第2話 俺の日常
「あぁ・・・学校行きたくないな…」
そんな言葉を呟きながら迅は制服に着替え身支度を整えていく
高校生になれば義務教育制度は無くなり,最低限の出席はしないと卒業は出来ない。
着替えも済み,パンを齧りながら家を出る。
高校入学を機に地元を出て,田舎へ引っ越したものはいいものの
電車は無いわ,道は少ないわで通学にも片道1時間弱かかる道を気怠そうに歩いていく
「この道は何度歩いても慣れないな」
それもそうである。
一人暮らしをする条件として仕送りは殆ど無しが条件だった為
田舎の辺境にあるボロ家に住んでいるのだから
「まぁこの自然豊かな風景も見飽きないからいいけどな」
道とはいい難い地面をだらだら歩いて行きながら学校へと登校する。
彼の日常の中で彼が唯一好むものでもあった。
学校へと無事に登校し,自分のクラスへと進んでいく
教室のドアを開けると先に登校しているクラスメイト達が物珍しそうに迅を視る
こんな奴いたっけ?
久しぶりに見るな
など小声が聞こえてくるが迅は聞こえないふりをしながら自分の席へ座る
後は授業を上の空で受けているだけで済む
1限目から寝て過ごしそのまま寝続けて帰宅時間まで寝るのが迅のいつもの学校生活だった。
迅がクラスに馴染めていないのも教師は解っているので迅を起そうともしない
6限目のチャイムの音が目覚ましとなり,目が覚めた迅はそのまま下校していく
「寝て起きてたまに学校へ行くこの繰り返しが続く日常ほどつまらんものはないな」
そう呟きながら迅は歩いて行く
帰り道に数人クラスメイトとすれ違いながら会釈だけを交わし帰っていく
家へと辿り着いたら風呂に入り部屋のベットで寝ころびながら自堕落に過ごす
彼の日常はこの繰り返しである
そのまま彼は寝に入り,そして夢を見る
定期的に繰り返し見る夢
一人の女が宇宙に座して世界を見下ろしている夢だ
そのまま女は世界を見下ろし続けているだけ
迅の意識が覚醒していくに連れて女が遠くなって行く
そして目が完璧に覚める頃には女は見えなくなっている
そんな夢
しかし迅はこの夢の事を朧気にしか思い出すことはできない
そして目が覚めたらまた繰り返される日常が始まる