が可愛くて仕方がないようだから……。


「あはは、やっぱりアーリャは面白いよー」


「まったく、御父上たちの前では口調、直してくださいね……」

 

なんか路線がずれてきた気がする。気のせいかな。

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