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新世界を目指して  作者: ジョセフィーヌ馬場
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第5話 夢か現実か

この話から本格的な話に入っていきます

皆様楽しんでいただければ幸いです

誤字脱字なのどご指摘などあればレビューにて教えていただければありがたいです

ここは夢の中なのか?

俺はどうして意識があるのだろうか,ここは何だ?

周りを見渡してみると江戸時代を連想させる昔のような風景が広がっている


古びた家,和服で歩いている人々

騒ぎながら走り回っている子供たち

一目みて明らかに自分が居た時代と認識できる世界だった。


「これは一体どういうことなんだ…?」


迅はそう感じることしか出来なかった

学校が終わり家へと帰宅して眠りについたかと思うと目が覚めればこのような状態になっていたのだから


「取り敢えず歩いて見て回ってみるか」


そう思い立ち、人が行き交う道を歩いて進んでみる

馴染みの無い風景の筈なのだが何故か無意識の中で懐かしさを感じさせる風景でもある。

昔の学校、寺子屋であろうか建物

和服を着ながら歩いている女性

男なんて腰に刀を差しながら歩いている


しばらく歩き進んでいたが、迅は違和感を感じ取り始めていた。

風景は殆ど変わらずに同じ道を繰り返し歩き進んでいるようにしか見えない

道を行き交っていたはずの人々もいつの間にか消えており、道には自分一人しか居なくなっている


「一体どうなっているんだ… 歩き回って見ても何もわかりはしない。

ここは一体何処なんだ…」


暫く立ち止まって考えをまとめていた迅に突然異変が起きた。


「▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮、▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮」


頭の中に突然ノイズの掛かった声が響き渡る

迅は突然自分の頭の中に響き渡る声に戸惑うことしか出来ない


「何だ!一体何を言っているんだ!」


「▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮、▮▮▮▮▮▮。」


「一体俺に何が起きてるっていうんだよ! クソッ!」


声の主を探そうと周りを見渡すと、目の前にある木の根元に人が居るのが解ると共に迅は走り出した。

しかし、一向に木へと近づくことができない。


「何なんだよ!何で近づいていかないんだよ!おかしいだろ!」


10分くらい走っただろうか、それでも近づくことは出来なかった。

何時の間にか頭の中に響いていた声は消えており、木の根元にいた人影も消えていた。

迅は戸惑うことしか出来なかった。

夢なのに現実味が在りすぎる、実際に存在しているかのような世界だ。

歩くたび足に伝わる体重と大地の感触。肌に感じる風。

頭に響いた声の鮮明さ、走った後に掛かる肉体への疲労

どう感じても現実の物としか思えなかった。


「本当に、どうなっているんだ…?」


また立ち止まり考えに耽っていると、再び迅に異変が襲い掛かる。

次は周りの風景が変化していた


先程までは江戸のような街並みであったのが、古い病院の一室のような風景へと変化していた。

迅はそこで目撃した物をみて愕然とすることしか出来なかった。


自分と同じ人物にしか見えない人が、横たわって死んでいた


「嘘だろ…? これは俺なのか…?」


迅が愕然としながら立ち呆けていたら、扉の開く音が聞こえる

そこで我に返り、扉のほうに振り向くとそこには筑城先輩が立っていた。


「▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮、▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮。」


自分が知っている先輩の筈なのだが、喋っている声は認識できない。

先ほど聞いたノイズのような声と同じようにしか聞こえない。


「先輩?何を言ってるんですか!」


迅は語気を強めながら近づいていく。

それでも先輩は目の前にいる迅ではなく、死んでいる迅のような人にしか気付いていない

迅が歩き進み触れようと手を伸ばすと、迅の手が先輩の体をすり抜けた。


「やっぱりこれは夢なんだ こんなことがあり得るはずがない」


迅は少し落ち着きを取り戻し、自分なりに現状を把握しようと考えを纏め始めた。


ここは夢の中だとしても、現実味が在りすぎる。

自分の未来に起きることを夢で見ているのか?

それにしては風景やノイズのような声が辻褄が合わない


色々な思考が頭をよぎっていく

迅はただ、ただ、考え続けた。

しかしどれだけ考えようとも思考が固まることは無かった。


どれだけ時間が過ぎたかも解らなくなってきた頃に最後の異変が訪れた


またしても風景が変わり始めた。


周りが全て暗闇に包まれている

どれだけ周りを見渡しても続く限り暗闇しかない

光の一筋さえも侵入を許さない暗闇の世界

ただ、一つだけ迅の視界の中に捉えれたものがあった。


それは、この世界の上に座して居る者

あまりにも暗闇には似ても似つかない者の存在だった


皮膚はアルビノの純白の肌

髪は空を想像させてしまう青

体の周りには真っ白の大蛇のような物が、女を、世界を囲むようにしてうごめいている

ただ、そんな物は前座に過ぎなかった。


迅にとって一番衝撃だったのはその鎮座している者の顔であった

髪や肌の色などは全く違うのだが、顔を見て驚きを隠すことができなかった。


「筑城先輩…?」


迅がそう思い、上を見上げて居ると先輩らしき人と目が合ってしまうと同時に迅は夢から目を覚ます


「今のは、一体何だったんだ…」


夢だったとはいえ、余りにも現実味が在りすぎた

一度自分が経験してきているような感覚

既知感を感じられずにはいられない


ただ、それを調べる方法はない。

出来るだけ、思い出さないようにしながら、迅は学校への支度を終わらせて行く

いつも通りの日常が待っているように期待を込めて

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