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お姫様転生  作者:
一章
32/78

作戦会議


「さて、シーニーが寝てしまったけど、今回の作戦概要でも話そうか?」


 チーニヤは一目だけ、シーニーに視線を送った後、切り替えるように私たちを見つめる。

 あ、本当に、こんな扱いなんだ……。

 なんというか、少しかわいそう、シーニー。


「それでいいでしょ、どうせシーニー作戦概要なんて聞いてもわかんないだろうし」


「簡単な説明……だけ聞かせてあげた方が、多分……シーニー、理解してくれる、から」


 満場一致でシーニーいなくてもいっか、になるとは思わなかった。

 でも、私も実際、さっきあんなこと言われっちゃったばかりだから、特に何かを言う気は沸いてこなかった。


「うん、それじゃあ、昨日言った通り、今回はズロー・チムナター男爵のお屋敷へと忍び込んでそこにいる子供の救出及び、何か証拠になるものを持って帰ることが、主な仕事」


 昨日、簡潔に聞かされていたことの復習をするように、順番に話始める。


「常に、警備員、魔法による探知など、警戒は怠っていないみたいだから、今までみたいに簡単にいくみたいな考えだけはしちゃだめだ。また、その子供がどこにいるかはわからない。お屋敷の地図は手に入ったから、これを頼りに目ぼしい場所を手あたり次第に潰していくしかない」


 そういいながら、手に持っていた、丸まっていた紙を、机の上に広げる。

 そこには、二階建てのお屋敷の造りが書いてあった。

 なるほど、さっきまで持っていた紙は地図だったんだ。と、私は一人で勝手に納得する。


「チーニヤ、警備員以外に人は?」


 地図を人一倍、じっと見つめながらに、アルヴィナは、チーニヤへと質問をする。


「家族が二人、ズローの妻と子供だ。この二人にも見つからないような行動が必要になってくると思う」


「そうね、それなら、二手に分かれましょうか」


「ほう、なんでだい……?」


「あんまり大人数で言っても、見つかる可能性が高くなるだけよ、あとは、逃げるときも、少人数の方がいい」


「それもそうか、今までは外での仕事が多かったわけだけど、今回は室内だ。逃げるときとかの話も変わっていそうだからね。それじゃあ、そうしよう。ペアは後で決めよう」


 私を他所に、話し合いは、どんどんと進んでいく。

 話を理解することはできるけど、話についていくことは、できなかった。


「今回もいつも通り、魔法に関しては、ルフィナに任せてもいいかな……?」


 チーニヤはルフィナの方を振り向くと、そういって、ルフィナの手を握る。

 ルフィナはそれを受けて、顔が、いつもよりも格段に真っ赤になってしまっていた。


「……ひゃっ、ひゃいっ、がんばりまひゅっ……」


 そのまま返答をしようとして、盛大に舌を噛んでしまったらしく、舌を出しながら「いあいでひゅー」と言っているその姿に私は小動物的可愛さを見出し、一人、癒されていた。

女性陣のが強くなってく不思議

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