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お姫様転生  作者:
一章
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考えろ

 屋敷への潜入は驚くほどあっさりとできてしまった。

 普段からお城のなかで、人の目を盗んでおやつを食べたりするときに使っていたスキルが役に立ち、警備員にバレそうになることはなかった。

 他の皆も、こういったことは決して今回が初めてではないだろうし、私よりもさくさくと成し遂げてしまった。

 これでも、かなり緊張していたんだけど、案外あっけなくできてしまったため、少しその緊張も解けてしまう。

 屋敷へは窓を開けて台所から侵入する。チーニヤの魔法で中へ侵入すると、窓を開けて、そのまま全員そこを抜ける。

 屋敷に侵入するとすぐに二手に別れる。足音を立てないようにしながら、一階と二階それぞれに別れ探索を開始。

 私とアルヴィナは一階を。

 チーニヤとシーニーは二階をそれぞれ担当する。

 決して音を立てることはなく、それでいて迅速に、部屋の中を探索していく。

 台所は、広々としており、なかなかに探索に苦労する。調理器具や、食器棚。調理場にたくさんの食材たち。怪しいものとかは特になく、そういったものが綺麗に並べられたこの部屋を隅々まで、確認していく。

 上の方に置いてあったものを取ろうとして、引っ掛けてしまい、あと少しで落とすところだったり、床に合ったものを蹴って倒してしまいそうだったりしたのを、全てアルヴィナが全力で止めることで、ことなきを得た。


「……いないね」


「……ほかの部屋も行きましょう」


 声にならないような小さな声でそうして意思疎通を図るけど、探している限りでは、それらしきものは見当たらなかった。

 子供がそのままいることはないだろうということで、探すべきものは隠し部屋。

 または、どこかの鍵などだった。

 最初に入った台所を調べ終え、次の部屋へと移動する。

 トイレ、浴場、物置、リビング、玄関。

 順番に、手早くと時間をかけないようにして全力で探す。

 どこも、至って普通の部屋に思えたし、どこを探してもそれらしきものは発見できず、ただ時計の針だけが進んでいくのみだった。

 それだけ時間をかけても上の人たちが戻ってこないということは、上の様子も似たようなものなのだろう。

 そう思った私は、必死に思考を巡らせる。

 まさか、この計画がばれていた? いや、恐らくそれはないと思う。もしそうなら、こうして入ることすらできていないだろう。

 ここの屋敷ではない場所に居る可能性は? 十分にあるかもしれないけど、チーニヤの話では、ここで見たということだ。信じられる情報なのかはわからないけど、今はそれを信じるしかない。

 何かの魔法による隠蔽? それもないと思う。そこまで大掛かりなものなら、ルフィナが遠くからでも気づくだろう。

 それなら……。


「入っていない部屋……」


 小さく、すぐそこにいるアルヴィナにさえ聞こえないようにして、そう囁く。

 確証なんてない。

 だけれど、私はそこだと仮定し、思考する。

 どうすればいける。どうすれば助けられる。どうすれば……。


うーむ十万文字程度で考えていたけど、もう少し短くなっちゃいそうです。

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