閃光
余りにも現実離れした出来事だったので書くか悩んだが、実際に目撃した出来事だったので記述することにする。
退屈な昼下がりの時だった。本を読みながら静かな時間が過ぎていった。
私から少し離れた所で白い男も本を開き、お互い干渉せずその世界に没頭していた。
突如後ろから気配を感じ、意識してみると一人の女が立っていた。
近頃私の机周りを水害で侵していた女とは別人である。特に行動をするわけでもなく只々そこにいるだけだったので気にせず読書に戻ると、件の水害の女が帰ってきた。
何か癇に障る事が有ったのか、お互いにけなし合い始めた。私は見ることは出来ても聞くことは苦手なので、酷い罵声が飛び交っているような気がする程度で、読書に支障をきたす事はなかった。
だが白い男は違ったようだ、啀み合いは取っ組み合いの喧嘩にまでエスカレートしていた。
水害の女はフライパンのような鈍器を持ち出し、そばに立っていた女もそれに対応して激しい攻防を繰り返してた。私のベッドの上で。
白い男は耐えきれず本をパタンと音を立てて閉じると、やれやれと言う感じで片手の手首に腕時計のように撒いていた筒のような装置を二人に向けた。
筒から赤とも白とも取れる眩い閃光と共に二人をビームのような物で吹き飛ばした。
光が収まると、白い男は再び読書に戻る。
あまりにも現実離れした突然の出来事で、呆気にとられる私は読書に戻ろうにもどこまで読んだのか忘れてしまったのであった。
2週間ほどして吹き飛ばされた二人は帰ってきた、仲良くなって。