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お姫様転生  作者:
序章
3/78

願いの差異

 気が付いたときに私は既に七歳だった。

 たまたま頭を打ったらしく、その衝撃で記憶が一部蘇ったのだと思う。

 とはいっても覚えているのは私の名前と前の世界でのことを少しくらいだ、あとは、そうあの不思議な空間での出来事。

 記憶が少し戻った時はとても混乱したが、おぼろげな記憶を辿ると、とても他人の記憶には思えなかった。

 あれが前世での記憶であることは、まず間違いないだろう。

 別にそれで何か変わるわけでもない、私は私なんだ。

 でも……。


「可愛くなりたいって願いでなんで王女に生まれるのさー!!!!」


 まだ朝早い、陽が昇る前に一人、とても一人部屋の大きさではない部屋で記憶を取り戻した私は頭を抱えて、嘆いていた。


◇◇◇


 私、イリーナ・クドリャフカは王国第一子女として生まれた。なんでも王族の第一子女はこの世界では聖女と呼ばれるらしい。

 別に聖女であることが言うほど嫌なわけではない。

 何しろ聖女だもの、扱いは格別、お城の中は私の庭みたいなものだし、お世話役もたくさんいるから私は何もしなくていい堕落しきった生活を何の苦もなく送ることができる。

 しかも、今まで気にしてはいなかったけど、いくら食べても太ることがない、理想の体重を常に維持し続けている。恐らく、あのよくわからない私の恩恵の一つなんだろう。

 しかも、願いはしっかりと叶えられてはいる。鏡を見たらそこには二度見どころか三度見も辞さないくらいの可憐に整った顔立ちをした美少女が立っていた。金髪に唐紅色(からくれないいろ)の宝石のような瞳、透き通るような綺麗な肌に、折れてしまいそうなくらいに細い手足。それに王国随一の職人が仕立てたドレスを纏わせているのだ。自分に惚れ惚れするくらいに綺麗であることは認めよう。


 そこまで整っているなら一体何が不満なのか、そう思う人もいると思う。

 でも、考えても見て欲しい。

 今までは特に思うことなくやっていたけど、私は前世ではそこそこ適当に暮らしていた気がする。

 そんな中こんな分単位で学業、武術、礼儀作法の勉強をやらされているのだ、慣れてきてはいるけど、そりゃ少しは嫌にもなってくる。

 しかも、前の世界とはかなり常識が違ってくる。

 そもそもとして、ここの世界は王政、戦っているのは人じゃなくてなんか魔族みたいなのらしいし、普通に魔法もある。

 あとは何がどこまでできるかを表した要するに習熟度のようなものがこの世界ではスキルという名前で通っているらしい。

 その分野に関わることを行っていると勝手に増えていくので考える必要もないみたいだけど。


 ともかく、そんな知らない世界での常識なども学ばないといけないのだ、この七年でだいぶ学んだけど、全然終わる気配がない。

 最後に、私は生まれてこの方この城から出たことがないのだ。

 なんでも聖女というのはとても大切らしく、恐らく外に出ることは一生無理とのこと。

 城の中に庭もあるし、そもそも城の大きさが半端じゃないからそれで困ることはないけど、窮屈であることに変わりはない。


 どうせなら、そこら辺の村娘にでも生まれてちやほやされたかった……。

 いや、それはそれで大変かな……。

 でも少なくとも、もう少し色々あったと思う。


 そんなことを考えていると、聞き覚えのある声で私は朝食へと呼ばれる。

 あれは執事たちの声だろう、お父様もお母様も忙しく、食事の時以外ではたまにしか顔を合わせることも叶わないのだ。

 前世でそれなりに、大人の端くれとして生きていた気がするが、今はまだ子供だし、親が恋しくなったりくらいする。

 それに両親とも本当に私のことを大事にしていてくれて、私も両親のことは大好きだ。

 だからこそ、私は両親たちに迎えに来て欲しかった。

 そんなことを思いながら、少し気分の乗らないままに私は扉を開け、執事たちに挨拶をするのだった。


「おはようございます、皆様」



 

ステータスを簡単にまとめておきます。


イリーナ・クドリャフカ 

現在七歳

女神の恩恵

 絶対的美貌

 ?????

聖女の恩恵

 結界の守護神

 神に愛されたもの(身体能力向上、その他)

スキル

 体術Lv8

 弓術Lv4

 剣術Lv5

 聖魔法Lv5

 気配遮断Lv7

 消音Lv3

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