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白い男
自室に白い男がやってきた。
彼は上下白のスーツにハット、渋い見た目で常に本を携帯していた。
私の部屋が幽霊のたまり場のような状態になってから現れた彼は、時折本をパラパラと片手で器用にめくり、此方の動向を観察しているようだった。
常に私の横にいる女性の霊が彼のもとに行き何をしに来たのか尋ねた所、私が霊を使役しているのではないかと疑惑が有ったため監査に来たとの事だった。
確かにたまり場として自由に出入りされているが、私は特に使役しているわけではない。
実害が無いのでそのままにしているが、3日に1度は必ず現れる。
霊の世界でもそういった法的機関の様なものが有るのだろうか。私の力が成長したならばぜひ話を聞いてみたいものだ。
やはり興味は尽きない