ペア
「魔法を任せる……というのは一体どういう?」
私は、話を聞くことに専念していたけど、流石にわからないことは聞いていかないと、ついていけないと思って、三人にそう問う。
「ああ、ルフィナは魔法系の感知が得意でね、今回だと、裏方として探知系魔法の無力化をしてもらうんだ」
「ルフィナは色々とできることがあるから、ルフィナいないと失敗してたんじゃないかって何度思ったことか……」
「なるほど、すごいんだ、ルフィナ」
魔法の感知ってだけでも十分にすごいのに、まさか無効化までできるなんて、それこそ、子供にできることではないはず……。
でも、昨日私を追ってきたルフィナのを見ていても、魔法の実力もまるで子供とは思えなかった。
もしかしたら私と同等かそれ以上にできるんじゃないかな?
「いえ、あの……私なんかまだまだで…………」
しかし、その本人は実力に見合った自信がないようで、褒められて恥ずかしかったのか、手で顔を覆ってしまっていた。
もったいない、しっかりとした地位に居れば、確実に功績を軽々と出してしまいそうな逸材だというのに……。
「まぁ、そういうわけだから、魔法探知の心配は当面は大丈夫だと考えてくれ」
「わかった、ありがとう」
「さて、じゃあ次に決めるのはペアかな」
「誰と誰が一緒に行くかってこと?」
「そう、今回もルフィナには単独で行動してもらうことになるけど、大丈夫?」
確かに、役割で考えると、ルフィナは一番危険が伴いそう。
誰か一緒に行った方がいいんじゃ……?
「大丈夫、いつも通り……遠くからでもなんとか、なるから……」
何故だが、その大丈夫という言葉には強い意志が感じられて、私はそれ以上聞くことはできなかった。
けど、実際に実力は十分だろうし、彼女を信じるしかないのだろう。
「わかった。それじゃ、他の四人を二人ずつで分けるとして、どうしようか?」
「とりあえず、イリーナは私かチーニヤと一緒に行った方がいいでしょ、まだ何もわからないんだし」
「そうだね、うーんっと……それじゃあ今回はアルヴィナに任せてもいいかな?」
「了解、まぁ、へまはしないと思うよ」
「うん、心強いよ。イリーナもそれでいいかい?」
「えっ!? あっうん、大丈夫……」
話を急に振られて、慌ててしまったけれど、実際、二人で行動するなら、女の子の方がやりやすいと思うし、特に異論もなかった。
「それじゃあ、ひとまずよろしくね、イリーナ」
「こちらこそ、アルヴィナ。よろしくね」




