最悪なタイミング
白色の毛並みに黒で斑点模様の入った綺麗な姿をしている小鳥。
鏡に映った其れは間違いなく、私と同じ動きをしてみせてしまった。
「いや、どういうこと!!??」
あっ鳥なのに喋れはするんだ。
……ってそんなことはどうでもいいよ!!??
えっ、なんでこんなことになったのっ!? 戻れるのこれ!?
私が慌ててそんなことを考えていると、頭を何かで突かれる。
「いたっ!! いきなりなにさぁ!!」
振り返るとそこにはコトリがいた。
しかし、先ほどまでのコトリと比べて明らかに大きくなっている。
いや、私が小さくなっているのか……。
コトリは少し戸惑いを見せたまま、私のことを心配? しているのか見つめてきている。
別に鳥になっても鳥語を喋れるわけではないらしい。けど、なんとなく顔をみると何を言いたいのかが伝わってきた。
「コトリーどうしようーこれー私はコトリとして暮らすしかないのかなー」
言いながらも、人の言葉で話す鳥とか嫌だなと、自分でも思ったけど……。
でも、この世界の魔法ならこんなものもあるのかもしれないけど、私に魔法かける奴とかいないと思うし。いても掛けられた私が気づかないなんてあるのかな……?
とりあえず、どうにかして戻る方法考えないと……!
「せっかく可愛くなれたのにこれじゃ何の意味もないからね! いざ! 私の身体を取り戻しに!」
ただ、こんなことが他の人にばれたらそれだけで大騒ぎが起こっちゃう。
私が何とかしないといけないっぽいかなぁ。
なんでこうなったのかがわからないと直しようがないんだよね……。
考えられるのは……あの煙みたいなのが出たときに魔法に掛けられたとか?
いやでも、私以外この部屋にいないのにどうやって……。
元から呪いみたいなのがどこかで掛けられていて、それが今発動したとか?
毎日のように身体検査(呪いの類等)やってるんだからそれもないかなぁ……。
鳥が羽で頭を抱えて悩んでいるとかいうかなり奇妙な光景が繰り広げられる中、色々と考えては見るけど、全然わかんない。
そもそも、この部屋に私しかいないんだから、犯人は私なのでは。
うん、流石にそんなわけないよね……。
冗談だよ冗談。
「冗談だからいまこの現状も冗談ってことで元に戻してよ、神様ぁーー!!」
コトリとネコから奇妙なものを見る目を向けられながら、私は天井を見上げながら、そんなことを口走る。
すると、先ほど感じたのと同じような感覚が私を襲ったのと共に再び私の周りに真っ白な煙が立つ。
再び目を開けると、そこにはいつものイリーナ・クドリャフカの姿があった。裸で。
「やったぁ、戻ったぁっ!?」
戻ったことに浮かれて立ち上がると同時、部屋の扉が開かれた。
「姫様! 急に大きな音がしましたが、ご無事ですか!?」
大きな音を立てながら入ってきたのは私の幼馴染であり、お城のなかでの護衛も担っている、とある貴族の息子(十三歳)だった。
主人公はまだ若いとはいえ乙女です。